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なぜ『三角持ち合い』『底練り』からの上昇は強いのか? ――合意形成が生む信頼のトレンド

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    上の図は、9997 ベルーナの週足チャートです。

    1が『底練り』。
    2が『三角持ち合い』(やや曖昧ですが)。

    この局面で時間を過ごした後に上昇局面になっています。
    そのアップトレンドは、素直で力強い。上昇を確認してから、週足2本遅れて買っても十分に間に合うことが、見てわかると思います。

    今回は、『三角持ち合い』や『底練り』と呼ばれるかたちが、なぜ強いのか?自分なりの解釈をまとめます。



    価格という名の「合意」

    『三角持ち合い』や『底練り』。
    株価は、まるで凪いだ水面のように静止してゆくかたちです。

    このように株価が収束してゆくのは、市場がひとつの答えにたどり着いたからです。 「まあ、今のところはこのぐらいの株価が妥当だよね」 参加者たちの、そんな静かなうなずき合いがそこにはあります。

    とくに会社のファンダメンタルズに大きな変化がないとき。
    出来高と日数が積み重なることで、その「合意」の空気はますます濃密になっていきます。

    この感覚は、とても身近なものでも説明できます。 少し、コンビニに立ち寄ることを想像してみてください。

    缶ビールが、240円で売っています。あるいは230円かもしれません。 だいたい、そんなところです。

    これを見て、「うわ、高すぎる!誰が買うんだ?」とは思いません。
    それは、『コンビニの缶ビールの妥当な価格』について、沢山の人が何度も何日も見ているので、価格への合意が固まっているからです。

    株価もこれと似ています。 一定の期間、その価格で売り買いが繰り返される。沢山の人がその価格を見てきて、買いたい人は買ったし、売りたい人は売ったし、買いたくない人は買わないし、売りたくない人は売らない。マーケットの参加者全員が、その価格での自分の判断に、納得してバランスもとれている状態です。

    こうやって、取引の回数と積み重なった時間が、「この会社の価値はこのくらいだ」というマーケットの合意形成を強くしてゆくのです。

    これが、『三角持ち合い』や『底練り』と呼ばれるチャートの中でうごめいている、マーケットの営みです。


    静寂を破るもの

    しかし、その静寂は永遠ではありません。

    決算発表、新しい事業計画、おもいがけない上方修正。こういった、『評価の前提』そのものを変えてしまう情報が、静寂を破ります。

    市場の空気が、一変します。
    「今まではこの株価が妥当だった。でも、この材料があるなら話は別だ」

    価値の再計算

    新しい情報が出たとき、株価はどう反応するのでしょうか。 もう一度、あのコンビニの例に戻ってみます。

    突然、缶ビールに「からあげクン無料チケット」が付いてきました。 値段は300円に上がっています。

    これを見て、「うわ、高すぎる!」と思うでしょうか。 思いませんね。 それは『缶ビールの値段が上がって当然の理由』が、あまりにも明らかだからです。

    缶ビールそのものの値段について、強固な合意がもともとある。 だからこそ、「からあげクンが無料で付くなら、高くても全く問題ない」という価値の再計算に、誰も迷いをはさみません。

    株価も同じです。
    今まで、長く、多くの人が参加した上での合意形成だからこそ、それに追加される「ポジティブな材料」は、価格への影響が素直でシンプルなのです。


    新しい価格への旅

    教科書では、新しい情報が出れば株価は一瞬で適正価格に飛ぶ、とされています。 しかし、現実の市場はそんなに単純ではありません。

    そこには人間の迷いや、情報の伝わる速さのズレが横たわっています。 だからこそ、トレンドが生まれます。

    迷いがない買いが入る。だからこその「さすがに上がりすぎだろう!」という売りが入る。これを繰り返しながら、株価は次の着地点を手探りで探します。 これが『アップトレンド』の正体です。


    なぜ、この上昇は信頼できるのか

    『三角持ち合いの後の上昇』
    『底練りからの上昇』

    このかたちが、なぜ信頼できるのか。 以上の話で、その真意が分かったはずです。

    それまでの合意形成が強く積み上げられたからこそ、新しい材料の価値がくっきりと際立ちます。
    「誰もが納得していた価格」から、「明確な好材料」が出た。 だから、その後の動きに迷いがありません。ごまかしのない、素直なトレンドが生まれるのです。

    ファンダメンタルズ分析に自信があり、その会社の将来の変化を読み取れるなら、これほど有利な局面はありません。
    『株価の動きが素直で力強くなる』という後ろ盾があるため、ノイズがなく素直に勝てるパターンになりやすいからです。


    実践的に、この知識をどう使うか。

    ①『三角持ち合い』や『底練り』を確認したら、まず、そこでどれだけの出来高と日数が積みあがっているかを見ます。

    この『合意の出来高と日数』が多いほど、その後の好転時の動きのエネルギーは強いと見ます。

    そして、ファンダメンタルズ上の好転を予見でき、次の適正株価の着地点が、十分な利幅だと判断すれば、そこはエントリーする価値が高いポイントです。


    もっと良い方法があります。

    ②『三角持ち合い』や『底練り』から、すでに上昇が始まっている場合でも、あきらめる必要はありません。素直なトレンドが続く可能性が高いからです。

    上昇の根拠をすばやく確認し、自分なりに次の着地点を見極められるのならば、上昇した後からでも、『事前にたまっていたエネルギー』と『期待利幅』を見て、アップトレンドに乗るか、判断することが可能です。

    むしろ、上昇し始めてからのほうが、待ち時間がないのだから、無駄なリスクがありません。『初動の利幅』を捨ててでも、『待たない利点』をとるほうが賢明とも言えます。

    『事前のエネルギー量』と『好材料の判断』は、上昇してから確定します。よって、②のほうが、確実に判断できるとも言えます。

    ただし、私は②ができず、①のパターンのほうが成功しています。

    株式投資では、『素晴らしい理論』など何の役にも立ちません。
    『自分ができること』をやって、腕を磨くべきです。

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    最初の9997 ベルーナの例に戻ります。

    もし、1や2の局面で、好決算などのファンダメンタル上の好転について熟知できていれば、1や2の最後に発生した大陽線を見てから買っても、まったく遅くない。という話です。


    もう一つ。重要な注意事項。
    逆に、悪材料が出れば、均衡は下方向へ崩れます。合意が強固だったぶん、下落もまた素直で強いものとなります。

    この知識は、下落パターンで早期に撤退する時にも同様に役立ちます。


    テクニカル分析は、可能性をさがす道具

    「〇〇というサインが出たら、必ず儲かる!」
    残念ながら、そんな魔法はありません。

    テクニカル分析とは、絶対的な未来を予測するものではなく、『確率的に有利な選択をするための道具』です。

    今回とりあげた法則も、絶対ではありません。 チャートの向こう側でトレードしている相手を想像するための、『可能性の高い想定』のひとつです。

    だからこそ、自分のトレード記録を付けることで、自分の傾向を知って、自分の獲れそうな勝ちパターンを知ることが重要です。
    「自分には、こんな傾向あてはまらないよ?」という人もいるでしょう。
    好む銘柄によっても、トレード期間によっても違います。だから、万人に絶対の正解がない。

    テクニカルの知識も、自分の記録と向き合って、初めて意味を持ちます。

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