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Amazon・Appleでテック株は戻るのか?レバレッジ崩壊後の買い場とIBM・BlackBerry|Mad Money 2026年7月30日

    今回の結論は、AI・半導体株の急落を企業業績だけで判断してはいけない、ということです。クレイマーは、レバレッジをかけた大手ヘッジファンドの強制売却が、優良銘柄まで押し下げた可能性を指摘しました。番組ではAmazon、Apple、Intelに加え、IBMの量子コンピューター、Jersey Mike’sのIPO、BlackBerryの事業転換、Starbucksの復活まで幅広く解説しています。

    今回の要点3つ

    1.AI株の急落は「企業の悪化」だけが原因ではない

    AI関連銘柄に集中投資していたヘッジファンド「Situational Awareness」が、レバレッジ取引の損失によって保有株の売却を迫られました。

    クレイマーは、ファンドの強制売却がIntel、CoreWeave、半導体、メモリー、データセンター関連株の下落を増幅させたと説明しています。企業の業績と株価が一時的に大きく乖離した可能性があります。

    2.Amazonのクラウド成長がテック株回復の鍵

    Amazon Web Services(AWS)の売上高は前年同期比37%増となり、成長率が大きく加速しました。

    クレイマーは、Microsoftに続いてAmazonもクラウド需要の強さを示したことで、AIインフラ投資への懸念が後退すると見ています。一方、Appleは好決算だったものの、利益率やメモリー価格上昇への警戒が残りました。

    3.IBM、BlackBerry、Starbucksでは「経営の転換」が焦点

    IBMは量子コンピューターの実用化、BlackBerryは自動車・ロボット向けOS、Starbucksは店舗運営の再建が注目されました。

    いずれも過去のイメージとは異なる成長ストーリーです。ただし、期待が先行しやすいため、株価ではなく実際の売上高、利益率、キャッシュフローを確認する必要があります。

    番組全体の流れ

    AIヘッジファンドの強制売却とテック株急落

    何が語られたか

    番組冒頭でクレイマーは、企業の業績と株価が必ずしも同じ方向へ動くとは限らないと説明しました。

    今回の例として取り上げたのが、元OpenAI研究者レオポルド・アッシェンブレナー氏が運営するAI投資ファンド「Situational Awareness」です。

    同ファンドはAIインフラ、半導体、メモリー、データセンター関連株を大量に保有する一方、借入金を使って投資規模を拡大していました。保有株が急落すると、証券会社から追加資金を求められる「マージンコール」が発生します。

    資金を用意できなければ、保有株が強制的に売却されます。この売却は企業の将来性とは関係なく行われるため、好決算銘柄まで巻き込まれました。

    クレイマーの見方

    クレイマーは以前から、借入金を使った株式投資を避けるよう繰り返していました。

    今回については、大口の強制売却が終了すれば、企業の業績に基づいた相場へ戻る可能性があると指摘しています。売られすぎたAI・半導体株には、投資機会が生まれているとの見方です。

    特にIntel(INTC)については、決算内容が良かったにもかかわらず、ファンドの売却によって株価が大きく下落した例として取り上げました。

    背景解説

    Situational Awarenessは、AIインフラ関連株への集中投資によって2026年前半に大きな利益を上げていました。しかし、集中投資とレバレッジが組み合わさると、相場が反転した際の損失も急拡大します。

    客観的に見ると、今回の上昇がそのまま長期的な底打ちを意味するとは限りません。ほかのファンドにも同様のポジションが残っている場合、追加の売却が発生する可能性があります。

    投資家が見るべきポイント

    • AI関連銘柄の出来高と値動きが安定するか

    • 半導体・メモリー価格の下落が止まるか

    • ファンドの換金売りが終了したか

    • 企業の決算内容と株価の動きが再び連動するか

    • 信用取引やレバレッジを使いすぎていないか

    AmazonとAppleの決算

    何が語られたか

    Amazon(AMZN)は好調な決算を発表しました。AWSの売上高は前年同期比37%増の約422億ドルとなり、前四半期から成長率が大きく加速しています。

    利益には生成AI企業Anthropicへの投資評価益も含まれるため、純利益だけを単純比較することはできません。それでもクレイマーは、AWSの伸びを非常に重要な材料と評価しました。

    Apple(AAPL)も売上高1,094億ドル、希薄化後1株利益2.02ドルという好決算を発表しました。iPhone、Mac、サービス部門はいずれも6月四半期として過去最高を記録しています。

