メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ランキングの設計はどうあるべきか?

    「発見性」の強化のために、noteにランキングやホットエントリーに類するものをつけたいと思っている。しかしランキングやホットエントリーは、世間で思われている以上にデリケートなUIであるため、その設計は慎重に行われなければならない。下手な設計は、サービスのカルチャーそのものを破壊しかねないためである。

    以下は、ランキング設計のための忘備録。


    PVランキングは収奪的な設計である

    PVランキングを設計する場合、まず最初に意識すべきことがある。それは本質的に、PVランキングは収奪的な構造であることだ。

    「収奪的」とは、勝者が全てを独占してしまうことを意味する。

    基本的にランキングに上位のコンテンツは、ユーザーの注目を獲得する。つまり、PVのあるコンテンツはランキング上位となる。そして上位コンテンツはその露出によって、さらにPVを集めてしまう。

    結果、PVランキングは少数のコンテンツにPV、フォロワー、売り上げなどを集中させてしまう性質がある。


    画像


    PVランキングは階層を固定する

    利益が一局集中するPVランキングは、単独の記事だけでなく、そのクリエイターの階層を固定する性質がある。

    PVランキングの上位ランカーは、より多くのフォローされる。結果、PVランキングの上位に入るほどフォロワーが増え、フォロワーが増えるほど、そのクリエイターの全ての作品はランキングに入りやすくなってしまう。

    画像


    なぜ収奪的なシステムが何をもたらすか?

    上記のように、収奪的なランキングシステムは2つの弊害をもたらす。

    ・記事ごとの露出格差の拡大
    ・クリエイターのフォロー格差の拡大と、階層の固定

    こうしたクリエイターの格差の拡大と、階層の固定は、副次的にさらなる弊害を生み出す。

    先行者利益は大いに強化され、新規ユーザーにとって極端に不利な市場が生まれる。このような環境では、サービスの新陳代謝が極端に悪くなる。若いユーザーは、古参ユーザーの多いサービスでわざわざ不利な勝負をするよりも、新しいサービスに行くほうがチャンスが多いからだ。

    また格差の拡大や階層の固定化は、「ズルをしてでも、トップにのぼりつめよう」というバイアスを生み出す。どんな手段を取ろうと、一度トップに登ってしまえば、その階層が固定化され、メリットを永続的に享受できるからである。

    さらに悪いことに、このような収奪的なシステムは、サービス全体の更新性を著しく阻害する。古いユーザーほど有利で安泰であるため、システムのリニューアルやルール変更は、すべからくデメリットでしかないからである。

    このような諸々の特性により、ランキング等の収奪的なシステムは、目先のPVと引き換えにnoteのカルチャーやシステムの根幹を揺るがす可能性がある。

    ・露出がさらなる露出を集める、露出の極端化
    ・露出がフォロワーを集め、クリエイターの階層を固定する
    ・新規ユーザーの利用インセンティブの低下
    ・ランキングをハックするインセンティブの発生
    ・システムを変化させることへの阻害


    公平で分散的なランキング構造はどのようなものか?

    もっとも、全ての競争や偏りがNGな訳ではない。本来的に競争があり、優れたクリエイターが脚光を浴びて行くのは正しい生存競争である。

    しかし、注意すべきなのは、その格差を極端化したり固定化する方向のシステム設計をしてはならない点である。そのような仕組みは、中長期にはサービスに悪影響をもたらす。

    noteの「発見性」系の施策では、この点において様々な実験を行い、統計的に注目が分散される(かつ、トッププレイヤーが存在できる程度には偏る)パラメータが必要となる。

    よって、ランキングやホットエントリーを実装する場合には、以下の2つを何かしらの手段で解決する必要がある。

    ・ランキングは注目を独占してはならない
    ・ランキングのトッププレイヤーは新陳代謝しなければならない


    というようなことを、日々考えながらnoteのためのベストなランキングシステム、あるいはホットエントリーの仕組みを考えている。(後半に続く)

    皆さんも、良い工夫があったら記事に書いて、コメント欄で教えてくださいませ。

     
     
    noteのCXO。THE GUILD。ユーザーの行動を設計するデザイナです。 サービス設計や日々の学び、note.comのカイゼン報告などについて書いていきます。

    あなたへのおすすめ