
ジャズマスター定番改造:何故ジャズマスターは改造されるのか?
フェンダーのギターの中でも、ジャズマスターというギターは少し不思議な存在です。
ストラトキャスターやテレキャスターは、基本的に「完成されたギター」として扱われることが多い。
ところがジャズマスターは違います。
むしろギター界隈では、こんな言い方までされるという話も。
「ジャズマスターは改造して完成するギター」
もちろんそのままでも十分魅力的なのですが、なぜこのギターだけ、これほど改造の話が出てくるのでしょうか。
少し歴史を振り返ってみます。
ジャズギターとして作られたギター
ジャズマスターが登場したのは1958年。
フェンダーが当時狙っていたのは、名前の通りジャズギタリストでした。
フェンダーはすでに
テレキャスター
ストラトキャスター
という成功作を持っていましたが、ジャズ界ではまだギブソンのフルアコが主流。
そこでフェンダーは、
「ジャズミュージシャン向けの最上位モデル」
としてジャズマスターを作ったわけです。
しかし結果はというと、これはあまり成功しませんでした。
ジャズギタリストは相変わらずフルアコを使い続け、ジャズマスターは別の場所に流れていきます。
サーフ、そしてオルタナへ
ジャズマスターを最初に積極的に使ったのは、1960年代のサーフロックのギタリストでした。
理由はシンプルで、
長いスケール
独特のトレモロ
太いシングルコイル
こういった特徴がサーフミュージックに合っていたからです。
そして1980年代以降、このギターはさらに別の場所にたどり着きます。
オルタナティブロックです。
例えば
Sonic Youth
Dinosaur Jr
My Bloody Valentine
この辺りのギタリストたちがジャズマスターを使い始め、気づけばこのギターは
オルタナの象徴
のような存在になっていきました。
そこで問題が起きる
ここで少し困ったことが起きます。
ジャズマスターはもともと
ジャズ用に設計されたギター
です。
ところが実際には
大音量
強い歪み
激しいストローク
といった、かなり荒っぽい使われ方をされるようになった。
その結果、
「ここがちょっと使いにくい」
という部分が見えてきます。
それが改造文化につながっていきます。
定番改造① ブリッジ交換
一番有名なのがこれです。
ジャズマスターの純正ブリッジは
弦落ちしやすい
ガタつきやすい
と言われることがあります。
そこでよく行われるのが
ムスタングブリッジへの交換。
ムスタングのブリッジは
サドルの溝が深い
弦が安定する
という理由で、ジャズマスターに取り付ける人が多いんです。
最近では
Mastery Bridge
Staytrem Bridge
など、ジャズマスター専用のブリッジも人気です。
定番改造② ピックアップ交換
ジャズマスターのピックアップは独特で、
太い
暗め
少し曇った音
という特徴があります。
これが好きな人も多いのですが、
もう少し
抜けが欲しい
出力が欲しい
という理由で交換する人もいます。
例えば
Seymour Duncan
Lollar
Novak
などのピックアップがよく使われています。
定番改造③ リズム回路
ジャズマスターには少し変わった回路があります。
ネック側に付いている
リズム回路
というものです。
これはジャズ向けに作られた回路で、少し暗い音になります。
ただオルタナ系のギタリストだと、
「この回路はあまり使わない」
という人も多い。
そのため
回路を外してしまう改造
もわりと見かけます。
ジャズマスターは未完成のギターなのか
こうして見ると、ジャズマスターは
「問題の多いギター」
のようにも見えるかもしれません。
でも実際は少し違います。
ジャズマスターは
完成しすぎていないギター
なんだと思います。
だからこそ
改造
セッティング
エフェクター
で、いろいろな音楽に対応できる。
オルタナギタリストがこのギターを好む理由も、たぶんそこにあります。
まとめ
ジャズマスターは
ジャズギターとして生まれ
サーフミュージックに使われ
オルタナの象徴になった
少し変わった歴史を持つギターです。
そしてその過程で、
改造文化
が生まれました。
だからジャズマスターの話になると、必ずと言っていいほど
「定番改造」
という言葉が出てきます。
もしかすると、このギターは最初から
プレイヤーと一緒に完成するギター
だったのかもしれません。