    一方、Apple株は決算後に上値の重い反応となりました。関税還付による利益押し上げや、メモリー価格上昇が利益率に与える影響が意識されたためです。

    クレイマーの見方

    Amazonについてクレイマーは強気です。Microsoftに続いてAWSも高成長を示したことで、クラウドとAIインフラへの需要は依然として強いと判断しました。

    Appleについては、決算そのものを評価しながらも、株価が7月に上昇していたことから、利益確定売りが出やすい状況だと説明しています。

    AppleとAmazonの決算・見通しを踏まえ、売られていたテック株へ資金が戻る可能性がある、というのがクレイマーの結論でした。

    背景解説

    AWSの成長率は、Amazonだけでなく半導体、サーバー、ネットワーク機器、データセンター電力などの需要を測る重要な指標です。

    Appleでは売上高の伸びに加え、粗利益率の持続性を見る必要があります。今回の粗利益率には関税還付による一時的な押し上げが含まれています。

    投資家が見るべきポイント

    • AWSの成長率が30%台後半を維持できるか

    • Amazonの年間設備投資額とフリーキャッシュフロー

    • AppleのiPhone販売とサービス売上高

    • メモリー価格と関税がAppleの利益率へ与える影響

    • AI投資に対する収益化のスピード

    Home DepotとNetflixへの回答

    住宅関連企業Home Depot(HD)について、クレイマーは短期的な回復には時間が必要との見方を示しました。一方、優れた米国企業であり、住宅市場や金利環境が改善するまで忍耐強く保有する姿勢です。

    Netflix(NFLX)については、下落後の反発だけを理由に買うことには慎重でした。ただし、すぐに売却すべきとも述べておらず、経営陣から今後の成長戦略を確認したいとしています。

    IBMは量子コンピューターで再評価されるか

    番組にはIBM(IBM)のアービンド・クリシュナCEOが出演しました。

    IBMはシカゴ大学などとの研究で、従来型コンピューターでは効率的に解けない計算を量子コンピューターで実行し、その結果の正しさも確認できる「量子優位性」の実証を発表しています。

    どのような会社か

    IBMは企業向けソフトウェア、ITサービス、メインフレーム、クラウド、AI、量子コンピューターを手がける老舗テクノロジー企業です。

    近年はRed Hatを中心としたハイブリッドクラウドや、企業向けAI、量子技術への投資を進めています。

    番組内で語られた内容

    クリシュナCEOは、量子コンピューターが材料開発、電池、医薬品、核融合などの分野で、従来のコンピューターでは困難な計算を可能にすると説明しました。

    特に重要なのは、量子コンピューターが答えを出すだけでなく、その答えが正しいかを検証する方法が前進したことです。

    同CEOは、量子事業が2028年から2029年ごろにIBMの売上高と利益へ測定可能な影響を与え始める可能性があると述べました。2030年代末までに、量子コンピューターが生み出す経済価値は1兆ドル規模になるとの見通しも示しています。

    また、量子技術が将来、現在の暗号方式を破る可能性についても触れました。仮想通貨や企業の機密データを保有する投資家にとって、耐量子暗号への移行は無視できないテーマです。

    クレイマーの評価

    クレイマーはIBMの量子技術を高く評価しています。

    ただし、IBMは決算の事前発表後に株価が大きく下落しており、既存のソフトウェアやインフラ事業には不透明感が残っています。量子コンピューターだけを理由に短期的な業績悪化を無視するのは危険です。

    評価は「やや強気」ですが、長期テーマとしての位置づけです。

    成長材料とリスク

    成長材料は、量子コンピューターの商用化、企業向けAI、Red Hat、ハイブリッドクラウドです。

    主なリスクは、量子事業が本格的な収益へ結びつくまで時間がかかること、既存事業の成長鈍化、研究開発費の増加です。

    日本人投資家は、IBMを純粋な量子コンピューター企業として評価しないことが重要です。当面の株価を左右するのは、既存事業の売上高、ソフトウェア成長率、フリーキャッシュフローです。

    Jersey Mike’s(JMKE)のIPOは買いか

    何が語られたか

    サンドイッチチェーンのJersey Mike’sは、ニューヨーク証券取引所へ上場しました。IPO価格は23ドルでしたが、初値は21ドルとなり、初日は21.63ドルで取引を終えました。

    クレイマーは、初日の株価が振るわなかった一方で、事業そのものは非常に優れていると評価しました。

    Jersey Mike’sは米国とカナダに3,300店以上を展開しています。店舗の大半をフランチャイズ方式で運営しているため、会社がすべての店舗費用を負担する必要がありません。

    2025年の売上高は約7億2,400万ドルで、システム全体の売上高は前年比13%増となりました。

    クレイマーの見方

    クレイマーはJersey Mike’sのブランド力、店舗単位の収益性、フランチャイズモデル、長期的な出店余地を評価しています。

    特に、元Wingstop CEOのチャーリー・モリソン氏が経営を担当している点を強調しました。モリソン氏はWingstopの上場後の成長を主導した実績があります。

