メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【第1章】壮絶な出産④「生存率10%」と宣告を受けた私に起きていたこと

    これは「命のふちで出会った私たちの物語」第1章『壮絶な出産』の第4話です。

    前回(第3話)はこちら↓

    命の宣告

    そのころ私は、何も知らずに麻酔で眠っていた。

    「早期胎盤剥離」が起きた私は、
    超緊急帝王切開の手術後も
    なかなか出血が止まらず、輸血が繰り返されていた。

    私は、合計6リットルもの大量の輸血を受けた。
    つまり、全身の血液をまるごと入れ替えるくらいの量だ。

    夫は私が搬送されたとき、
    私の両親にも連絡していたので、
    両親も病院に駆けつけてくれていた。

    手術室のドアが開き、
    今まさに手術を終えたばかりの姿の医師が現れた。

    そこで夫と両親は、
    思ってもみなかった、衝撃的な言葉を言い渡された。

    「奥様は…今輸血をしていますが、出血がなかなか止まりません」

    「もし、このまま出血が止まらなければ、その時は覚悟してください」

    「奥様の命が助かる確率は…
    10%以下です」


    その宣告を聞いて、夫と両親は言葉を失った。

    もしこのまま出血が止まらなければ、
    子宮を取ることになるかもしれない。

    それでも収まらなければ、最悪のパターンになってしまう。

    そして、もしここで命が助かったとしても、
    後遺症が残り、なんらかの障害を負ってしまう可能性が大きかった。


    「早期胎盤剥離」は本当に恐ろしく、
    妊婦の10人に9人は助からないと言われている。

    それだけ、一分一秒を争うほどの
    超緊急事態だったのだ。


    妻と娘を同時に失う恐怖

    「助かる確率、10%…」

    夫は、何が起きているのか
    全く現実感がなく、
    事態がよく飲み込めていなかったそうだ。

    夜まで元気だったのに。
    あんなに順調だったのに。
    なんでこんなことになってるんだ。

    妻とはもう会えないかもしれない。

    子どもたちになんて言うんだ…。


    同じように、両親も動揺していた。


    「とにかく命だけでも助かってほしい…」

    ひんやりとした空気が漂う手術室の前で、
    夫と両親は私の回復をただひたすら祈っていた。


    もちろん私にこのときの記憶は、全くない。

    知らないうちに、命のふちに立たされていたことを
    後になって知った。

    赤ちゃんも私も、もしかしたら両方とも
    いなくなっていたかもしれない。

    このとき夫は、妻と娘を同時に失う恐怖にさらされていたのだ。


    九死に一生を得た私

    しかし、その後しばらくして出血が止まり、私は、奇跡的に一命を取り留めた。

    まさに、1/10の奇跡。
    文字通り「九死に一生を得た」瞬間だった。

    容態が持ち直したので、私はそのまま
    ICU(集中治療室)で治療を受けることになった。

    私の回復に安堵して、夫と両親は一旦、帰宅することができた。

    私は命のふちから、なんとか生還した。

    NICUからの呼び出し

    しかし、夫が家に着いたのも束の間。
    今度は、次女のNICUから呼び出された。

    次女の容態が急変し、
    血圧が下がってきているとのことだった。

    夫は家に着くや否や、
    また車で1時間かけて、次女の病院に引き返すことになった。

    次女は一命を取り留めたとはいえ、まだまだ不安定だった。


    夫が着いた頃には持ち直したそうだが、
    その後何度もNICUに呼び出され、
    家と病院を行き来していた。

    そして今度はその足で
    大学病院のICUへ私の様子を見に来ていた。


    次女も私も、まだまだ予断を許さない状況だったので
    このときの夫の気持ちは、どんなにか不安だったのだろう。


    そんな状況の中、
    私はまだ意識不明の状態が続いていた。



    次回は、この事実を私が知ったときのことをお話しします。

    続き(第5話)はこちら


    あなたへのおすすめ