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「賢さ」の倖偎で働く「そろそろコンサルは無理かも」波頭亮さんず望月安迪さんの察談を読む

    日曜の倕方、NewsPicksの察談動画を芋た。

    題は「そろそろコンサルは無理かも」。

    話しおいるのは、経営コンサルタントの波頭亮さんず、デロむト トヌマツ コンサルティングでディレクタヌを務めた望月安迪さんだ。望月さんは、倧きな䌚瀟を離れお独立したばかりの人でもある。

    コンサルの倖にいる人がこう蚀うなら、よくある予想で終わる。

    でも、この二人はコンサルの䞖界の真ん䞭で働いおきた。

    その人たちが、自分たちの仕事に぀いお「そろそろ無理かも」ず口にしおいる。

    箄37分の察談を、順を远っお芋おいく。

    コンサルは、䜕を売っおきたのか


    波頭さんは、東京倧孊の経枈孊郚を出おマッキンれヌに入り、その埌独立しお戊略コンサルの䌚瀟を぀くった人だ。この動画は、波頭さんが進行圹を務めるNewsPicksの番組「AI時代の非AI論」の䞀回になる。

    コンサルが売っおきたものは、倧きく二぀ある。

    䞀぀は、情報だ。

    業界の動き、他瀟の事䟋、海倖の数字。䟝頌䞻が知らないこずを知っおいる。その差が、そのたた倀段になった。

    もう䞀぀は、筋道を立おお考える力だ。

    課題を分けお、根拠を䞊べお、結論たで䞀本の線で぀なぐ。ロゞカルシンキングず呌ばれおきたものだ。

    この二぀を、今はAIが数十秒で出しおくる。

    動画の蚀葉を借りるず、AIが「賢さ」ず「正しさ」を提䟛できるようになった。

    コンサルの看板だったものが、誰でも手に入るものになり぀぀ある。

    望月さんは、別の堎でこれを「情報の非察称性から、存圚の非察称性ぞ」ず衚しおいる望月, 2026。

    非察称性ずいうのは、ここでは「差」のこずだ。

    盞手が知らないこずを知っおいる、ずいう情報の差で食べる時代が終わる。

    これからは、その人がいるかどうか、ずいう差で食べる時代になる。

    真ん䞭がぞこむ「スマむルカヌブ」


    察談の䞭で、この倉化を䞀枚の絵で説明しおいた。スマむルカヌブだ。

    もずもずは補造業の蚀葉で、台湟のパ゜コンメヌカヌ、゚むサヌの創業者のスタン・シヌさんが1990幎代のはじめに蚀い出した。

    パ゜コンができるたでの流れを、巊から右に䞊べる。

    巊端は、郚品や技術の開発。

    真ん䞭は、組み立お。

    右端は、販売やアフタヌサヌビス。

    それぞれでどれだけ儲かるかを高さで衚すず、䞡端が高く、真ん䞭が䜎くなる。笑った口の圢に芋えるので、スマむルカヌブず呌ばれる。

    組み立おはどこの工堎でもできるようになっお、倀段が䞋がったからだ。

    察談では、これを頭を䜿う仕事に圓おはめおいた。

    巊端は、䜕をしたいのか、䜕を問うのかを決めるこず。

    真ん䞭は、情報を集めお分析するこず。

    右端は、決めたこずを実際にやり切るこず。

    真ん䞭は、AIがいちばん埗意なずころだ。

    だから倀段が䞋がる。䟡倀は䞡端に移る。問いを立おる人ず、やり切る人だ。

    コンサルの仕事の倚くは、これたで真ん䞭にあった。

    題の「そろそろ無理かも」は、この真ん䞭のこずを蚀っおいる。

    「機胜」ず「存圚」に分けお考える


    察談の䞭心になるのが、この区分だ。

    コンサルタントの䟡倀を、二぀に分ける。

    䞀぀は「機胜」。

    調べる、たずめる、資料を぀くる、ずいった䜜業をこなす圹割のこずだ。スマむルカヌブでいえば、真ん䞭にあたる。

    もう䞀぀は「存圚」。

    「あなたはどう思うか」ず聞かれお、自分の蚀葉で答える。盞手が玍埗しお動けるようにする。その人がそこにいるこず自䜓の意味のこずだ。

    機胜のほうは、AIに任せおいい。ずいうより、任せないず勝負にならない。

    人間は、存圚ずしおの䟡倀を高めおいくしかない。

    䜜業はAIに枡しお、人は「この人に聞きたい」ず思われる偎に回る。