    Jersey Mike’sは将来的に世界で1万5,000店まで拡大できると見ています。現在の店舗数と比べると、大きな成長余地があります。

    一方、上場時点の評価額は既存の外食フランチャイズ企業より高く、負債も残っています。クレイマーは長期的には強気ですが、株価水準には注意が必要です。

    投資家が見るべきポイント

    • 既存店売上高と客数

    • 新規出店数と閉店数

    • 1店舗当たり売上高

    • フランチャイズ加盟店の投資回収期間

    • 上場後の負債削減

    • Blackstoneなど既存株主による追加売却

    • IPO後のロックアップ解除

    日本人投資家にとっては上場直後の銘柄であり、値動きが安定していません。最初の数回の決算を確認してから検討する方法も現実的です。

    BlackBerry(BB)はスマートフォン企業から何に変わったのか

    BlackBerryのジョン・ジアマッテオCEOも番組に出演しました。

    どのような会社か

    現在のBlackBerryは、かつてのスマートフォンメーカーではありません。

    主力事業は、自動車や産業機器向けのリアルタイムOS「QNX」と、政府・防衛機関向けのセキュア通信です。

    QNXは世界の2億7,500万台以上の自動車へ搭載されています。運転支援、衝突回避、ブレーキ、車載システムなど、高い安全性が必要な分野で利用されています。

    番組内で語られた内容

    ジアマッテオCEOは、QNXを自動車だけでなく、ロボット、医療機器、産業自動化へ拡大していると説明しました。

    Nvidia、Qualcomm、Arm、Intel、Texas Instrumentsなどとの連携も進めています。Nvidiaのロボティクス向け安全システムでは、QNXが基盤OSとして採用されています。

    もう一つの柱が、政府向けの暗号通信です。セキュア通信事業の約75%が世界各国の政府関連で、米国、ドイツ、カナダなどが重要な顧客になっています。

    クレイマーの評価

    クレイマーはBlackBerryに強気な姿勢を示しました。

    株価は2026年に大きく上昇した後、7月のテック株売りで調整しました。クレイマーは、この下落によって買いを検討できる水準になったと述べています。

    ただし、これは過去のBlackBerryブランド復活への期待ではありません。QNXと政府向け通信という、現在の事業に対する評価です。

    成長材料

    • ソフトウェア定義車両の普及

    • 自動運転・運転支援システム

    • Nvidiaとのロボティクス連携

    • 医療機器や産業用ロボットへの展開

    • 政府・防衛機関の安全保障支出

    • 利益率とキャッシュフローの改善

    • 自社株買い

    BlackBerryの2027年度第1四半期は、売上高が前年同期比26%増の1億5,290万ドルとなりました。QNX売上高も26%増、調整後EBITDAは144%増となっています。

    主なリスク

    QNXは採用されてから売上高が計上されるまで時間がかかります。自動車の開発期間が長いためです。

    また、株価は業績改善への期待を先回りして上昇しています。成長率が鈍化すれば、大きく調整する可能性があります。

    日本人投資家は、小型・中型のテクノロジー株として値動きの大きさに注意したいところです。一度に買うのではなく、決算を確認しながら分散して検討する銘柄です。

    Lightning Round

    Howmet Aerospace(HWM)

    クレイマーの回答:強気

    クレイマーが特に好む航空宇宙関連銘柄の一つです。原油価格上昇を理由に航空宇宙株まで売られる動きは行き過ぎだとしました。

    航空機部品需要が成長材料ですが、すでに評価の高い銘柄でもあるため、株価水準には注意が必要です。

    Farmers National Banc(FMNB)

    クレイマーの回答:やや強気・保有継続

    地域銀行として良好な業績を上げていると評価しました。直近の決算も良かったため、保有者に対して売らないよう回答しています。

    補足すると、地域銀行株では貸倒引当金、預金コスト、商業用不動産向け融資を確認する必要があります。

    Bending Spoons(BSP)

    クレイマーの回答:やや強気

    AOL、Vimeo、Evernote、Eventbriteなどを保有するイタリアのデジタル企業です。

    クレイマーは事業内容を評価しており、ソフトウェア株全体への悲観や一部ファンドの売りによって株価が押し下げられている可能性を指摘しました。近い将来、アナリストの買い推奨が増える可能性があるとの見方です。

    ただし、同社は買収による成長を続けており、負債と買収後の事業再建がリスクになります。

    AMC Entertainment(AMC)

    クレイマーの回答:投機目的なら可

    クレイマーはAMCを本格的な投資対象ではなく、あくまで投機対象と位置づけました。

    話題作の公開によって短期的に上昇する可能性はあるものの、自身が積極的に選ぶ銘柄ではないと説明しています。株式の希薄化や負債にも注意が必要です。

    Coherent(COHR)

