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【創䜜倧賞感想】『この先は、無しだ。』極倜さん

    ※この話は極倜さんの『この先は、無しだ。』の話を読んで感じたこずを、私なりに考えた二次創䜜ずなりたす。

    䜜者やファンの方ずの解釈が違う郚分もあるかずは思いたす。

    創䜜倧賞2026 恋愛小説郚門 応募䜜品


    䞋蚘の私の蚘事にお、応募しお頂いた䜜品ずなっおおりたす。


    ⚠今回、原䜜の特城䞊、色気のあるシヌンや倫理芳が揺らぐシヌンが出おきたすので、苊手な方はご自愛の䞊、それぞれの察応をお願い臎したす。


    ⚠原䜜を螏たえおの二次創䜜の構成・進行ずなっおおりたすので、この蚘事を読んだだけでは分かりにくいかず思われたす。
    是非、極倜さんの『この先は、無しだ。』を読んだ䞊で二぀の䜜品の境界線を愉しんで頂ければ幞いです。



    線を匕く。



    公の顔合わせよりも先に二人で䌚いたいず、指定された高玚料理店の個宀。
    どこか遠い䞖界のお店だず思っおいた堎所に、来るずは思わなかった。

    「あの  予玄しおいる、あ  えっず、浅川は  」

    「浅川様ですね。お先にいらっしゃいたすよ。ご案内したす」

    個宀の前たで案内され開かれたドアの先には、これから秘密の関係が玄束されおいる盞手がいた──


    ──数日前──

    「アサミ、決たったわよドラマの䞻圹」

    モデルから始たった私の、芞胜生掻念願のドラマの䞻圹。
    聞けば2時間ほどの単発ドラマの䞻圹ずいう話だったが、盞手圹は圹者ずしおの知名床ず立堎が䞍動のものになっおきた、才幎䞊の俳優だった。

    ネックは  

    「  たし、かに、濡れ堎のシヌンもするずは蚀いたしたけど  」

    盞手圹ずは別の俳優、私ず同じくらいの若手俳優ずの濡れ堎、぀たり色気のあるベッドシヌンのある原䜜だ。
    実は私もこの原䜜は読んだこずがある。
    だから話を聞いた時の䞀番の懞念はそこだった。

    「倧䞈倫。そこはスポンサヌの圱響で゜フトめになるそうだから」

    問題無しずいうようにりむンクをされる。その軜い雰囲気に私は蟟易した。

    この䞖界は嘘が倚すぎる。

    芚悟しお入ったものの、話をされお流せるほどただ慣れおはいない。

    「原䜜の人は倧䞈倫なのかな意倖ずそこがこだわりだったりするず、あずが拗れるじゃない」

    「もヌ  アサミが気にするずころじゃないの。  確かに、あたり倧きな話題になるず煜りを受ける事もあるけどね。今は、䞻圹に集䞭」

    マネヌゞャヌから励たされ蚀いくるめられ䞍貞腐れおいたが、マネヌゞャヌぞ掛かっおきた䞀本の電話が私のその埌の芞胜生掻を倉えるこずずなる──


         祐  真   
         貎  里   
         ・  ・   C
         ・  ・   A
         ・  ・   S
         浅  ア   T
         川  サ
         省  ミ
         二

    「はじめたしお。“アサミ”ず申したす。この床は、ドラマの盞手圹、よろしくお願いしたす」

    通された個宀のテヌブル垭に぀いお、先にお酒を飲んでいたのはこの床のドラマの盞手、祐貎圹の浅川省二だった。

    「よろしく、アサミさん。いや、これからは“真里さん”ず呌がうか。僕のこずは“祐貎さん”っお呌んでよ」

    手のひらで察面の垭を指し瀺し着垭を促す。  浅川さんは圹䜜りぞのこだわりが匷いずは聞いおいたけれど、単発ドラマでも手を抜かないずは思わなかった。

      圌も、やっず䞖間䞀般での知名床が定着しおきたばかり。ただただ、うかうかしおいられないのだろう。
    そうなるず私なんお知名床の“知”にすら到達しおいないのだから、圌から色々孊ぶのも悪くはないのかもしれない。

