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連載第5回|手法カテゴリ事典#2|「スキャルEA」はデモで無敵・実口座で負ける? ― 生死を分けるのは"取引頻度×利幅"

    ⚠️ 本記事はFXの売買手法に関する一般的な解説・検証であり、特定商品の性能や将来の利益を断定するものではありません。投資は自己責任で。

    前回までと、今回

    手法カテゴリ事典の第1回(ナンピン)では、「ナンピン=危険」という通説を覆し、危険度は"最大ポジション数"で決まることを自作検証で示しました。今回はスキャルピング。「デモでは無敵なのに実口座で負ける」と言われる手法ですが、これも全部が負けるわけではありません。生死を分ける数字を、また自分で確かめました。

    「スキャルは実口座で負ける」——でも、全部?

    スキャルピング(数pips〜を高頻度で抜く)は、デモ口座では絶好調なのに実口座で溶ける、の代表格とされます。理由は明快で、取引回数が多いぶん、スプレッド(買値と売値の差)のコストが積み上がるから。デモはスプレッドが狭く・手数料ゼロなので、実口座との差が最も出るのがスキャルです(第3回でも触れた「公開成績は上限の目安」の典型)。

    ところが——堅実223本のなかにも、スキャル型が35本生存していました。スマートベア(月別勝越96%)、Maple18(PF約4)、Profit Master(PF4.13)……。「スキャル=負ける」なら、なぜこれらは残っているのか?

    違いは「取引頻度 × 平均利幅」

    35本を見ると、中身は両極端でした:

    • 高頻度・極小利幅:月200回以上・1回数pips(例:超高速スキャル)

    • 低頻度・大利幅:月数回・1回15pips以上(例:Maple18は月3回)

    カギは「1回の利幅に対して、スプレッドがどれだけ重いか」。利幅2pipsのスキャルにとってスプレッド1pipは利益の半分が消える激痛ですが、利幅15pipsなら1pipは誤差です。これを検証しました。

    自作検証:スプレッドを変えると、どこで赤字になるか

    3タイプのスキャル(勝率はほぼ同じ)を、スプレッド0(デモ)〜2pips(実口座)で年間損益がどう動くか計算しました。

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    結果は鮮明でした:

    • 高頻度・極小利幅(TP2・月200回):デモでは年+192万円。なのにスプレッド1pipで年-48万円の赤字に転落。2pipsなら-288万円。デモと実口座で天と地

    • 中頻度・小利幅(TP5・月50回):スプレッド1.5pipsで損益トントン、それ以上で赤字

    • 低頻度・大利幅(TP15・月8回):スプレッド2pipsでも年+10万円を維持=ほぼ無傷

    → 同じ「スキャル」「同じ勝率」でも、利幅が小さく取引が多いほど、スプレッドが利益を食い尽くす。デモ成績を最も割り引いて見るべきは、この「高頻度・極小利幅」型です。

    だから、見るべきは「月間取引回数」と「平均利幅」

    第1回(ナンピン=最大ポジション数)と同じく、手法名"スキャル"で判断せず、2つの数字を見るのが正解です。〔危険(デモ倒れしやすい)→ 比較的マシ〕の順:

    • 月間取引回数:100回以上 → 数回〜数十回

    • 平均利幅:数pips(極小)→ 10pips以上

    • デモと実口座の差:非常に大きい → 小さい

    加えて、自分の使うブローカーのスプレッドを必ず確認すること。スキャルEAは「低スプレッド業者かどうか」で生死が変わります。掲載成績(デモ)のスプレッドと、あなたの口座のスプレッドが違えば、結果も違います。

    結論:スキャルは「頻度と利幅」で天と地

    • デモ倒れしやすい:月100回以上・利幅数pipsの「高頻度・極小利幅」スキャル。デモの右肩上がりは信用しない

    • 比較的マシ:月数回・利幅10pips以上の「低頻度・大利幅」スキャル。スプレッド耐性がある(堅実223本のスキャルにも多い)

    • 必須:実運用前に、自分のブローカーのスプレッドでデモ検証(第3回・有料記事でも強調した通り)。高頻度スキャルほど、この確認が生死を分ける

    「スキャル=デモ倒れ」ではありません。"高頻度×極小利幅"のスキャルが、スプレッドに殺されるのです。利幅と頻度を見れば、デモ成績をどれだけ割り引くべきか分かります。


    次回の事典は、「1ポジション型」=なぜ"地味で退屈なEA"こそ、最後まで生き残るのかを扱います(ナンピン・スキャルの対極)。

    【手法カテゴリ事典は連載中】手法をカテゴリ別に、自作検証つきで体系化していきます。フォローで更新が届きます。

     
     
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