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「1日10万円」初心者でもマネするだけのスキャルピング7ステップを、AIで10年分鑑定した

    初心者でもマネするだけで、1日10万円を狙えるスキャルピング手法。
    そう紹介されている動画があります。

    ズバッ!トレーダーまりさんの「【FXスキャルピング】初心者でもマネするだけ|1日10万円稼げる手法を徹底解説」。
    今年3月の公開から10万回近く再生されています。

    1時間足で方向を決め、15分足でタイミングを待ち、1分足で入る。
    7つのステップを順番にチェックするだけ、という作りです。

    FX手法AI鑑定所では、動画の説明を字幕で一つずつ拾い、そのとおりに機械のルールにして、10年分のデータで確かめました。

    先に結論を書きます。
    4つの銘柄で10年、合わせて2万1,416回。勝率は12.1%、PFは0.42〜0.66でした。


    どんな手法か

    動画で説明されている7つのステップです。売りの場合で、買いはすべて逆になります。

    1. 1時間足で、今日は売りだけか買いだけかを決める。高値と安値が切り下がっていれば売りだけ。はっきりしない日はやらない
    2. 15分足で、1時間足と逆向きの戻り(下げの途中の上げ)に、チャネルラインを引く
    3. 15分足でチャネルの下限を割ったら、戻りが終わったサイン
    4. 1分足で、急騰・急落の直後でないか、ヒゲだらけでないか、大きな経済指標の直前でないかを確かめる
    5. 1分足で、ブレイクのあとに意識されて迷っているラインを、ローソク足の実体で割ったら売る
    6. 損切りは、その足の1つ前の足の高値
    7. 利確は、15分足のチャネルの幅をそのまま下にずらした線にタッチしたところ

    動画ではさらに、「上の足と向きがそろうまで入らない」「1日のエントリー回数を先に決める」など、勝率を上げる5つのポイントも紹介されています。


    機械にした条件

    • 1時間足の高値・安値は、値幅の基準(ATR)を使ったジグザグで決める。直近2つの高値と安値がどちらも切り下がっていれば売りだけ、どちらも切り上がっていれば買いだけ。それ以外の時は取引しない

    • 15分足の戻りのチャネルは、1時間足の直近の安値以降に切り上がった15分足の安値2つを結んだ線を下限に、同じ傾きで戻りの最高値を通る線を上限にする

    • 15分足の終値が下限を割ったら、そこから60分の間、1分足を見る

    • 1分足の直近10本の最安値を「意識されているライン」とし、陰線の終値で割ったら、次の1分足で売る

    • 急騰・急落の直後(直近5本の値幅が大きすぎる)と、ヒゲだらけの相場(直近10本のヒゲの割合が大きい)は見送る

    • 損切りは1つ前の1分足の高値、利確はチャネルの幅を下にずらした線

    • 1日最大3回まで

    銘柄はドル円、ゴールド、ユーロドル、ポンド円。
    期間は2016年1月から2026年10月まで、スプレッドは実際の値を入れました。


    10年・4銘柄の結果


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    4銘柄で合わせて2万1,416回。1日あたり2回ほどです。
    勝率は11〜14%、PFは0.42〜0.66でした。
    11年のうちプラスで終わった年は、ゴールドの1年だけです。

    比べるために、同じ件数、同じ売買の向き、同じ損切りと利確の幅で、入る時刻だけをランダムにした売買も作りました。
    そのPFは0.53〜0.67です。

    ドル円とゴールドは、ランダムとほぼ同じ。
    ユーロドルとポンド円は、ランダムより悪い結果でした。


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    1回の損失を1万円にそろえると、10年で−1,595万〜−2,784万円になります。