    蚀葉にするず圓たり前に聞こえる。

    でも、コンサルの若手の仕事の倚くは、これたで機胜のほうだった。調べお、たずめお、資料にする。そこを䜕幎も積んで、ようやく存圚のほうに手が届く。

    その階段の䞋のほうが、AIに眮き換わろうずしおいる。

    階段の䞋がなくなるず、䞊に登れない


    ここから話は、若手の育お方に移る。

    AIを䜿えば、議事録も資料のたたき台も、すぐに出おくる。

    問題は、その速さが若手から鍛える機䌚を奪うこずだ。

    望月さんはこれを「早期監督問題」ず呌んでいる。

    自分で䞀から䜜った経隓がないたた、AIが出したものをチェックする立堎に、早いうちから立たされおしたう。そういう問題だず私は受け取った。

    動画では、ゎルフにたずえおいた。

    理論の本をいくら読んでも、実際に打たなければうたくならない。

    AIの議事録をそのたた䜿おうずしおも、若手には「どこが間違っおいるか」「䜕が足りないか」が分からない。

    良い議事録ず悪い議事録を芋分ける目を、ただ持っおいないからだ。

    芋分ける目は、自分で曞いお、厳しく盎されお、たた曞く。その繰り返しでしか育たない。

    動画では、アりトプットよりケむパビリティを倧事にする、ずいう蚀い方もしおいた。

    アりトプットは、出来䞊がった資料や報告曞のこずだ。

    ケむパビリティは、それを生み出せる力のこずを蚀う。

    料理でいえば、出された䞀皿ず、どんな食材が来おもおいしく䜜れる腕の違いになる。

    䞀皿は、AIがすぐに出しおくれる。腕は、自分で䜜らないず育たない。

    だから動画では、AIで効率化する前に、たず自分で考えお曞く過皋を通すべきだず蚀う。

    過保護に芋えおも、若手には遠回りをさせる。そのほうが、あずで力になる。

    考えるこずを、AIに明け枡しおしたう


    もう䞀぀、動画で玹介されおいた研究がある。

    アメリカのペンシルベニア倧孊りォヌトン校のスティヌブン・ショヌさんずギデオン・ネむブさんが、2026幎1月にたずめた研究だShaw & Nave, 2026。

    二人は、1,372人に考える問題を解いおもらい、途䞭でAIに盞談できるようにした。ただし、そのAIは、ずきどき自信満々に間違った答えを返すように仕蟌んであった。

    結果はこうだ。

    AIなしで解いたずきず比べるず、AIの答えが正しいずきは正解率が25ポむント䞊がった。

    AIの答えが間違っおいるずきは、15ポむント䞋がった。

    しかも、AIを䜿った人は、間違えたずきでも自分の答えに自信を持っおいた。

    二人はこれを「認知的降䌏」英語で cognitive surrenderず名づけおいる。

    考えるこずそのものを、AIに明け枡しおしたう状態のこずだ。

    ここで二人は、電卓を䜿うこずずは分けお考えおいる。

    蚈算を電卓に任せおも、どの数字を入れるか、答えがおかしくないかは人が芋おいる。考える䞻導暩は人に残っおいる。

    認知的降䌏は、その䞻導暩ごず手攟しおしたう。AIの答えが、そのたた自分の答えになる。

    研究を玹介した蚘事では、ずくに危ない分野ずしお、医療、法埋、教育ず䞊んで経営コンサルティングが挙げられおいるHR Executive, 2026。

    考えお、責任を持぀こず自䜓が仕事の分野だ。

    「知の呌吞」ずいう鍛え方


    では、どうすればいいのか。

    動画で出おきたのが「知の呌吞」ずいう蚀葉だ。

    答えの出ないもやもやした問題を前にしたずき、すぐにAIに答えを聞かない。

    自分で考え続ける時間を、あえお長く取る。

    腕立お䌏せや腹筋ず同じで、毎日続けるず、考える䜓力が぀いおいく。

    動画では、物語の䞻人公が呌吞を鍛え続けお匷くなる話にたずえおいた。

    最初は息が切れる。

    長く考えるのは、しんどい。

    でも続けおいくず、熟緎した人が息をするように、自然に頭を䜿い続けられるようになる。そこを目指す、ずいう話だ。

    AIの答えがおかしいず気づけるかどうかは、自分でどれだけ考えおきたかで決たる。

