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「異端者たちの䞭䞖ペヌロッパ」 小田内隆

    NHKブックス  NHK出版

    異端ずは


    「異端」ずは、もずもずギリシャ語で「遞択するこず」を意味したずいう。
    遞択・・・近代以降、自分で自分の生き方を遞択するのはもちろん埐々にではあるけど圓たり前のこずずなった。しかし、この本が䞻題ずするペヌロッパ䞭䞖では、カトリック教䌚の教えに「服埓」するこずが正しく、「遞択」は則「異端」だった。

     前近代人にずっお異端はひず぀の可胜性ヌ普通はむしろ皋遠い可胜性にすぎないが、珟代人にずっおは、異端がひず぀の必然性ずなる。
    p


    この蚀葉はアメリカの瀟䌚孊者バヌガヌの「異端の時代」ずいう本からずられたものだが、たずこの「異端の時代」ずいうタむトルが瀺す「時代」は、䞭䞖前近代なのだろうか、それずも「珟代」なのだろうか。瀟䌚孊者の蚀葉ずいうこずで「珟代」のこずかな、ずも思うけど。面癜そうな本だなあ。

    たた、「可胜性」ずいうこずは、䞭䞖の生掻では垞に「遞択」できる䜙地があった、ずいうこずを瀺す。でなければ、これほどいろいろな異端が出おくるはずがない。で、その「遞択」した䞀郚に瀟䌚逞脱論やラベリング論がよく合臎するようにカトリック教䌚が「異端」ず埌づけで名付けた。ずいうこずのようだ。

    ずいうこずで、先のpの文の「珟代がひず぀の必然性ずなる」ずいうずころの「ひず぀」は「ただひず぀」なのか、どうか、気になるずころだ。
     

    叀代から叀代末期


    む゚スの死埌、いろんな教説が飛び亀う䞭で、今珟圚カトリックず蚀われおいる教矩が議論され圢䜜られおいった。パりロの時代には「分裂」であったものが、ナスティノスが「異端」ずいうカテゎリヌ異教のむメヌゞも絡めながらを生み出した。グノヌシス䞻矩ずの察決の䞭で様々な叞教が論戊したが、やがおカトリックが成立するずずもに文曞化新玄聖曞決集、組織化教皇→叞教のピラルヒヌはただの動きが起こる。
    叀代末期の最埌はやはりアりグスティヌスで、圌は異端を正統のカトリックに連れ戻す為には䞖俗暩力の力も借りるべし暎力介入ず、䞭䞖異端尋問の先駆けずなる思想展開をした曞き䞊げられなかった「異端に぀いお」。叀代末期の党䜓的な宗教動勢はブラりンの研究「叀代末期の圢成」などを参照のこず。
     

    グレゎリりス改革 ビフォヌアフタヌ


    第章を読む。この本の䞻芁な話題である䞖玀の異端カタリ掟ずかワルド掟ずかあずもう䞀぀の第章に至る前段階。぀たり䞖玀前半頃の話。

    この頃たでにペヌロッパでは封建瀟䌚が定着し、経枈が安定化しおきた。䞖玀には久しく起きおなかった異端問題それたでは異教ずの戊いが出おくる。それはこのキリスト教瀟䌚を暩嚁づけるものぞの批刀であった。

    でもあんたり長くは続かず、次の時代は異端問題は消え倱せ、グレゎリりス改革の時代ぞ。改革掟が攻撃したのは、聖職を売買したり聖職者が劻垯したり ずいうもの。これは枅浄化ずいう意味もあるが、それより聖俗を区分しお、教䌚偎から䞖俗暩力を远い払っお逆に䞖俗偎を支配しよう、ずするもの。いわゆるカノッサの屈蟱の叙任暩闘争。

    これがある䞀定の成功を治め、教䌚偎が暩力を持ち富を持ち始める。そしおこの頃、「䞍服埓は異端なり」ずいう考えたで出おくる。そうした䞭、䞖玀前半には新たな異端問題が登堎する。これは教䌚のものを砎壊しおいく、ずいうラディカルなもの。これも長続きはせず、こうした䞭からカタリ掟が生たれおくる ずいうずころたで。
    かなりはしょっおいるけど、たずめ。

    カタリ掟

    この埌、カタリ掟の章の第節たで。
    カトリック偎が想定しおいたカタリ掟の「察抗教䌚」ずはカトリック偎での想像の産物でしかなく、カタリ掟の「真実」は「完埳者」がカリスマずなっお䞀般のカタリ掟信者ず取り結ぶ叀くからある圢なのではないか、ず小田内氏は蚀う。

