
問題行動だけを見ていたら、その子が見えなくなる
子どもの不適切な行動に、どう対応していくか。
子どもたちと関わっていると、どうしても「問題行動」に目が向きます。
でも、その行動だけを見ていても、その子自身は見えてこないのだと思います。
① 行動の背景を見る
子どもが不適切な行動をする背景には、さまざまなものがあります。
周囲の環境、その子自身がもともと持っている特性、愛着面での課題、人との関係、これまでの経験。
そうしたものが重なって、行動として表れていることがあります。
だからこそ、
「この子は、なぜそうせざるを得なかったのだろう」
と考えることが大切です。
その行動の奥には、うまく言葉にできない感情や困り感がある。
そこを理解しようとすることが、支援の出発点になると思います。
そして、行動が起きてから対応するだけではなく、起こりにくい環境をつくることも大切です。
周りの人、過ごす場所、時間帯、課題の難しさ。
「何が悪かったか」ではなく、「何を変えれば過ごしやすくなるか」
そんな視点で環境を整えていくことが必要だと思います。
② 問題よりも、その子の良さを見る
ただ、問題行動を減らすことだけが支援ではありません。
その子には、その子なりの良さがあります。
優しいところ。
一生懸命になれるところ。
好きなことには集中できるところ。
問題はどうしても目立ちます。
だからこそ、大人の目もそこに引っ張られます。
でも、問題行動は、その子の一部分にすぎません。
良いところも、苦手なところも含めて、その子全体を見る。
そして、今ある良さを伸ばしていく。
人を大切にする。
挨拶をする。
困ったときに助けを求める。
そんな社会の中で生きていく力を少しずつ身につけていくことも、大切な支援だと思います。
できないことを直すだけではなく、
「この子には、こんな良さがある」
と大人が見つけ続けることも大事なのだと思います。
③ 関わる大人の心も守る
そして、もう一つ大切なのが、関わる大人のメンタルです。
不適切な行動ばかりにとらわれていると、大人の心も疲れていきます。
「こうさせなければならない」
「こうあるべきだ」
そんな「ねばならない」が増えるほど、苦しくなります。
もちろん、必要なことを教えたり、守るべきことを伝えたりすることは必要です。
でも、その前に、
「今、この子はこういう状態なんだ」
と、いったん現実を受け止める。
そして、
「自分も今できる範囲で関わっている」
と、自分自身のことも認める。
子どもを認めることと同じくらい、自分を認めることも大切なのだと思います。
子どもと関わることは、やっぱり疲れます。
簡単なことではありません。
だからこそ、問題だけに目を奪われない。
行動の背景を見る。
その子の良さを見る。
そして、関わっている自分自身の心も守る。
子どもを変えることばかり考えるのではなく、子どもの見方を少し変えてみる。
そこから、関わり方も少しずつ変わっていくのだと思います。