
妻は変える。夫は迷子。(番外編研究ノート)
○月☓日
妻の趣味は、
片付けや部屋の模様替えである。
お掃除や収納などの動画を見て、
心をときめかせている。
一方、
自分はあまり
環境を変えるのが
好きではない。
慣れた場所で、
慣れた空間で、
落ち着いて過ごしたい。
だから、
ある日、妻が模様替えをして、
家具の場所などが変わっていると、
なんだか落ち着かない。
ソワソワする。
そして、
もう一つ問題がある。
「あれ、どこいった?」
問題だ。
ただでさえ、
物の場所をあまり覚えていない。
それなのに、
場所が変わる。
「あれ、どこいった!?」
となる。
一方の妻は、
晴れやかな表情。
満足気である。
そして数日経つ。
ようやく新しい配置にも慣れて、
落ち着いてきた頃。
妻が、
また嬉しそうに
模様替えの計画を立てている。
実は、
妻は模様替え専用のノートを
作っている。
そのノートに
目をキラキラさせながら、
配置を描いている。
これが、
10年近く続いている。
そうなると、
さすがに少し慣れてくる。
「あぁ、また変わるのか」
「まぁ、慣れればいいか」
と思えるようになった。
子どもがいるから、
完璧にはできないけれど、
長女も少し模様替えに目覚め、
必殺技の
「まず全だしする」
をやっていた。
予備軍が育っていることを
実感した。
妻曰く
模様替えをすると、
気持ちがさっぱりするらしい。
なるほど。
きっと妻は、
部屋だけではなく、
自分の
「変えないでほしい」
という気持ちまで、
模様替えしたのだろう。
今では、
綺麗になると
ちょっと嬉しい。
ただ、
まだ少しソワソワする。
その気持ちは、
そっと引き出しにしまっておこう。
たぶん。
以上、研究ノートより。