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『四万十に住まんと』― お試し移住1か月、暮らして見えた四万十町

    高知県四万十町でのお試し移住生活が始まって、約1か月。

    2か月のお試し移住なので、ちょうど折り返し地点まで来ました。

    東京で50年以上暮らしてきた自分が、
    いきなり高知県の山と川に囲まれた場所で暮らす。

    来る前は正直、
    どんな生活になるのかほとんど想像できていませんでした。

    そして1か月暮らしてみた今。

    思っていた以上に、
    いろんなことがありました。


    ■ 観光じゃなく「暮らす」四万十


    今暮らしているのは、四万十町の小野という地域です。

    周りには山があって、川があって、
    朝になると鳥の声が聞こえる。

    窓を開けて外を見るだけでも、
    東京にいた頃とは全然違う景色があります。

    その一方で、

    コンビニは遠い。
    車がないとかなり厳しい。
    道は細い。
    買い物ひとつでも距離がある。

    実際に暮らしてみると、
    綺麗な景色だけでは分からないこともたくさんありました。

    でも、その「不便さ」も含めて暮らしてみたからこそ、
    見えてきたものがあります。


    ■ 朝は、ししとうの仕事


    滞在中、四万十町で短時間の仕事もさせてもらっています。

    朝、農家さんが持ってくるししとうを受け取り、
    確認して、箱詰めして出荷する仕事です。

    毎朝いろんな農家さんと顔を合わせます。

    東京にいた頃なら、
    まず経験することのなかった仕事です。

    最初は単純に「滞在中の仕事」という感覚でした。

    でも続けているうちに、

    「あ、この人今日はいっぱい持ってきたな」

    とか、

    「またこの人来た」

    とか、

    少しずつ人の顔も覚えてきました。

    観光で来るだけでは、
    こういう人とのつながりはなかなか生まれません。

    これも「暮らしてみたから分かった四万十」のひとつです。


    ■ 川、沈下橋、鮎、祭り


    もちろん、遊んでもいます。

    四万十川を見に行ったり、
    沈下橋を渡ったり、
    道の駅に寄ったり。

    先日は大正のあゆまつりにも行きました。

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    河原に屋台が並んで、
    子どもたちが鮎のつかみ取りをしていて、
    その横では鮎の塩焼き。


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    中サイズ500円。

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    安い。

    そして、うまい。

    こういう地元のお祭りを、
    「旅行でたまたま来たイベント」ではなく、

    「今、自分が暮らしている町のお祭り」

    として見るのは、不思議な感覚でした。


    ■ 仕事と家探し


    もちろん楽しいことばかりではありません。

    今回のお試し移住で一番大きな目的は、
    この先、高知で暮らしていけるかを確かめること。

    だから仕事も探しています。

    求人を見たり、
    電話したり、
    面接を受けたり。

    同時に、この先住む家も探しています。

    東京にいたときは、
    「高知に移住できたらいいな」

    くらいだったものが、

    今は、

    どこに住むのか。
    どこで働くのか。
    毎日どの道を走るのか。

    かなり具体的な話になってきました。

    まだ何も決まってはいません。

    でも1か月前より、
    確実に「高知で暮らす」ということが現実になっています。


    ■ 四万十に住まんと


    そんな生活の中で、

    「四万十に住まんと」

    という言葉を思いつきました。

    完全にダジャレです。

    でも考えていたら、

    四万十に住まんと
    この良さまだ知らんと

    川の風に吹かれんと
    人生たまには止まらんと

    鮎も食わんと
    四万十もっと楽しまんと

    ……

    どんどん言葉が出てきました。


    最初は面白いラップになればいいと思っていました。

    ところが完成した曲を聴いたら、
    自分でもちょっと泣きそうになりました。

    なぜだろうと思ったけど、

    歌詞の中にある景色が、
    全部この1か月で実際に見たものだったからだと思います。

    小野の朝。
    四万十川。
    山の道。
    鮎。
    地元のお祭り。
    人との出会い。
    便利じゃない暮らし。

    全部、自分の中ではもう「歌詞」ではなく、
    この1か月の記憶になっていました。


    ■ まだ半分


    お試し移住は、まだあと約1か月あります。

    仕事もまだ決まっていません。

    住む場所もまだ確定していません。

    これからどうなるのか、
    自分にも分かりません。

    でもひとつだけ言えるのは、

    来る前より、
    四万十のことを知りました。

    そして知れば知るほど、

    観光だけでは分からない場所なんだと思います。

    写真だけじゃ伝わらんと。
    動画だけでも届かんと。

    一回来てみんと。
    歩いてみんと。
    暮らしてみんと。

    そして――

    四万十、もっと楽しまんと。


    お試し移住生活、後半戦。

    まだまだ続きます。


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