カール・マルクス遺稿から『フランスにおける内乱』第二草稿 七
「カール・マルクス遺稿から『フランスにおける内乱』第二草稿 七」は、1871年のパリ・コミューンと、それに対抗したヴェルサイユの国民議会(田舎者議会)との決定的対立、および既存の社会体制の末期的な腐敗と新しい社会の胎動について総括した内容です。
主な内容は以下の通りです。
1. 二つの社会の対立:パリとヴェルサイユ
マルクスは、新しい社会の産みの苦しみの中にあり、**「戦い、活動し、考えるパリ」と、死に絶えた過去の統治形態の残骸である「ヴェルサイユの国民議会」**を鮮明に対比させています。
亡霊としての議会: ヴェルサイユの議会は、正統王朝派やオルレアン派といった「死んだ統治の遺物(亡霊)」で満たされており、社会から分離した「国家の亡霊」に過ぎないと批判されています。
廃墟の掘り起こし: 彼らにとって第二帝政が残した廃墟は、自分たちの古い特権を再興するための「ガラクタを掘り起こす好機」でしかありません。
2. ティエールと共和派の欺瞞
この反動勢力の中心にいるアドルフ・ティエールと、彼に従属する「旧式の共和派」の正体が暴かれています。
共和派の堕落: 議会内の共和派は、ティエールの支配を飾る「共和主義的な装飾物」へと堕落しており、実際にはパリに対する戦争を黙認し、パリの武装解除を助けています。
「最良の共和制」の皮肉: 1830年には国王ルイ・フィリップが「最良の共和制」と言われましたが、1871年にはその大臣であったティエール自身が「最良の共和制」を自称しているという歴史的皮肉が述べられています。
3. 「共和制」の名を借りた反動
ヴェルサイユ政府は、本来自分たちが憎んでいるはずの「共和制」の名を、自分たちの卑劣な目的のために利用しています。
二枚舌の統治: 彼らは**「共和制の名において」**ビスマルクの命令を受諾し、フランスの富を内乱(パリへの攻撃)に費やし、パリを告発しています。
普通選挙の悪用: かつて自分たちが廃止した普通選挙を、現在は「帝政の汚れ遺産」として受け入れ、それを権力の根拠として利用しています。
4. 歴史的必然と新しい社会
マルクスは、既存の社会がすでに修復不可能なほど朽ち果てており、政治形態の変更は社会そのものが被った変化の表現に過ぎないと分析しています。
選択肢の消滅: 腐敗した社会状態においては**「帝政」のみが可能であり、社会の再生の状態においては「労働の共和制」**だけが唯一の道であると断じています。
反動的な夢の虚しさ: 過去の王政を復活させようとする試みは、すでに身体(社会)が朽ち果てた「政治的上部構造」を弄んでいるに過ぎず、理解不足による空しい夢であると一蹴しています。
5. 社会革命の勝利への確信
最後に、プロイセン(ビスマルク)による干渉や現在の弾圧を超えた、世界史的な展望が示されています。
地下の力: プロイセンによる介入も、やがては自分たちをも飲み込む「地下の力(社会革命)」を解き放つ結果になります。
不滅の革命: たとえパリ・コミューンという「都」が一時的に没落したとしても、それが開始した社会革命は勝利するものであり、地上の至るところがその誕生の地となると宣言して結ばれています。