
闇の中の魑魅魍魎(1971) ~奇想天外映画祭2025~
闇の中の魑魅魍魎(1971、中平プロダクション、110分)
●原作:榎本滋民
●監督:中平康
●出演:麿赤兒、扇ひろ子、加賀まりこ、稲野和子、佐々木愛、岡田英次、江守徹、土方巽、殿山泰司
幕末の土佐出身の絵金こと絵師金蔵の半生を描いた作品。
主演は若い頃の麿赤兒(長髪)。
何を考えているかわからない不気味な無表情さの中に、正気の向こう側を捕えようとする鬼気迫る眼光の奥の青暗い炎が燃え上がっていた。
映画の中ではとにかくどんどん人が死んでいく。
そこにはほとんど何の情感も乗せず、目をそらすことなく噴き出す新鮮な血の色を焼き付けるように見つめる絵金の姿がある。
暗い出生の過去を持つ金蔵の母親、夫を切腹で亡くし遊女となった雪、残酷趣味のある姫など、女性陣の方に業の深さを感じる。
中平康監督の作品はそんなに観てないけど、スピーディーなカット割りとか独特な編集という印象はなく、わりとスタンダードな作り。
終盤黒バックで金蔵がいよいよ四枚の襖絵を描くシーンは静から動へのシフトチェンジといった感じで、さらにエンディングでのなにかに取りつかれたように芝居小屋用に無残絵を一心不乱に描きまくる姿は圧巻。