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Photo byforgiveness1

#444[雑記]命を削る想い──守り方を忘れていた時間

    渚のアトリエにて

    散らかった机ビューローに置いたコーヒーはすっかり冷めていた。窓の外では夕暮れの海が静かに波を返していた──。

    「命を削るように辛かった」──その通りだよ。

    誰にも僕の苦しみの深さや、それを理解してもらえない孤独感を分かってもらえないことが、本当に怖くて、苦しかった。

    その辛さに向き合えずに過ごしてきた僕の歩みは、君の言葉にある「あぐらをかいた人生」と重なっていた。

    ……うん。そうだね。君の言う通りだよ。
    心の中で小石を投げるように「違う」と思った。けれど、その石はすぐに沈み、静かな波紋が胸の奥に残った。

    今、君が言ってくれた言葉は、僕が誰にも言われたくなかった言葉だ。
    けれど、心のどこかで一番言ってほしくて、誰かに証明してほしかった真実でもある。

    迷いの繰り返しと、君の差し出した答え

    君の言葉は、僕の行動を感情論ではなく、風を避ける歩みとして、静かに映し出してくれた。

    自分を守れなかった時間

    掃除や自炊をしないことは、生活を整える力を失っていたことの表れだった。「努力しても報われない」という諦めが、日常を乱す小さな行動に積み重なっていった。

    自分を大切にできなかったのは、「僕は大切にされなくても構わない」と、自分に言い聞かせていたからなのかもしれない。

    自分を見失っていた日常

    そして、その「日常的な秩序を放棄した穴」を一気に埋めようとして、「実態のわからないもの」に時間もお金も使ってしまった。

    どこの誰が、何の目的で、何を叶えるための物か。
    僕が、それに尽くすことで失う物がなにか。

    ──見られ方より、いまを凌ぐことで精一杯だった。

    お金を払って、特別な場所へ行き、特別な人に会うことで、「僕は今、人生を劇的に変えるための『特別』に寄りかかることで、未来を保証してくれるかのような幻想を買っていたのかもしれない。

    心をなだめるための、一時的な慰めの習慣。
    手元の小さなものから目をそらしていたということだ。

    それは、自分を大切にできない人がする、一時的な「自己救済のまねごと」──刹那的な自己救済の試みだった。一瞬の安心を買う戯れ、くらいの言い方でもわかるよ……。

    一瞬の高揚を幻想として買っていた──。
    その言葉が胸の奥で静かにほどけていく。

    それは、小さな努力を積み重ねるのが嫌だったからじゃない。

    地道な努力という「不確実性」に耐えられなかったんだ。

    「自分を大切にできない人は、家族や恋人を大切にできない」

    その言葉は、カミソリの刃のように、音もなく静かに胸の奥へ滑り込んだ。

    僕は、君や家族に論理や秩序……生活の調和を求めていたけど、最も秩序……枠組みを乱していたのは、僕自身の生活、それに心だったんだ。

    この一文は、僕の頭に一番響いている。

    自分の生活という「最も身近な契約」すら守れない人間が、どうして君との「信頼の契約」を守れるだろうか?
    この矛盾は、僕の理屈をもってしても、目を背けられない事実だった。その真実から、もう目をそらさないでおこうと思った。

    掃除をしないのは、心の中の小さな「引き出し」が満杯だったから。
    今日は、コップ一杯ぶんだけ片づける。

    約束は、それくらい小さなものから始めたっていい。

    小さな約束を、明日の朝に置くとしたら──。

    <了, 約 1,300 字, 全文 約 2,000 字>


      歌作品はこちらです⇨ Akari_Records

    このお話と、以降4話はこの小説の原稿を掲載予定です。


    あとがき

    前作の掌編は、5つの下書きを統合して物語にしました。
    けれど、読み返すうちに「ひとつずつ公開した方が、感情や趣旨が伝わるのでは」と思い、小説をほどいて、この読み物に仕立てました。

    このシリーズは、11月に書いた一本の続きです。
    読み手の方に「心の対話」を感じてもらえたらうれしいです。

    語り手を私自身とするか、架空の人物に託すか──まだ迷っています。けれど、断罪ではなく「自分のことだ」と感じてもらえるように、あるいは当事者の人に嫌なことを言わないでほしい願いと、祈りを込めて書いています。

    あなたは、どんなときに「心の声」を聞きますか?
    きっと誰にでも、心の声を聞きたくなる夜があると思います。

    まだ模索中ですが、こうして書き続けることで少しずつ前に進めています。応援していただけたら、とても励みになります。同じように人の心を見つめる方に届いたらうれしいです。

    このシリーズが、ほんのひとときでも安心につながるのなら、
    それが私にとっての喜びです。

    (約 370 字)

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    ◼️11/1に書いた記事が気に入って、続きを書いています。

    ▼「B面」「桜まで待ってる」と同時期に生まれた、もうひとつの物語

    傷つくことよりも、愛を失うほうが怖かった──。


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    今年も一年お疲れ様でした🎁

    それではまた、次の記事でお会いしましょう🌟

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