
福祉観|本当に困っているのは?
大声を出す。物を投げる。
起きられない。約束を破る。
何度伝えても、同じことを繰り返す。
関わる家族や支援者は、困ってしまう。
腹も立つし、疲れるし、諦めたくもなる。
親でも、支援者でも、ひとりの人間だ。
事情を知らなければ、ただ迷惑に感じることもあるだろう。
そのうえで、私は立ち返るようにしている。
この人自身も、困っているのではないか。
言語表現が困難な、重度障害者。
触法行為を繰り返す、非行少年。
休みがちな同僚。
授業についていけない子。
周囲を翻弄する行動の陰には、本人さえうまく説明できない苦しさがあるのかもしれない。
何がつらいのか。
どうして腹が立つのか。
どうすれば楽になるのか。
分からないまま、苦しさだけがある。
その苦しさが、困らせる行動に見えてしまう。
もちろん、ダメなことはダメだし、毅然と対応することも時には必要だ。
しかし、立ち返ることを忘れてはいけない。
この人は、何に困っているのだろうと。