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Photo bykakukakubooks

展覧会ができるまで(美術館の舞台裏)vol.18 関連イベント編

    美術館で展覧会が開催されるまでの工程を、学芸員の立場からひとつひとつ解説していくコーナーです。開幕のところまで書いて安心して、更新が止まってました(苦笑)。

    開幕してもまだ色々やることがあるのです。

    前回の記事(↓)

    全工程はこちら(↓)をご覧ください。

    29. 会期中に関連イベントを行う

    展覧会は、通常1ヶ月〜3ヶ月程度行います。この期間中、なるべく多くのお客さんに来てもらいたいので、イベントを催すことがよくあります。

    イベントと一口に言っても様々で、講演会、ギャラリートーク、アーティストトーク、ワークショップなどが一般的でしょうか。
    他にもシンポジウム、ミュージアムコンサート、茶会、関連スポットをめぐるツアーなど少し変わり種イベントをやるところもありますね。

    イベントをやるタイミングとしては、展覧会に弾みを付ける意味で開幕早々か、来館者数が落ち込みやすい中だるみ期間(ちょうど会期の真ん中あたり)が良いとされています。
    ただ、これはイベントに招くゲストの都合もあるので、その通りにいくとは限りません。

    一般的なイベントについて簡単に説明しましょう。

    ■講演会

    展覧会の企画テーマに造詣の深いゲストスピーカーを招いて行うのが講演会です。展覧会の権威付け(いわゆる「箔を付ける」というやつ)という意味もあるので、知名度のある、または肩書きのある人に登壇してもらうことが多いです。
    ただ、部外者ではなく企画を担当した学芸員自身が講演を行う場合もあります。

    講演会のアレンジバージョンとして、複数名のゲストを招いて対談形式で行うトークセッションもあります。司会進行を学芸員が担当することが多く、トークのバランスを取るなど結構苦労します。

    講演会よりも軽いというかカジュアルに行うものとして、スライドトークがあります。これは基本的にゲストではなく担当学芸員が一人で行うもので、展覧会の見どころなどをスライドを使ってレクチャーします。

    ■ギャラリートーク

    展覧会会場で行うのがギャラリートークです。実際に展示している作品を前にして、学芸員が解説を行います。学芸員の体ひとつあれば開催可能なイベント(講演料、講師謝金などが必要ないということ)なので、会期中に複数回行うことがよくあります。

    美術館によっては、このギャラリートークを学芸員ではなくボランティアスタッフが担当するところもあります。それができるようになるためには、ボランティアスタッフの教育・育成を時間をかけて行う必要があり、どこでもできるわけではありません。
    でもボランティアとして美術館運営に参加してくれる人にとっても、発表の場となりモチベーションアップにつながると思います。

    ■アーティストトーク

    現役作家の展覧会の場合、その作家を招いて制作について詳しく語ってもらうアーティストトークを行うことがあります。
    やはり実際に作り手の話を聞きたいという人は多いので、人気のイベントです。これも複数のアーティストを招いて、対談してもらうこともあります。どんな方向に話が行くか読めないので、ハラハラしますが、予想以上に盛り上がることもしばしば。

    ■ワークショップ

    体験型イベント全般をワークショップと呼びます。
    他のイベントが「話す側/聞く側」とはっきり分かれる一方通行の形式なのに対し、これは実際に参加してもらい対話を重ねて行う点が特徴です。
    色々なワークショップがありますが、実際に手を動かして何かを作ってもらうイベントが多いですね。子どもを対象にして行うワークショップも人気です。
    講演会のようにたくさんの人を呼ぶことができず、どうしても少人数を対象としたイベントになり、教える側のコミュニケーションスキルも求められます。ただ座って話を聞いてもらうよりもイベントとしての難易度が高いのですが、それ相応に参加した人の満足度も高くなります。
    「何か面白いことをやっている美術館」と思ってもらえたら、また足を運んでくれるかもしれませんね。

    ***

    最近はオンライン配信をうまく組み合わせてイベントを行う例も増えてきました。
    アイデア次第でまだまだ面白いことはできそうです。みなさんが美術館で参加したイベントで楽しかったものがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。参考にします。

    つづく>>


    【書籍化ひっそり進行中】

    原稿はすべて書き終わって校正段階までこぎつきました(ゼェゼェ)。というわけでこれから中身やタイトル、装丁などを制作進行とともに公開していこうと思います。

    【ちいさな美術館の学芸員コラムのバックナンバー】


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