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なぜ県境を越えると店の並びや街の雰囲気が変わる?

    県境を越えた瞬間、店の看板や街の雰囲気が少し変わった気がする。

    そんな経験はないでしょうか。

    でも、県境そのものに「街を変える力」があるわけではありません。

    面白いのは、県境の周辺では

    行政区域
    通勤・通学圏
    商圏
    交通網
    地形

    が必ずしも一致していないことです。

    人は県境で止まらない

    国勢調査では、住んでいる場所と従業地・通学地を別々に集計しています。

    つまり、県を越えて働く・通う人の流れも統計として捉えられます。

    県境に橋や鉄道、高速道路があり、隣県の都市の方が近ければ、日常生活圏が県境を越えることは珍しくありません。

    店の並びは「どの都市圏に向いているか」で変わる

    大型店やチェーン店は、人口だけでなく道路交通や商圏を見て出店します。

    県境を越えると急に変わるように見えても、実際には

    大きな都市への距離
    幹線道路の向き
    山や川による分断
    鉄道のつながり

    が変わっていることがあります。

    だから「県が違うから店が違う」ではなく、どの生活圏・交通圏に入っているかを見る方が地理的です。

    山の県境と平地の県境では意味が違う

    県境が山脈の尾根にある場合、移動できる道は峠やトンネルに限られます。

    一方、平野や市街地の途中に県境がある場所では、住宅や店が連続していることもあります。

    行政界は同じ「線」でも、地形によって人の動きへの影響は違います。

    文化圏も県境とは一致しない

    食文化、方言、テレビ・ラジオ、買い物先、通学先などは、歴史的なつながりや地形、交通によって広がります。

    現在の都道府県境と完全に一致する必要はありません。

    地図で比べる4つ

    県境の街を見つけたら、

    ①県境
    ②高速道路・鉄道・橋
    ③近隣の中心都市
    ④通勤・通学の流れ

    を重ねてみてください。

    「県境を越えたから街が変わる」のではなく、

    県境の両側がそれぞれどこにつながっているか

    が見えてきます。

    行政の地図と、生活の地図は同じではない。

    県境は、そのズレを観察するのに面白い場所です。

     
     
    現役高校地理教師|街・ニュース・暮らしの「なぜ?」を、地図からやさしく読み解きます。防災・旅行・お金まで、地理がわかると日常はもっと面白い。書籍・教材も制作中。

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