
The Beatles Book Monthly1964年1月号を読む ― 後段ファンクラブ誌面より
物語のあとに続くページでは、急速に広がるビートルズ人気がさまざまな形で紹介されています。
まず目につくのは、ファンから届いたクリスマスカードへの感謝の手紙です。ビートルズがファンクラブ向けに送ったメッセージに、多くのファンが喜びの声を寄せています。中には「友達にも聞かせている」という手紙もあり、ビートルズの存在が日常の中に入り込んでいることが感じられます。
ファンクラブの地域支部も急速に増えていました。ある読者は「自分の町で最初の支部を作った」と誇らしげに報告しています。こうした手紙からは、ビートルズの人気がロンドンだけでなく、イギリス各地へ広がっていく様子が伝わってきます。
ファンの関心はさまざまです。
サインや写真のリクエスト、ステージ衣装についての質問、さらには「衣装をデザインしたい」という提案まで寄せられていました。編集部はそれに応える形で、実際に衣装を仕立てているテーラーの話なども紹介しています。
一方で、人気の急上昇に伴い、奇妙な噂も広がっていました。
「ビートルズの髪はウィッグではないか」「ジョンは盲目らしい」など、信じがたい噂まで登場します。誌面の「Rumour Bustin’ Report」は、こうしたデマを一つ一つ否定するコーナーでした。人気が高まるほど、噂もまた増えていくのです。
ライブ会場の裏口では、ファンが押し寄せて大混乱になることもしばしばありました。それでも楽屋では、サンドイッチやフィッシュ&チップスを食べながら休憩したり、他のミュージシャンと即興演奏をしたりと、若いバンドらしい時間が流れていたようです。
誌面のニュース欄では、1963年の成功も振り返られています。
She Loves You や I Want to Hold Your Hand のヒットによって、ビートルズは数々のディスク賞を獲得しました。フランスでも売り上げ記録を打ち立てたことが紹介され、人気はすでにヨーロッパへ広がりつつあります。
1964年1月号は、ビートルズの「過去」と「現在」を同時に映し出す一冊です。
録音スタジオへ向かうまでの苦労が語られる一方で、誌面の外ではすでに巨大なファン文化が育ち始めています。
静かに始まった四人のバンドは、いまや世界へ向かう入口に立っていました。