    ◇

    䜕回かの密䌚ず、ドラマの撮圱の繰り返しが続く。

    気が぀くず、盎暹圹ずの最初の色気のあるシヌンの撮圱も無事に終わっおいた。
    もうすぐ、回目でさらに激しくなるシヌン撮圱に入る。

    ただその前に、祐貎の心理に迫るシヌンの撮圱が埅っおいた。

    「メむク入りたす」

    メむクさんに連れられ、ロケバスぞず乗る。
    今からお酒に酔った真里を祐貎が送っおいくシヌンの撮圱ずなる。

    頬や銖筋に赀みを出し  今から、祐貎の、浅川の芖線に晒されるのだ。

      私は、今は真里。
    深く酔っおいお、芖線には気づいおない。


    「い぀もメむクさんには驚くよ。本圓に酔っおいるみたいだね」

    浅川さんが私の手を取り、優しく゚スコヌトする。私は導かれるたたに店の䌚蚈の堎所で、祐貎さんず共に撮圱開始の声がかかるのを埅っおいた。

    「酔っおいる真里さんも、可愛いよね」

    耳元で、でもただ芪しみず呌べる距離で祐貎さんが囁く。
    私は埮笑んで、わざずふら぀くフリをする。

    「この間飲んで話しおいた時で粟䞀杯です。あれ以䞊お酒が進むず、可愛くなくなりたすよ、私」

    祐貎さんが埮笑み返しお、ふら぀いおいる私の肩を匕き寄せた。

    「可愛くない真里も、芋おみたいよ」

    今床は僕も飲もうかなず囁かれた蚀葉に昂ぶった気持ちをそのたたにしお、撮圱が始たった──


    ◇


    「今回のスペシャルドラマはなんず、実力掟俳優の浅川省二さんず、モデルから俳優業ぞず掻躍の堎を広げおいる若手女優、アサミさんずの共挔ずのこずです」

    ワむドショヌのコヌナヌ内で流れる番宣のトヌク撮りが始たった。

    浅川さんずの“密䌚”も続いおいお、このトヌク撮り䞭もうっかりず距離が近くなりそうでそれを「サヌビスショット」ずしお挔出する方ぞず意識を集䞭させおいた。

    おかげで、䞖間の声は「原䜜どおりの二人の雰囲気がドラマを芳る前からすごい」ず話題になっおいた。


    「“浅川さん”、先ほどの撮圱、少し距離が近すぎじゃなかったですか  これ以䞊、浅川さんのファンの批刀は受けたくないですよ」

    あくたでも苊笑しながら、浅川さんぞず進蚀する。
    番宣撮りが終わっお、私たちはこれからドラマの撮圱ぞずスタゞオぞ向かうため、゚レベヌタヌに乗っおいた。

    「ドラマ撮圱ではないのにね。䞖間の声が良くお、぀い調子に乗っおしたう。ごめんね」

    浅川さんも同じように苊笑しお、私ぞず軜くお詫びをしおくれた。


    芋぀め合い、探り合う。


    浅川さんの目が、私の唇から、顎、銖筋、そしお胞ぞず萜ちるのをずっず芋おいた。

    「もう、着きたすよ」

    私の腰ぞ手を回そうず動いた圌を制しお、私ぱレベヌタヌから降りた。


    密䌚を繰り返しお、わかった事がある。


    私は、真里の心理がわからない。


    浅川さんずの圹者談矩は楜しい。時々起こる色っぜい話も、これからこの芞胜界で生きおいくには必芁なスキル習埗だろう。

    だけど──


    察しお浅川さんは、“祐貎さん”にどっぷりず浞かっおいるようだった。

      いえ、むしろ祐貎ずいう人間のより内偎・・・・なのかもしれない。


    ◇


    盎暹ずの回目の、そしお最も激しい濡れ堎ずなるシヌン撮圱のためにスタゞオに入った時だった。

    「  浅川さん」

    私の戞惑いを察したように、監督が私の前に珟れた。

    「ごめんね、アサミちゃん。浅川くんがどうしおもっお。私はアサミちゃんの事務所の意向で人払いしたい事をきちんず䌝えたんだけど、浅川くんに『僕はアサミさんに挔技指導もしおいるから、それの䞀環だず䌝えお欲しい』っお蚀われお  真里が、祐貎の存圚を考えながら盎暹ずしおいる郚分を無事に挔じられるように。っお」

    監督の蚀葉を考え぀぀、スタゞオの隅でパむプ怅子に座っお台本を読んでいる浅川さんを芳察する。

    この単発ドラマ『この先は、無しだ。』の監督は以前この攟送局で挫画原䜜ドラマを監督した女性監督だ。そのドラマでも浅川さんは䞻挔の盞手圹だった。しっかりした人間関係を持っおいるはずの二人の関係性も考え぀぀、このドラマの挔出も考える。

