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Photo bynekonosara

夫が亡くなってその後のこと。

    小林真央さんが亡くなる前に市川海老蔵さんに「愛してる」と言ったと聞いたことがある。
    それを聞いて看護師の間では「亡くなる前にそんなはっきり喋れるもんなんかね?」と話題になった。
    当時はどうなんかねぇ、と私も思っていたが、自身も夫を亡くした今は「別にそれくらいの奇跡があってもいいんじゃないか」と考えている。
    若くして最愛の人を亡くしたのだから。



    私の夫は癌と診断されすぐに入院、手術となった。
    喉頭癌、舌癌であり、気管切開しないと腫れにより気道を塞ぎ窒息する恐れがあったからだ。
    なのでコミュニケーションは筆談だった。
    ある日、メモ帳にひらがなで「すきだよ。」と書いてくれた。
    どうしたん突然〜と笑い合っていたが次の次の日に意識がなくなった。

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    夫はアメリカ帰りでもないし、遊び人でもないが普段から臆面もなく「愛してる」と言えるタイプだったのに、最後は「愛してる」ではなく「すきだよ。」だったのは自分はもうすぐいなくなるから「愛してる」は重いかな、と思ったのではないかなーと私は思っている。
    なんせ気ぃ使いの人だったから。
    単にもう体力も気力もなくて愛って画数多いし書くのが大変だったからかもしれないが、私は前者だと思っている。
    物事は良いふうに解釈すると決めているのだ。



    葬儀の日はとにかく忙しかった。
    いよいよ火葬するときに気付いたら実母、義母にがっちりと両脇を抱えられていた。
    私がふらふらと火葬炉に近づいていったから心配になったらしい。
    心配せずとも私には愛猫がいるから自殺するつもりは全くない。
    ただ「まだ離れたくないな。」と思っただけだった。



    夫の遺影や遺骨がある部屋には花や線香があるので猫は入れないようにしていたのだが、49日が終わるまではよく部屋の前で「ニャーニャー」と鳴いていた。
    私は霊感がないので何も感じ取れなかったがきっと近くにいてくれたのだろう。
    猫たちも健気だ。


    夫が亡くなってから私は「いい人」をやめた。
    何か意図をもってそうした訳ではない。
    「最愛の人を亡くしたのに真面目でいい人なんてやっとれっか」とやさぐれた気持ちに近かった。
    以前にも記事に書いたがうちの父親は毒親である。

    幼い頃から人の顔色ばかり伺ってニコニコしていたから、ずっとクラス委員とか面倒なことを任されていた。断ったら嫌われると思っていた。
    変な例だが友達とガチャガチャとかして、友達が「いいなぁ。私それ欲しかった。」と言われたら「私あまり欲しくないやつだからあげる。」と実は自分が欲しいと思っていたものでもあげてしまう。 


    これ自体は小さな出来事だが一事が万事そうであったため「自分はどうしたいか、どう思っているか」など考えてこなかった。

    毒親である父親は時々お金を借りにきた。自分が頼んでも無駄だから母親を代わりに寄越す。
    母に頼まれたら私は断れないと知っていたから。(母親はいい人だが生活能力がないため父親の言いなりである。)

    「もうこれで最後にして。次もし借りに来たら黙って引っ越して住民票も閲覧制限かける。」と言ったら借りに来なくなった。

    その他にも様々な頼まれごとは断った。
    いい人をやめても誰も何も言ってこなかった。
    もしかすると陰で何か言われていたのかもしれないが、私の耳に入らなければ同じことである。
    それにどのように生きても他人なんて好き勝手言う。
    そういえば私は面と向かって「保険金と遺族年金で悠々自適に一人暮らしできていいね。」と言われたことがある。
    「余裕ないから働いてんだろボケが。」と思ったがそういう人に何言っても無駄なので今日耳日曜日くらいに思っておけば良い。

    よく「自分を大切に」と聞くが私には長年それがどういうことなのかよくわからなかった。
    言葉の意味はわかるがどうしたら自分を大切にできるのかがわからなかった。
    でも漸くわかった。
    自分を蔑ろにせず自分の本当の気持ちに耳を傾けること。
    こんな簡単なことがずっとわからずに39年間生きてきたんだなぁ‥。

    それにしても流石我が夫である。大事なことに気付かせてくれ、大きな置き土産を残してくれた。
    あー。でもやっぱり会いたいなぁ。




    上司が私に貸してくれた本。

    愛する人が亡くなった日があなたに語ることとは?
    「命日占い」とは、大切な人が亡くなった日の星の配置をもとに、あなたの人生の意味を占う「誕生日占い」とは“真逆"の占いです。
    大切な人の死の悲しみから解放され、生きる意味を見つけられたら…という想いから生まれた、新しい星読み。

    亡くなった人に聞きたい事があったら、昔は「巫女よせ」で聞いていたと耳にしたことがあるが、この本はそれに近いのではないだろうか。
    貸してもらった時は資格試験の勉強中で、試験が終わったら読もうと考えていた。
    自分の星座と相手の命日で占うのだが、私へのメッセージは

    「これは、あなたと私が
    この世に生まれるもっと前のお話。

    あなたと私の魂は出会っていました。

    その時 約束したのです。

    いつか共に地球で生きる時が来たら
    お互いの夢を応援し合おうと

    私はそんなあなたを
    いつだって力強く照らし出す
    北極星になりましょう

    私は揺るがない光を放つ北極星となり
    あなたが魂の約束の地に着くための
    印になります。」

    その試験は私にとっては難易度が高かったのだが合格していた。
    多分見守ってくれていたのだと思う。
    (めちゃくちゃ勉強もしたけど)
    私はスピとか信じないタイプだがしっくりきたので興味のある方は是非。


     
     
    本と猫を愛する看護師15年目。 天界「医療現場に適任者を派遣します」 天使「慈愛に満ちた方ですか?」 人事部「確認を怠らず、納得できぬ指示には根拠を求め、上にも物申す者です」 天使「それ鬼軍曹では…?」 人事部「白衣を着せれば大丈夫」 即日着任。note界の白衣の天使。

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