    あず、カタリ掟がパりロ掟やボゎミヌル掟由来ではないかずいう通説も、小田内氏はどちらかずいうず吊定的。䞡掟の圱響を受けずずも説明できるずいう。ずにかく、カトリック偎のたぶん自らの教䌚の諞制床の発達に合わせおしたった「誇倧劄想」ずいう珟象は、なんだか他の瀟䌚的珟象を捕えるのにも圹立ちそう。そんな気がする。
     

    カタリ掟ずテクスト共同䜓

     圌らの「沈黙」を前にするず、改めお異端審問官やカトリック神孊者が匷調しおやたないカタリ掟の倧教䌚は、創られた虚構ではないかず思われおくる。
    


    カタリ掟偎の著䜜がほずんど残っおいない珟圚、カタリ掟の実情を知るには、カトリック偎の著䜜を芋るしかないのであるが、そこに出おくるカタリ掟の倧きな教䌚組織ずいうものに察しおの匕甚文。自分達の組織環境からしか䞍明瞭なものを把握できない、ずも蚀えるし、もっず広く蚀えば、噂ずパニックの瀟䌚孊にも発展しそうな気もする。

    で、珟実のカタリ掟組織に぀いおは、著者は完埳者のカリスマず信者ずの人的・象城的぀ながり、そしおカタリ掟神孊や聖曞などのテクスト共同䜓ではなかったかず。
    この䞖玀埌半から䞖玀にかけおは、身䜓ずいうテヌマが頻出しおくる。ベルギヌのベギン䌚などもその䞀反応。キリスト教の教説内に身䜓芳の振れがある、その振れに敏感になったのがこの時期。にあったいろいろな氎準でこの身䜓ずいう振れが論じられ、語られた、ずいうのが、今のたずめかな。

    テクスト共同䜓ずかに関しおは、前にたぶん「りェブ瀟䌚をどう生きるか」あるいは倚神教ず䞀神教で曞いた「モバむル宗教」ずいう動きの続きになるのかな 近代になり宗教改革をぞお「プロ倫」ぞ。珟圚は自動車そしおいわゆるモバむル。孀立化ず拡散化ずグロヌバリれヌション、おっずりばやく蚀えば゚ントロピヌ最倧化笑。
     

    倉化ぞの恐れず女性身䜓芳


    カタリ掟の章を読み終えた。今日読んだずころの自分なりのたずめをするず暙題のような感じ。

     䞭䞖人の䞖界芳ではあらゆる倉化は衰退であり腐敗であった。
    


    瀟䌚が動き始めたこの時代、䜙蚈に䞍動の䞖界に憧れがたしたのかな そんな倉化 生殖ず死を代衚するのが身䜓、それも女性の身䜓。そういったものぞの恐れはカトリック偎もカタリ掟偎も根は同じ ずいう。

    そこに新たな動きずしお「聖䜓拝領」ずそれによる身䜓芳の肯定が珟れる。前に挙げたベギン䌚などの聖女はその䞀䟋。女性偎から聖䜓ずしおのパンを肉䜓的に味わい、生殖を肯定化しおいく。そういったこずで、カタリ掟の提出した身䜓問題を克服しおいく そんなプロセス。

    ワルド掟

    ノァルデスリペンの商人 ではなく教䌚組織に関わる高利貞しが回心しお枅貧の仲間を結成し、説教の蚱可を埗ようず宗教䌚議䞭のロヌマ教皇に䌚いに行くずころたで 序盀ず行ったずころか。
     

    著者はワルド掟らの、䞀般信者が俗語で聖曞読んで仲間内で説教しようずいう動き、それに察するカトリック聖職者偎の察応は拒吊反応だけでなく、肯定的な反応もあったのでは、ずしおいたす。ワルド掟も単独ずしおあったわけではなく、いろいろな運動の䞀バリ゚ヌションだったのではないか、ず。こうした運動に成功したのがフランチェスコ䌚などの托鉢修道䌚。倱敗したのがワルド掟 ずいう二元論では割り切れない ず。
     

    ペトルス・カントヌルずノァルデス


    ワルド掟埌半。䞀昚日曞いたノァルデスたち等の䞀般信者の説教に察する反応の二通り。の䞀方を代衚するのが、パリの暙題に挙げたペトルス・カントヌル。圌は、ノァルデスを念頭に䞀般信者の説教の堎を理論化した。それは圓時の普通の聖職者が説教に無関心なのに察する危機感の珟れでもあった。このペトルス・カントヌルに孊んだのが、埌の教皇むンノケンティりス䞖。
    そうした流れの䞭で、ワルド掟も䞀郚はカトリック偎に吞収され、たた䞀郚はディアスポラ化し、地䞋掻動化する。前者はやがお蚘述から消えるが、埌者は 
    続きは次の日蚘にお 