    クレイマーの回答:強気

    データセンター関連株の下落に巻き込まれ、株価が大きく下がったと指摘しました。クレイマーは現在の水準を買い場と判断しています。

    Coherentは光通信部品やレーザー技術を手がけています。AIデータセンター向け光通信需要が成長材料ですが、設備投資サイクルと株価変動の大きさがリスクです。

    Establishment Labs(ESTA)

    クレイマーの回答:判断保留

    低侵襲の乳房形成・美容医療関連製品について質問されましたが、クレイマーは会社を十分に把握していないとして、その場で評価しませんでした。

    調査担当者と詳しく確認したうえで、改めて回答するとしています。番組内では詳しい投資判断は示されていません。

    Starbucks(SBUX)の復活

    番組最後のテーマは、CEOの経営手腕でした。

    クレイマーは、優れたCEOでも短期間で企業文化を変えられる人物は非常に少ないと述べ、その一人としてStarbucksのブライアン・ニコルCEOを挙げました。

    ニコル氏は、食中毒問題後のChipotle Mexican Grillを立て直した実績があります。Starbucksでは「Back to Starbucks」戦略を進め、店舗を単なる持ち帰り拠点ではなく、居心地のよいコーヒーハウスへ戻そうとしています。

    具体的には、メニューの簡素化、注文時間の短縮、人員配置の改善、店舗ごとの運営指標の見直し、中国事業の再編などを進めました。

    Starbucksの2026年度第3四半期は、世界の既存店売上高が7.9%増となりました。4四半期連続のプラスです。会社は通期見通しも引き上げています。

    クレイマーは、再建には時間がかかったものの、現在は成果が数字に表れ始めたと評価しました。Starbucksを再び魅力的な投資対象と位置づけ、株価にはさらに上昇余地があるとの強気な見方です。

    ここからは補足です。今後は既存店売上高だけでなく、客数、平均客単価、店舗利益率を確認する必要があります。値上げだけで売上高が増えているのか、実際に顧客が戻っているのかを分けて見ることが重要です。

    番組から読み取れる市場テーマ

    レバレッジ解消後のAI株

    今回のAI株急落には、企業業績だけでなくファンドの強制売却が影響しました。

    売り手がいなくなれば反発しやすくなりますが、反発と長期的な底打ちは同じではありません。決算とキャッシュフローを確認しながら、銘柄を選別する必要があります。

    AI投資の中心はクラウドから周辺インフラへ

    AWSの37%成長は、AI需要がクラウド企業だけにとどまらないことを示します。

    半導体、メモリー、光通信、電力、冷却設備、データセンター向けソフトウェアにも需要が広がります。ただし、これらの銘柄は同じテーマで一斉に売買されやすい点がリスクです。

    量子コンピューターは次の長期テーマ

    IBMの発表は、量子コンピューターが研究段階から実用性の検証へ進みつつあることを示しました。

    一方、収益化はまだ先です。量子関連という言葉だけで銘柄を選ばず、技術の検証、顧客、売上高への貢献を確認したいところです。

    経営者による企業再建

    BlackBerryとStarbucksは、経営戦略の転換が企業価値を変える例として取り上げられました。

    再建銘柄では、ストーリーより数字が重要です。売上高だけでなく、利益率、フリーキャッシュフロー、顧客数が継続的に改善しているかを確認する必要があります。

    日本人投資家向けまとめ

    今回もっとも重要だったのは、株価下落の原因を企業業績だけで判断しないことです。レバレッジをかけたファンドの強制売却では、内容の良い企業も無差別に売られます。

    Amazon、Intel、Coherentなどは、売りが一巡した後の監視候補です。ただし、短期的な反発を見てすぐに追いかけるのではなく、次の決算や出来高の安定を確認したいところです。

    IBMは量子コンピューター、BlackBerryはQNX、Starbucksは店舗再建という明確な材料があります。いずれも長期目線で経過を確認すべき銘柄であり、期待だけで割高な水準を買わないことが大切です。

    Jersey Mike’sとBending Spoonsは上場から日が浅く、値動きが安定していません。最初の決算、既存株主の売却、ロックアップ解除を確認してから検討する選択肢があります。

    また、日本から米国株へ投資する場合は、株価だけでなくドル円の変動も損益に影響します。好決算銘柄であっても、為替リスクを含めて投資額を調整したいところです。

    免責事項

    本記事は、公開されている番組内容をもとに情報を整理・解説したものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記事内の情報は作成時点のものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

    出典

    元動画

    https://youtu.be/Z6eL97pcmJ0?si=Qx9tAftYHdgwehAj

    補足資料

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