
サーバーを貸さないクラウド | Stock Slayerの開発で分かったAIエージェントがCloudflareを通る理由 $NET
2026年9月22日、Cloudflare(NET)の株価は353.00ドルで引け、終値で上場来の高値を更新した。3か月前の6月22日は218.38ドルだったので、この3か月で約6割上がったことになる。
同じ3か月のあいだにCloudflareが出した新しい機能を、日付順に追うと、こうなる。
7月1日、AIのクローラーを「検索」「エージェント」「学習」の用途ごとに扱える設定を、無料プランの顧客にまで広げた。同じ日に、Webページ、API、データセット、エージェントが使うツールのどれにでも課金できるMonetization Gatewayを発表した。
8月3日、AIエージェントに作業用のコンピュータを1台ずつ与えるCloudflare Computerを、早期プレビューとして出した。
8月4日、AIエージェントに身元とウォレットを持たせるCloudflare Walletsとcloudflare.payを発表した。
8月5日、社員がAIエージェントを安全に使うために社内で作った仕組みを、Cloudflare OSとしてオープンソースで公開した。
9月2日、Cursorのコーディングエージェントが、Cloudflareが用意する隔離された実行環境、つまりサンドボックスで動くようになった。
9月22日、エージェントがコードを書き換えるたびに、本番と同じ構成の隔離した試験環境を立てるWorker Previewsを出した。
並べると、向きははっきりしている。どれも人間のためではなく、AIエージェントのための部品だ。エージェントに作業場所を与え、身元と支払いの手段を持たせ、エージェントの仕事に値段をつけ、エージェントが書いたコードを試す場所を用意する。
どの発表が株価を動かしたのかは、あとからならどうとでも言える。ただ、株価が6割上がった3か月は、エージェント向けの部品を出し続けた3か月でもある。

ここで、引っかかることがある。
Cloudflareは、AIのモデルを作らない。GPUを貸す商売もしない。AWSやGoogle Cloudのように巨大なデータセンターを積み増すわけでも、CoreWeaveやNebiusのようなネオクラウドのように、借入でGPUを買い込むわけでもない。
では、エージェントの時代に、Cloudflareは何を売っているのか?
本稿では、私が開発したアプリ Stock Slayer のバックエンドをGCPからCloudflareに移して、費用の桁が変わった話から始めたい。そのうえで、AWSやGoogle Cloud、そしてGPUを専門に貸すネオクラウドと並べて、Cloudflareが何を売っているのか、なぜこの会社がAIの時代に必要とされるのか、その答えを導きたいと思う。
後半では、個人投資家向けに投資分析を行いつつ、個人投資家でも今日からCloudflareに触れるように、AnthropicのコーディングエージェントであるClaude CodeでCloudflareにアプリを作る手順も載せる。この会社の強さを実感して欲しい。
本稿が今後の投資判断の参考となれば幸いだ。
GCPからCloudflareへ移して、費用の桁が変わった: 自分のアプリで確かめた使いやすさ
Stock Slayerは、企業の決算が出ると自動で集め、AIに分析させ、ダッシュボードに出すアプリだ。Xのサブスクリプションのメンバーに提供している。



概要は前回の「所有せよ」でも紹介したので、今回はその仕組みと、費用の話をしたい。
2025年2月8日ごろに「決算まとめるくんAI」という最初のアプリを作ったのだが、当時は、画面をVercelに、データベースをSupabaseに置いていた。
(Xを見ている人にはお馴染みだと思う)
3月にはXの投稿を取りに行く処理をGCPのCloud Run Functionsに移し、4月には決算データを集めるPythonのバッチをCloud Runで動かす設定を入れた。Cloudflareへのデプロイの設定が初めて入ったのは、7月15日だ。
一番象徴的な日は、2026年2月6日だった。