    ワルド掟ここは耇数圢で 


    ワルド掟の続き。
    ディアスポラ化したワルド掟は、出発地点のラングドックやロンバルディアより、圓時ずしおは呚瞁のピ゚モンテずかアルプス地方、たたボヘミア・ポメラニアなど東方にも向かった。こうした流れは小さい共同䜓で、自分たちの起源をノァルデスよりもっず叀いコンスタンティン倧垝や䜿埒時代たで遡っお考え、聖曞を䞭心にした「テクスト共同䜓」をなしおいた。

    で、こういう小グルヌプはお互いの亀流も少なく、ワルド掟ずひずくくりで考えるより、耇数圢で考えた方がよいずのこず。もう䞀぀。ワルド掟はカトリック教䌚の最䜎限の関わりは持っおいお、その点は普通のカトリック教埒ず違いはなかった。そんな䞭でオリゞナリティヌを持぀生掻。それを䌝えるのが、この本にある女性信者の告癜であるし、「ワルド掟の谷ぞ」で出おいた話でもある。

    で回目、こうした二重生掻は、宗教改革、そしお新教偎に合流ずいう圢で終わる っお曞いおあるけど、现かくみるずいろいろありそう。さっき曞いたカトリック偎に吞収されたワルド掟のこずも合わせ。
    小さな共同䜓、その䞭での組織化、ずかいうずやっぱなんか新教偎の䞀掟みたいな感じだよね。そういう小さな組織がカンパニヌずか䌚瀟組織ずかになり なんお勝手に想像するず、なんか「歎史は折り返す」のかしらん 
     

    フランチェスコ䌚


    フランチェスコ䌚がキリスト教䞖界のピラルヒヌに組み蟌たれる䞭で分裂しおいく。䞀方の穏健掟は祖フランチェスコの枅貧思想を緩和し「所有」ず「䜿甚」の法䜓系を䜜り䞊げおいく。もう䞀方の粟霊掟ず蚀われる人々は、フランチェスコに忠実に埓い、教皇偎の「䞖俗的」䜓制から離れおいく。こうした人々のうちもっずも急進的な人々が「䞍服埓の異端」ずしお火刑に凊されるこずになる 
     

    ベガンネットワヌク→読曞䌚


    第章。フランチェスコ䌚の䞭の急進枅貧掟は、その䞀郚が火刑に凊されたこずによっお異端芖されおいく著者によるずカタリ掟やワルド掟ず違い、今回察象ずしおいる粟霊掟ずベガンの堎合は、最初から異端匟圧のメカニズムの察象ずなった人達である、ず蚀う。そうしお逃げおきた粟霊掟の人達をかくたったのが、同じフランチェスコ䌚の䞀掟ベガンの人達。ベガンの思想の元は既にこの時期亡くなっおいお聖人化しおいたオリヌノィヌずいう人物。真のキリスト教刷新は自分たちが行い、教皇を代衚するカトリック教䌚は䞖俗的な「肉䜓的教䌚」である、アンチクリストである、ずいうもの。

    そのかくたわれた粟霊掟の聖職者ず䞀般信埒の集たりであるベガンずの間で、聖曞やさっき挙げたオリヌノィヌなどの著曞をより集たっお読んでいく䌚合みたいなのも開かれる。この時代のリテラシヌ向䞊も泚目ですが、なんだか近代の読曞グラブや読曞䌚の䞭䞖版 先駆け のような気がしたせん こういう䌝統はこの時期から脈々ず 最初はノァルデスの聖曞の蚀葉を教えおもらったずころのように個別に现々ず こういう通史も芋おみたい。
     

    ベガンその埌 


    第章粟霊掟ずベガンの章読み終わり。
    ベガンなのだが、幎の前にも曞いた急進的枅貧䞻矩の粟霊掟聖職者人が火刑になっおから、ベガンぞの匟圧も始たる。䞀方、ベガンの方では、地䞋の抵抗掻動になり、粟神的䞻柱のオリヌノィヌだけでなく、火刑にあったベガンの仲間たちも聖人化し、火刑の翌朝にはそうした聖遺物を拟うベガンの人々が芋受けられた、ずいう。

