
【植物工場/スマート農業】植物工場プロジェクト:計画書|ネットワーク構成|システム構成(全体像)
植物工場のシステムは、設備を入れた瞬間に完成するものではありません
「省力化・安定化・高度化」を、段階的に実装していくプロジェクトです。
このnoteでは、プロジェクトの芯になる3点をまとめます。
開発計画(Phase設計)
ネットワーク構成(運用の骨格)
栽培システム構成(制御対象の全体像)
1. プロジェクトの狙い:「複合環境制御」からスタート
このプロジェクトは、植物工場の自動環境制御を段階的に実施します。
制御対象は、空調・照明・給水・換気・電源管理など。UI/UXも含めて拡張していきます。
ポイントは、最初から理想形に飛ばないこと。
まず動かし、観測し、制御し、最後に統合します。
制御方式は最もスタンダードな「複合環境制御」を採用しています。
2. Phase設計:SwitchBot → 分散制御 → ローカル制御 → PID → AI
開始は 2025年1月〜。
各Phaseの役割を明確にし、順番に実装していきます。
Phase.1(〜2025年3月末)
SwitchBotプラグ/ハブで簡易オートメーション。
まずは立ち上げ。
Phase.2(〜2025年4月末)
Raspberry Pi 5(マスター)+ Arduino UNO R4 WiFi(スレーブ)の分散構成。
センシング、LCD表示、UDP通信、さらにEcoFlow電源監視も含める。
Phase.3(〜2025年5月末)
SwitchBotのオートメーションを廃止して、ローカル制御へ。
Raspberry PiがSwitchBotプラグ経由でON/OFF制御。
Phase.3改(〜2025年10月末)
水耕と土耕(NFT/DWC/AER/DF)を含む制御システムを設置。
システムごとにMCUを置いて個別ローカル制御へ。
Phase.4(〜2025年12月末)
PIDアルゴリズム導入。デバイス制御を完全ローカル化。
Phase.5(〜2026年6月末)
統合環境制御+モデルベース+AIで自動調整(MPC視野)。
3. 使っている技術スタック(要点だけ)
センサー:BME280, BH1750, TSL系, DS18B20, MH-Z19E, HC-SR04 等
通信:UDP(マスター⇔スレーブ), HTTPS/WebSocket(表示)
UI:Web UI(Chart.js + JavaScript)
ハード:Raspberry Pi 5 / Arduino UNO R4 WiFi / ESP32 / SwitchBot / EcoFlow など
4. システム構成:制御対象は「栽培方式 × 液肥 × 環境 × 電力」
全体方針
環境制御された空間に、
水耕(NFT / DWC / AER)を3セット+土耕(DF)を1セット置きます。
全システムは、液肥タンクを共用し、ポンプ+電磁弁で自動供給。
電力は太陽光発電を基本に、不足時はグリッドから供給。
さらに、CO2濃度制御や照明/空調制御も全体要素として入ります。

5. 栽培方式ごとの制御ポイント(NFT / DWC / AER / DF)
4方式を「同じ制御思想」で整理します。
NFT方式(薄膜型:循環式)
水位センサーを監視して、ポンプと電磁弁を制御。
水温センサーでチラー/ヒーター制御。EC/pH/DOは将来自動制御。

DWC方式(湛液型:貯留式)
根を液肥に常時浸す。酸素を豊富に含んだ液肥を循環。
温度制御やEC/pH/DOの設計は同様。

AER方式(エアロポニックス)
根を空中にさらし、ミストで直接噴霧。
シャワー機能も持ち、成長ステージで使い分ける。
液肥量を大幅に減らし、回収して再利用できる。

DF方式(点滴施肥灌水:土耕)
唯一の土耕。土壌水分センサを監視して点滴。
将来的に日射比例潅水制御を視野に、土壌温度もモニタ。

6. 設計の意図(比較表)
方式の優劣ではなく、トレードオフの前提を明確にします。

酸素供給効率:AERが最も高い
液肥使用量:AER・DFは省肥効率が高い
液肥回収:NFT/DWC/AERは回収あり、DFはなし(吸収される)
温度制御:DFは“制御”ではなくモニタ中心(将来の制御に備える)
7. ネットワーク構成:運用を成立させる「境界線」の設計
植物工場のシステムは、制御そのものよりも「止まったら困る」領域でもあるので、事務ネットワークとは同列に扱わずに、ネットワークの設計思想として分離し、境界線を引きます。

Gateway:YAMAHA製ルーター RTX1220
LAN2をWANとしてインターネット接続(HCNA方式でCATV経由)
セグメントは3系統:LAN1(事務室)/LAN3(植物工場)/LAN2(WAN)
フィルタリング:LAN1→LAN3は許可、LAN3→LAN1は拒否
植物工場側(LAN3)には、サーバー(Raspberry Pi)やSwitchBot、EcoFlowなどが置かれ、
Web / VNC / VPN / ファイルサーバー用途で運用されます。
次回は、実際の UDPのデータ流れ(ログ) と、Web UIのダッシュボード画面 をスクショで出す予定です。
8. まとめ
植物工場の難しさは、センサーやアルゴリズム以前に、
観測→制御→統合の順番を崩すと、運用が破綻するところにあります。
よって、この計画は、
まず動かす(Phase.1)
見える化する(Phase.2)
ローカル制御に移す(Phase.3)
制御理論を入れる(Phase.4)
統合してAIで詰める(Phase.5)
という、順番で確実に組んでいます。
次回:制御システム概要(Phase.2〜3の実装)
Raspberry Pi(マスター)とArduino/ESP32(スレーブ)の分散構成、UDP通信、ログ、Web UI(見える化)——
「観測が制御を生む」プロセスを、まとめていきます。
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