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Photo byforgiveness1

#577_小説の書き方──言葉の和え物めしあがれ🥄

    心の中から生まれてきた素材を組み合わせて物語にする。素材が揃ったときにすることはただひとつ、組み合わせること──

    切り口を揃えた素材を、順番に火を通し、
    最後に塩コショウを、ほんのひと振り纏わせる。
    ただ素材の味を引き立てるだけの、静かな余韻──

    ここ最近、キッチンで気がついたことです。

    高級な材料も、洗練されたウデもないけれど、
    火を入れすぎない、生っぽさを少し残す。
    でも、冷たいままにはしない。

    素材を選び過ぎずにいると、
    いい素材が勝手に集まってくる時があります。
    どんな経験や感性も、素材としてストックしておきます。

    心の強さ
    言葉の温かさ
    心の影

    素材は意図して集めない、海で貝殻を拾うような、
    でも自然と心の網に乗ってくるものたちです。

    火を入れすぎてもダメ。
    弱すぎてもダメ。
    迷っていると、すぐに水っぽくなっちゃう。

    炒め物は……一瞬の判断で味が決まるひと品。
    その一瞬が、作品の生命いのちになることでしょう。

    素材の香りと温度が立ち上がる瞬間を逃さないで。
    すると、あなたの文章は、生きて動きだします。

    「いまだ!」と思った瞬間に書きます。
    レシピよりも、その日の素材の声、
    火加減とで決まる、あなただけのつくりかた。

    無理にまとめない
    説明しない
    整えようとしない

    素材同士が自然と引き合う場所に置いてあげる手仕事です。
    すると物語は自然に形になることがあります。

    作ろうとして作るものではうまくいかなくて、
    生まれてくるものを迎え入れる書き方です。

    空
    海
    眠り
    影
    光
    人の尊厳

    同じ物語の中で呼び合っていきます。

    あなたはただ、その呼び合う声を聞いて、
    そっと並べていく──

    素材を拾う人から、
    素材があなたを選んで集まってくる人へ


    ──コンコンコン、わたしの心、ちょっとだけ中に入ります……。


    <了, 約 700 字>

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