    でも幎代には匟圧も過酷になり、幎代にはむタリアに残党を残すのみでほが壊滅したずいう。教皇䞻暩を吊定する方向に走り、別の教䌚を建おようずした点では、カタリ掟ずベガンは共通点あるのかなそしお結末も 逆にカトリックずのミニマムな繋がりだけは残したワルド掟はなんずか残った カタリ掟もベガンも舞台はラングドック 
    䞀方、教皇偎では、ペハネス䞖が「所有」ず「䜿甚」は分離しない。よっお、フランチェスコ䌚の枅貧ずはそもそも虚停である、ず刀断教勅を䞋す。この蟺、民法的にも面癜いずころかも

    これであず第章のみだっけ。章のうち、最初ず最埌の章がカトリック偎の、異端をラベリングしお生み出す偎の物語。䞭に挟たれた章が、異端偎の、「遞択」した偎の、テクスト共同䜓のカタリ掟はどうでしたっけ物語。そういう構成。
     

    身䜓ずダグラスずミメヌシスず


    ずいうわけで「異端者たちの䞭䞖ペヌロッパ」最埌の第章読み出したのですが、いろいろ混乱しおうたくたずめられるかどうか、ずにかく匕甚集笑。

    からにかけおの「迫害瀟䌚」に関するムアずゞラヌルの違いに関する考察。ムアはこの異端匟圧が始たった時代に、異端だけでなくあらゆる呚瞁者が同じ時期に迫害され始めた ずいう。ナダダ人、疫病患者、同性愛者 でも、ゞラヌルは暎力はあらゆる瀟䌚や文化の根源にあるものずいう。もちろん、これは正誀の問題ではなく、どちらの偎面に光を圓おるかによるのだろうけど 

     ここからは、カトリック偎の察異端察策・蚀論が圢成される過皋が描かれる。キリスト教䞖界は、自然は身䜓になぞらえ、それに察する異端は穢れ、疫病、悪魔及び䟋えられる動物、その動物や異端者内郚での性行動の集䌚ずされる。人類孊者ダグラスは穢れずは身䜓ず環境ずの境にあるもの汗ずか垢ずか䜓液ずかいろいろず定矩する。身䜓ずは䜓系であり、䜓系を乱すものが穢れであるず。そう考えるず、西垣氏の情報抂念は穢れになるのかな

    さっき挙げたゞラヌルはこんなこずも蚀っおいるらしい。

     どんな銬鹿げた噂にも飛び぀く興奮した集団心理が読み取れる。 䞭略 そうした状況を生み出すのは、盞互に暡倣し競合する過皋で生じる秩序解䜓の危機であった。この「ミメヌシス的競合」の理論は、䞭䞖異端の迫害を理解する䞊でも瀺唆に富んでいる。
    

     やがお、この激しい暡倣の応酬の結果、盞互の間に差違の消倱の危機が立ち珟われ、キリスト教の秩序は脅かされる。
    


    なんだかゞンメルも参照しおみたいずころだが 暡倣ず差異化の応酬か 
    喚喩ず隠喩の違いは 

    眪の説明ず魔女狩り


    第章埌半からピックアップ 
    異端審問官っお、䞭倮集暩的に管理されおたわけでなく、各個人に任されおいたらしい。特に最初のうちは。

    この時期は、異端審問の他に、最䜎限でも幎回の眪の告癜がキリスト教埒に求められ始めた頃。でも、これたであんたり民衆そのものに興味のなかった教䌚偎は、眪ずは䜕かから説明しなければならなかった。それで、初めお告癜の儀匏をする蟲倫だったかなにたず様々な眪を教えたずころ、その蟲倫がその党おの眪を答えた。びっくりしたけど、よくよく聞けばただ繰り返しおいただけずのこず、ずいう笑い話みたいな話もあったずいう。

    䞀方、笑い話ではすたされないのが、魔女狩り。もずもず魔術ずかいうのは、それがキリスト教の教矩に觊れる時だけが異端で、ただ魔術をする行為だけでは眰せられなかった。けれど、ペハネス䞖の埌くらいから、魔術そのものが異端ずされ、それに付随するあるいはそれず関わりの深いあるいは党然関係なくずも民衆文化が消されおいった。ずいう。

    付け足し。魔女狩りのずころは、どっちかずいうず、教䌚より、教䌚から独立しおきた䞖俗暩力 囜家 が担圓した、ずいう。こうしお、フヌコヌのいう個人に内圚化する監芖機胜の初歩が告癜制床ずずもに出来䞊がっおいく 
     

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