
制度の隙間を突く「奇策」の系譜
政治の世界で「1人だけを残して政党助成金を受け取る」という常識外れの奇策を目の当たりにし、ふと昭和のあの大騒動――「江川卓の空白の一日事件」が頭をよぎった。
あの時も、ドラフト制度の法的な隙間を巧みに突き、阪神と契約した直後に巨人へトレード移籍させるという、誰も考えつかないようなウルトラCが敢行された。それは単なるルール違反ではなく、野球界の秩序を根底から揺るがし、日本中を敵に回すほどの強引な手法だった。
どちらも法やルールの「文脈(スピリット)」を完全に無視し、「文言(条文)」の解釈だけで強引に押し通す圧倒的な執念と不敵さがある。倫理的な賛否はともかく、システムのバグを突いて目的を果たそうとする構造そのものは、時代やジャンルを超えて驚くほどよく似ている。