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Photo byforgiveness1

#445[雑記]期待に応えられない不安と、無条件の優しさ

    乱気流の夢を見た。ふいに目が覚め、夢のざわめきがまだ胸に残るまま、すっかり冷めきったコーヒーを前にして、ただ『大丈夫だよ』の一言を待っていた自分に、少しだけ不安が顔を覗かせる。

    落ち込んだ帰り道に、駅のベンチでただ座っていた、そんな時に欲しい言葉。

    ──心の奥にある願いは、冷蔵庫の奥にしまい込んだ小さな瓶のように、ずっと開けられずにいた。

    昨日は「守れなかった時間」について話したけれど、今日はその奥にある「僕の願い」の話をしようと思う──。

    君のその優しい言葉は、一番欲しかったものなのかもしれない。

    でも、僕にとっては一番痛かった。

    人の優しさの中に隠された、僕への期待に応えられないことが怖いと、つい、身構えてしまう。
    たとえば、心に傘を広げて、雨が降っていないのに、濡れないように構えてしまうような。

    君が「責めてるんじゃないけれど」って言ってくれたのは、少しだけ心が軽くなったよ。

    僕が、心の一番奥で、シンプルに「してほしい」「言ってほしい」と願っていることは、たった一つだけだ。

    ありのままの僕を、否定しないでほしいこと。

    何かを成し遂げたからじゃない。
    ただ「僕の存在が、君にとって大切だよ」って、
    シンプルな言葉で言ってほしい、それだけだった。

    僕が間違ったときも、何も言わずに、ただ隣に座っていてほしい。
    「どうして失敗したの?」よりも、「よく頑張ったね」って。それだけでいい。

    「無条件の優しさ」を向けてほしい。
    「あなたは大丈夫だよ」

    僕の目の前にある障害、心の不安定さ、理屈っぽいところ。
    「君にとって、問題ではない」と、ただ言ってほしい。

    僕がどんなに辛いことを言っても、すぐに離れていかない、という安心感に包まれたい。

    もっと僕を、信じてほしい。
    僕は安心を求めている。君にも安心を渡したい。
    その二つが並ぶだけで十分なんだ。

    「僕は、僕でいいんだよ」って、君の言葉で聞かせてほしい。

    君はいま、何を求めているの?
    どんなことをされたら、うれしい?

    君が僕に、ただの優しさを向けてくれること。
    それだけが、僕の心を支えてくれる。

    そして、君がそうしてくれるなら、僕も君が疲れて話せないときは、ただ君を抱きしめて「がんばったね」って言ってあげられると思う。

    優しさは毛布のように欲しいけれど、
    その重さが『期待』に変わると苦しくなる──。

    僕は、必要とされたい。
    こんなにシンプルなことが言えなくて、
    ずっと君を困らせていたんだ。

    誰かに無条件の優しさを求めたことはある?

    いや、求めてもいいんだよ。
    いま僕が、そうしているように。

    君の心の中にある、最も純粋で、最も脆い部分に、少しでも光が当たるなら、僕はとてもうれしいです。

    僕ら一人ひとりが、愛されたいと願う、
    ただの一人の人間なのだから……。

    僕は、小さな瓶をシェードの下にかざして、
    少しだけ傾けてみた。
    前に散歩の途中で、アトリエの近くにある砂を少しだけとったものだ。

    その瞬間、小さな瓶の中で眠っていた願いが、
    少しだけ光ったような気がした。

    名前のない明日が、今日より少しだけ優しくありますように──そう思えただけで、心が少し軽くなった。


    <了, 約 1,200 字, 全文 約 1,900 字>


      歌作品はこちらです⇨ Akari_Records

    このお話と、以降3話はこの小説の原稿を掲載予定です。前作の掌編は下書きを統合して物語にしました。

    けれど、「ひとつずつ公開した方が、趣旨が伝わるのでは」と、小説をほどいて、この読み物にしました。


    このシリーズは、11月に書いた一本の続きです。

    読み手の方に「心の対話」を感じてもらえたらうれしいです。


    あとがき

    誰かに優しさを求めることは、弱さではなく、人間らしさだと思います。

    相手については「この人の性格なら、こういう言い方になる」「こう言う言い方のとき、心からの願いのはきっとこうだろう」と考えが及ぶようになると、少しだけ息をするのが楽になると思います。

    中学を卒業する年の春に「自分の弱さで人を傷つけるのだけは絶対に止めよう」と誓いました。

    なかなか難しいんですけどね。筆者も数十年単位で時間がかかっています。

    たとえば、自分の子どもだから受け止めないといけないシーン。これまでの経験に重ねると「他者」としては許容しづらい「苦い思い出」を彷彿とさせる場面。

    いちばんかけたい言葉は、いちばん欲しい言葉。それを、胸の奥にしまい込んでしまうようなこと。

    誰もが、誰かに優しさを求めていい。けれど、いちばん言ってほしいことほど、なかなか言えないものですね。あなたにもありませんか?本当は一番言いたいことを、うまく言えないとき。

    筆者もまた、ただ優しさを求める一人の人間なのです。

    (約 430 字)

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    ◼️11/1に書いた記事が気に入って、続きを書いています。

    ▼「B面」「桜まで待ってる」と同時期に生まれた、もうひとつの物語

    傷つくことよりも、愛を失うほうが怖かった──。


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    今日もお読みいただいてありがとうございます🎁


    それではまた、次の記事でお会いしましょう🌟

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