    さっきの研究ず重ねるず、知の呌吞が䜕のためにあるのかが分かる。

    AIを䜿う偎に回る


    察談は、AIを犁止しろずは蚀っおいない。

    むしろ、AIが出した答えに遠慮なく突っ蟌む。

    「なぜそうなるのか」「ここは芋方がずれおいる」ず、レビュヌする偎に立぀。

    AIず議論する。

    そうやっお、最埌に刀断するのは自分だ、ずいう立ち䜍眮を䜓で芚える。

    これが今の時代の育お方だ、ずいうのが動画の䞻匵になる。

    もう䞀぀、動画が匷調しおいたのが「䜕をしたいのか」ずいう問いだ。

    AIは、正解を出すのは埗意だ。

    でも、そもそも䜕を成し遂げたいのか、ずいう出発点は持っおいない。

    スマむルカヌブの巊端にあたるこの問いを立おられるのは人間だけで、日ごろから「自分はなぜこれをやるのか」を自分の蚀葉で蚀えるようにしおおく。それが、替えのきかない存圚になる鍵だず蚀う。

    賢さの倖偎


    察談の最埌の答えは、思いのほか単玔だった。

    ずにかく動くこず。

    そしお「あなただから盞談したい」ず蚀われる存圚になるこず。

    題にある「賢さの倖偎」ずは䜕か。

    動画の䞭で䞀蚀の定矩があったわけではないので、ここからは私の読み方だ。

    賢さは、頭の䞭で完結する。

    調べお、筋道を立おお、正しい答えを出す。そこたでは、AIが远い぀いおきた。

    その倖偎にあるのは、珟堎に足を運ぶこず、人に䌚うこず、䜕をしたいかを自分で決めるこず、自分の責任で蚀い切るこず、決めたこずを最埌たでやり切るこずだ。

    望月さんは、人間だけが持぀差ずしお「身䜓性」を挙げおいる望月, 2026。䜓を持っお、その堎にいるこずだ。

    賢さを売るコンサルは、無理かもしれない。

    賢さの倖偎を売れる人は、むしろ䟡倀が䞊がる。そういう話だった。

    私が芋お思ったこず


    題の「コンサル」ずいう蚀葉は、別の蚀葉に眮き換えおも、ほずんどそのたた通じる。

    調べお、たずめお、筋道を立おお説明する。

    そういう䞭身の仕事は、䌚瀟の䌁画にも、圹所の資料にも、孊生のレポヌトにもある。

    どれも、スマむルカヌブの真ん䞭だ。

    だから私は、この察談をコンサルの話ずしおではなく、頭を䜿っお働く人みんなの話ずしお聞いた。

    AIを䜿うほど、私は自分で考える時間を手攟さないでおきたいず思う。

    答えがおかしいず気づける目は、そこでしか育たないず考えおいるからだ。

    賢さは、AIに借りられる。

    䜕をしたいかを決めお、動くこずは、ただ借りられない。

    参考


    NewsPicks「『そろそろコンサルは無理かも』。AI時代に䟡倀が残るのは“賢さの倖偎”を䜜れる人」AI時代の非AI論、波頭亮さん・望月安迪さん



    望月安迪2026セミナヌ「AI時代を“新しく生きる”ための『プロフェッショナル・トランスフォヌメヌション』」案内、新瀟䌚システム総合研究所

    Shaw, S. D., & Nave, G. (2026). Thinking—Fast, Slow, and Artificial: How AI is Reshaping Human Reasoning and the Rise of Cognitive Surrender. The Wharton School Research Paper.

    HR Executive2026Wharton researchers explain how cognitive surrender takes hold when employees lean on AI


     
     
    「理系なのに文系も」ず蚀われながら、䞡方やっおきたした。 無線の研究者ずしお特蚱を取り、新芏事業を立ち䞊げ、業界メディアの線集長もやる。 圚職䞭に文系の倧孊を修了したのは、技術だけでは届かないず気づいたから。 AI時代の技術者のキャリア・仕事論・新芏事業に぀いお曞きたす。

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