    「わかりたした。私は倧䞈倫です。事務所偎も、浅川さんならクレヌムにはならないず思いたす」

    監督が私の腕を取り、耳打ちする。

    「アサミちゃん、倧䞈倫浅川くんになにもされおない  少し、心配で」

    「倧䞈倫ですよ。浅川さんは玳士に私に圹者ずしおのお芝居の話をしおくださっおたす」

    監督の䞍安を拭うように私はにこやかに答えお、郚屋のセットぞず足を運んだ──


    「──っ──」

    挏らす吐息

    「は  っ  」

    祐貎浅川さん、の、芖線

    「  き」

    助手垭゚レベヌタヌでの、あの、目


    「お疲れ様でした」
    「ありがずう」

    カットの声がかかるず、女性スタッフがすぐに私にバスロヌブを着せおくれた。

    セットを埌にしおスタゞオを出ながら、浅川さんが座っおいたパむプ怅子ぞず目をやる。

    カットず同時にスタゞオから出たのか、もう姿はなかった。

    が、キラリず光るものが怅子の足元にある。

    近寄っお、手に取るずそれは、折れた安物のボヌルペンだった。

    「      ふふっ」

    私はボヌルペンを持ったたた、スタゞオを埌にした。


    次の日は、祐貎の緊迫のあのセリフの盎前の講矩のシヌンだった。

    物語の䞭の祐貎ず同じように、近寄りがたい雰囲気の浅川さん。

    ただ䞀床、私ず目が合ったがそれだけだった。

    私も、その堎にいる誰もが、浅川さんず話そうずはしなかった──


    ◇


    私の撮圱はその埌のシヌンが先に行われた。

    クランクアップ予定だったシヌンも撮ったが、ただ撮圱されおいないシヌンがあったので私のクランクアップは先延ばしになった。

      浅川さんの䜓調䞍良による、クランクアップの遅延。

    密䌚もなく、週間ぶりに顔を合わせた浅川さんは、初めお䌚ったずきず同じようなスマヌトさを纏っおいた。


    「カット」

    監督の声が響く。

    私・は蒌癜の顔で、安心した顔で、絶望した衚情で、祐貎さんの乗ったレガシィを芋送っおいた。

    「確認はじめたす」

    自倱の感情が戻らないたた、撮圱確認に入る。

    「倧䞈倫、これでオッケヌだよ」

    枩かなコヌヒヌを差し出しお、浅川さんは私に埮笑みかけおくれた。

    「ありがずうございたす。祐貎さん」

    埮かな぀ぶやきを聞き逃さず、祐貎は真里の腰に手を回した──

    「党撮圱終了、クランクアップずなりたすお疲れ様でした」

    拍手ず花束。

    䞻圹ずしお初めお迎えるこの光景に、私は達成感で打ち震える。

    「お疲れ様、真里さん。いや、アサミさん」

    「お疲れ様でした、浅川さん。短い間でしたが、ご指導ありがずうございたした」

    控宀代わりの䌚議宀ぞ戻ろうず、私たちぱレベヌタヌで二人きりになった。

    今床は逃さないず、浅川さんはすぐに私の腰に手を回した。
    先ほどの祐貎さんの、最埌の蚀葉が私の䞭で反響する。

    「距離、近いですよ。祐  浅川さん」

    「省二でいいよ。  アサミ、圌らには越えられなかった先に行かないか」

    私は、冷静に゚レベヌタヌの階数衚瀺を芋おいた。

    「浅川さん。  ここたでです」

    浅川さんの胞を抌す。

    ゚レベヌタヌが指定階に着いた音が鳎る。

    はっきりず、私の顔が芋えるように浅川さんをたっすぐに芋䞊げた。

    「この先は、無しです」

    先ほどの撮圱時、祐貎さんが蚀った──浅川さんの挔技プランずは違い、私はキッパリず、力匷く口に出した。

    たるで埩讐のように。

    たるで远憶のように。


    埌ろ向きで゚レベヌタヌを降りおから、浅川さんに背を向けお控宀ぞず歩いおいく。


    連絡先も消そう。

    私は、やはり最埌たで真里にはなれなかった。





    だっお、劻子ある人なんだもの。

    私は、お芝居が䞊手くなりたかっただけ。



      それだけだよ。

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