
自分の“正しい!”を捨てて、二項対立を超える 「なぜこの人はわかってくれないのか」
日常生活の中で時々思う「なぜこの人はわかってくれないのか」について、打開策を、たくさんのエクササイズ(個人でできるワーク)と共に示している本です。
「自分」がいちばんの敵
主張が食い違ってずっと平行線、なんだかうまく自分の意見を理解してもらえない時に陥ることとして、「自分が正しい!」という思い込みがあるということが書かれています。例えばコロナ禍でリモートワークが実施されない会社にいたとして、
・国がちゃんと推進すべきだ!(誰かがすべきだ)
・企業の責任としてリモート推進が正しい!(これがやるべき正しいことだ)
・先見性があるならリモートにして当然なのに!(先のことはわかってる)
というように、「自分が正しい!」という前提での会話の例が“落とし穴”としていくつか分類されて載っているほか、様々な事例が紹介されています。
この“落とし穴”にハマるのは、「私は正しいことをしている」「良いことをしている」「揺るぎないこと」といういい気分になっているから。
会話を噛み合わせていくためには、まずこの“落とし穴”に気づくことから始まります。
“落とし穴”から抜け出すには?
1つには、自分が思う自分のあり方ではなく、相手が感じている自分のあり方に気づくこと。先ほどの例だと、例えば会社からすると「具体的な方策もないのに権利を主張している人」と見られているかもしれません。一旦冷静になり、相手からどう見られているのかを考える必要があります。
もう1つは、自分の中の内発的動機に気づくこと。先ほどの例だと、例えば「この会社が好きだから安心して働き続けたい」など。べき論から、私のストーリーに変わるだけで、伝わる内容ががらりと変わります。
そして、内発的動機を知ることは、自分が築きたい未来を思い描き未来志向になることで、固執していた選択肢から離れ広い視点で物事を捉えるきっかけにもつながります。
二項対立をやめるために
本書では、二項対立(二者択一)をやめて、win-winの関係を築いていく方法を、次のステップで紹介しています。
①価値観を明確にする
べき論でやり合うのではなく、相手の発言の中から相手の大切にする価値観を探し出す。こちらの価値観も明確にする。
②対立を認める
これまでの議論が、AかBかの対立軸にあったことに気づく。
③視野を広げる
矢印の両軸での対立ではなく、その中間から90度違う方向の矢印を伸ばせるような、「どちらも両方」を叶える選択肢をひねりだす。
活かしていくには?
まずは、「自分が正しい!」と思ってしまうことを認識するところからだと思いました。自分の色眼鏡を置いて、相手のナラティヴ を理解する上で非常に大事な部分だと思います。
問題は、「視野を広げる」ことをどうやったら良いのかというところ。「どちらも両方」が納得できるwin-winの対話になるには、諦めずに時間をかけて考えていくことも必要なのかもしれません。