    なぜこうなるのか


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    いちばん大きな理由は、損切りの近さです。

    損切りは「1つ前の1分足の高値」なので、とても近くなります。
    損切り幅の中央は、ドル円で3.2pips、ユーロドルで2.4pipsでした。

    そこにスプレッドがかかります。
    1回の取引ごとに、損切り幅の25〜38%をコストで払っている計算です。

    利確は損切りの5倍ほど遠くにあるので、勝率が2割を超えれば勝てる作りです。
    ところが、損切りが近すぎて少しの揺れで刈られてしまい、勝率は11〜14%にとどまりました。

    スプレッドを0にすると、PFは0.89〜1.06まで上がります。
    ほぼトントンです。
    コストを除いても、勝ちが残る形ではありませんでした。


    「損切りを広くとれば」

    動画では、損切りを資金の2%ルールに合わせて調整してよい、とも説明されています。
    そこで、損切りを15分足のチャネルの線まで広くとった版も試しました。

    勝率は18〜22%に上がり、PFも0.52〜0.74に改善します。
    それでも、4銘柄とも1には届きませんでした。


    「ルールの読み方が違うのでは」

    迷いやすいところは、考えられる読み方を試しました。

    • 1分足を見る時間を、ブレイク後30分・120分にする

    • 「意識されているライン」を、直近5本・20本の最安値にする

    • 急騰急落・ヒゲだらけの見送りをなくす

    • 1時間足の方向を、大きな波だけで判断する

    4銘柄で合わせて32通りです。
    PFが1を超えたものは、1つもありませんでした。


    「1日10万円」について

    1日に何円稼げるかは、取引の量(ロット)でいくらでも変わります。
    10年分の結果では、この手法で1日の取引回数は2回ほど、そして10年を通してマイナスでした。
    ロットを大きくすれば、1日10万円の日もあるかもしれません。同じだけ、大きく負ける日もあります。


    確かめていないこと

    • 経済指標の直前を避けるルールは、入れていません

    • チャネルや「意識されているライン」を目で引く部分は、機械では直近の高値・安値で代わりにしています

    • 動画のチャートの例は日付が分からなかったため、機械の売買との照らし合わせはできていません

    • 公式LINEの特典や、無料コミュニティの内容は確認していません


    鑑定結果

    不合格

    • 10年・4銘柄・2万1,416回で、勝率12.1%、PF0.42〜0.66

    • 時刻だけランダムに入る場合(0.53〜0.67)と同じか、それより悪い

    • 損切りが近く、1回ごとに損切り幅の25〜38%がスプレッドに消える

    • 読み方を変えた32通りで、PFが1を超えたものはなし


    所長のひとこと

    「1つ前の足の高値に損切り」は、損失を小さく抑える、初心者にも分かりやすいルールです。
    ただ、1分足でそれをやると、損切りがスプレッドと同じくらいの距離になってしまいます。

    スキャルピングの手法を見るときは、損切りの幅を何pipsにする作りなのかと、自分の口座のスプレッドを並べて見てください。
    その比率が大きいほど、勝つのは難しくなります。

    ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
    次に鑑定してほしい手法があれば、コメントかX(@fx_ai_kantei)で教えてください。


    ※ここから下は、私が運営しているラボの案内です。

    鑑定所では、ネットの手法を片っ端から10年分で確かめています。
    ほとんどは今回のように不合格です。

    その中で、10年の検証を通ってきたゴールドの手法を、私は自分のラボで使っています。
    気になる方は、こちらからどうぞ。



    鑑定条件:XMの1分足(ドル円・ゴールド・ユーロドル・ポンド円、2016年1月〜2026年10月)と、それから作った15分足・1時間足。1時間足の高安は1.5ATRのジグザグ(確定したもののみ)、15分足の安値は前後2本の安値。約定は次の1分足の始値、損切り・利確は1分足で判定(同じ1分で両方に触れたら損切り)。スプレッドは実際の値(記録がない期間は中央値で補完)。ルールは2026年3月公開の動画の字幕から拾いました。過去の検証結果であり、将来の成績を保証するものではありません。

     
     
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