
旅の朝、PiTaPaとICOCAが死んでいた。〜長崎2泊3日①〜
いよいよ旅行の当日。
出発の朝は目覚ましより早く目が覚める。
長崎に到着するのが13:30頃。列車の中で駅弁でも、と思ったが新鳥栖から長崎までは特急と新幹線を30分ずつで乗り継ぐので、慌ただしい。
それに週の頭は北海道、後半は九州出張で、そのまま旅行をするもっさり(彼)の胃は、ジンギスカンや馬刺し、豚骨ラーメンで、本人の自覚はなくともきっと悲鳴をあげている。
近頃もっさりと私の中で、空前のおにぎりブームが起こっている。土曜の昼は大抵 おにぎりを食べている。
食べるたびにもっさりは
「むくみのおにぎりは最高や」「むくみのおにぎりが一番うまい」
とベタ褒めしてくれる。
最近は小腹が空いた時にいつでも食べられるように、小さめの塩むすびを作って冷凍庫に常備もしている。
おにぎりブームが起きたのは、私が料理の腕を上けたからではない。以前から気になっていた「ろく助の塩」を使い始めたからだ。
こんなに美味しいのなら、もっと前から使っておけばよかった。
前日、ろく助の塩を混ぜた炊き立てのご飯に、鰹梅、鰹昆布、ちりめん山椒を入れて握ったものを冷蔵庫に準備していた。それを保冷バックに入れて持って出る。
人気のない駅までの道を、ちょっとぼーっとする頭で歩く。眠いのに仕事に行く時のようなどんよりした気分はない。
地下鉄の改札でPiTaPaをタッチすると、ゲートは開かず警告音が鳴り響いた。駅員さんは黒い機械に私のPiTaPaを当て「このPiTaPa死んでますね」と、よくあることだという風に、顔色ひとつ変えずに言った。
昔のPiTaPaに残高が残っていたので、旅行で使い切ろうと持ってきたのに。
そうか。死んでいたのか。
本命のICOCAを券売機に入れると、チャージ不可の表示。ICOCAも死んでいた。
スマホの充電切れに備えて、今回はICカードのICOCAを使おうと新幹線のチケットを紐づけたのに、どうしたものか。いつも使っているPiTaPaは家に置いて来た。スマホのICOCAを使うしかないが、前回、スマホのICOCAはエラーで使えなかった。
とにかく、今は地下鉄に乗るのが最優先。とりあえず切符を買い、電車に乗る。
乗り換えるJRの改札で、後ろに人がいない事を確かめて恐る恐るタッチする。と、軽快に「ピッ!」と音が鳴り、今日は何故か使えた。
環状線に揺られながら新幹線のチケットを、死んだICOCAからスマホのICOCAに変更する。
新大阪駅の新幹線改札は、人気ラーメン店並みの混雑ぶりで長蛇の列だった。
ようやく順番が来てスマホをタッチすると、本日2度目の警告音。
長蛇の改札で警告音を鳴らして人の流れを堰き止めるほど迷惑なことはない。が、新幹線に乗れないかも、と焦る私は後ろの人に「すみません」と謝る余裕もなく、とりあえず後ろにはけた。
急いで確認するとスマホのICOCAに紐付けできていなかった。再び紐付け作業を行い、ソワソワしながら列の最後尾に並ぶ。早めに家を出ておいて良かった。
出発の10分前、ホームに着くとさくら789号は既に待っていた。が、定刻を過ぎても発車しない。車両点検中のアナウンスが何度も流れ、17分遅れでの出発になった。
新鳥栖で特急リレーかもめへの乗り変え時間は13〜14分。このままでは間に合わない。
今日はなんだかずっとバタバタしている。
私の心配をよそに、新幹線は1駅進むごとに1〜2分ずつ遅れを取り戻し、新鳥栖へは4分遅れで到着した。追い上げてくれた運転手さんにお礼を言いに行きたいくらいだ。
いつもは大抵 改札で待っているのに、在来線乗り換え口にもっさりの姿はなかった。
乗車ホームに向かうと、黄色いスーツケースを横にもっさりが待っていた。
予定通りの特急リレーかもめに乗ると、2人でおにぎりを食べる。
いつもは美味しい美味しいと言っておにぎりを頬張るもっさりがだ、今回ははそうでもなさそうだった。塩加減がイマイチだったのか、おにぎりが冷えていたからなのか、どちらかは分からない。
食べ終わってしばらくすると武雄温泉に着いた。向かいのホームに止まっている西九州新幹線 かもめに乗り換える。が、3分しかない乗り換え時間に、もっさりはわざわざホームの先頭まで行き、かもめの正面写真を撮ったり撮影に余念がない。
デザインもスタイリッシュでお洒落なかもめ。撮りたくなる気持ちもわかるが、私はもっさりが乗り遅れるのではないかとヒヤヒヤしていた。
和を感じさせる落ち着いた内装で、シートの背面やテーブルは木(木目調)で温かみがあり、座席もゆったりして快適だった。もう少し乗っていたかったが、わずか28分で長崎に到着した。
長崎駅が近づくともっさりは「長崎ばい!」と何度も繰り返していた。
改札を出ると駅直結の長崎街道かもめプラザで先にお土産を見ることに。
いつもは試食をもらっても「こんなもんやな」という反応しか示さないもっさりが、唐草の「長崎物語」をえらく気に入り、夜 ホテルで食べる用に買っていた。
もっさりが買ってくれた自宅で食べる用のちゃんぽんやらうどんと、職場用のお土産などを段ボールに詰め、プラザ内のヤマト運輸から配送する。
お土産問題の心配もなくなり、これで心置きなく長崎観光ができる。