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【連茉小説】『星喰いの檻』第2ç« /第13話|近未来ダヌクファンタゞヌ|異胜力バトル|

    ■前話はこちら

    第話 䟵食は静かに始たる

    朝の柔らかな光が、局長宀の窓から差し蟌んでいた。

    しかし、宀内の空気はい぀も以䞊に重たい。

    「 拘束した胜力者数、二十二名。その党おに因子の異垞反応が芋られる死傷者が出なかったのは、幞いず蚀えるでしょうね」

    蓮池がデスクで報告曞を静かに読み䞊げる䞭、近藀は無蚀で脇に立ち、千堂は郚屋の端で端末を操䜜しおいた。
    報告に来おいた修叞は撃たれた倪腿を固定した状態で゜ファに座り、流真は壁際で埅機しおいる。

    その埌、手短に挚拶を枈たせた医療課長が、今回の事件に぀いおの怜査報告を始める。

    「たず『蠍座』䜐盞莉愛さそうりあに぀いおです。珟圚意識䞍明、因子反応が䞍安定で粟神状態の厩壊傟向も確認されおたす」

    説明を䞀床区切り、医療課長は端末を操䜜するず重芁項目ずされる点の説明ぞず繋げる。

    「——特筆すべきは、圌女自身の毒反応が著しく䜎䞋しおいるこずです」

    「自分の毒が、自分に返っおいるずいうこずか」

    「因果関係ずしおはそれに近い状態ですね」

    近藀ず医療課長のやり取りを聞いおいた蓮池が、䞀぀頷いお口を開く。

    「埡堂くんに぀いおは」

    「因子反応が以前ずは倉質しおいたす  原因は珟時点で䞍明。䞡県の色玠倉化も確認されおおり——既存デヌタずの䞀臎は芋られたせん」

    そこたで無蚀で聞いおいた修叞が、医療課長ぞ声をかける。

    「  埡堂本人は」

    「認識の混線症状、他者ずの芖界共有に近い反応も確認されたした。珟圚は鎮静剀を投䞎し、怜査芳枬䞭です」

    報告を終え、党員がしばし無蚀になる。

    「 『獅子座』」

    呟くような修叞の声に宀内の空気が倉わる。
    匵り詰めた空気の䞭、蓮池は報告曞から目を䞊げるず、修叞ぞ続きを促す。

    「『獅子座』ずいう名前が出た」

    「  間違いないのですか」

    「『蠍座』いや、䜐盞莉愛が口を滑らせたした。確保埌に聞き出した内容ず合わせるず——ダツは『獅子座』の指瀺䞋で動いおいた可胜性が高い」

    修叞のその蚀葉を聞き、しばらく黙っおいた蓮池は千堂ぞ目を向けるず指瀺を出す。

    「ISCA本郚に照䌚を  『乙女座』にも確認を取るよう、連絡しおください」

    「了解したした」

    指瀺を受けた千堂は、すぐ端末を操䜜しおいく。

    「くそ 」

    近藀が䞀蚀吐き捚お、腕を組んだ。

    「銖筋がピリ぀く 嫌な感じだ」

    「近藀くん」

    蓮池が苊い衚情の近藀を芋た。

    「アレは 進化じゃない。埡堂に起きおいるこずは——もっず別のモノだ」

    近藀のその蚀葉に、誰も口を開かなかった。

    各自が考えを巡らす䞭、蓮池はもう䞀床報告曞に目を萜ずした。
    曞かれた内容を敎理するず、県鏡のブリッゞを軜く盎す。

     芳察察象ずしお、芋ないずいけたせんね

    圌の顔にい぀もの埮笑みはなく、県鏡越しの瞳には組織の「長」ずしおの責任感が浮かんでいた。

    ◇

    報告䌚を終え、情報郚の自分のデスクに戻った千堂は、改めお手元の資料を広げた。

    叞のデヌタ、流真のデヌタ、莉愛のデヌタ そしお銀行事案で人質ずなった少女のデヌタ。

    基本情報から順番に目を通しおいく。
    因子胜力、『適星』前埌の反応倀、珟状確認可胜な数字がそこには蚘茉されおいる。

    叞のデヌタを確認䞭、ある数字に目が止たった。

      『適星者』ではない

    ISCA内にある既存の星座分類ず照合したが、䞀臎しなかった。
    過去の『双子座』のデヌタをそこに䞊べおみるその方向性は近い、でも、違う——ただそれに近い「䜕か」が混ざり蟌んでいる。

    なら、これは䜕だ

    膚倧なデヌタ、様々な経隓をしおきた千堂が答えを出せない案件は、珍しかった。

    固たった思考を切り替えるように次のデヌタに目を移す人質ずなった少女のデヌタ。
    莉愛ずの接觊蚘録、発珟盎埌の因子反応、毒による倉質の蚘録——各皮の数倀を芋おいく。

    「  この数倀 」

    デヌタを粟査しおいるず、千堂の䞭で匕っ掛かるモノがあり、叞のデヌタず芋比べる。

    倉質の向きが、䌌おいた。

    完党に䞀臎するわけではない  でも、莉愛の毒ず因子胜力の発珟が組み合わさった時の倉質方向が、叞ず少女で近い軌跡を描いおいた。

      たさか

    途方もない掚論が千堂の脳内に浮かんだが、確蚌はなかった。
    そんな可胜性、これたで考えもしなかった 膚倧な情報を有しおいるISCA本郚にも存圚しおいないだろう  可胜性。

    急いで結論付ける必芁はないず、千堂は情報端末を閉じる。

    「  芳察を続ける」

    誰もいない郚屋に、その蚀葉だけが残った。

    ◇

    医療棟の特別治療宀近蟺は静かだった。

    流真は廊䞋の怅子に座っお、ガラス越しに叞のいる郚屋を芋぀めおいた。

    ベッドで眠っおいる叞は鎮静剀が投䞎され、備え付けられたモニタヌが䞍芏則な動きを芋せおいた。
    䞡目は閉じおいたが、その瞌の䞋で「䜕か」が動いおいるような気がした。

    ゆっくりず深呌吞をしおから、『流䜓感知』で叞を調べおみる。

    (おかしい因子が、流れおいる)

    通垞、胜力者の因子はその堎に留たる。
    だが叞の因子は——党身を埪環しおいた。
    叞の内偎を止たる事なく回り続けおいる。

      倉だ

    もう少し深く感じようず、ガラス窓に手を぀けお、顔を近付け、叞の様子を確かめようずした時。

    叞の目が、唐突に開いた。

    驚いた衚情の流真ず、䞀瞬芖線が合う  金の瞳。

    でもその䞀瞬で、流真の芖界に別の景色が混ざり蟌んでくる。
    知らない倩井、知らない光の角床 自分ではない誰かの芖点から芋たヌヌこの郚屋の景色。

    (な、に  これ)

    同時に、流真の心拍が乱れ、因子がノむズを拟うず廊䞋を歩く人の動線が、䞀瞬だけ消えた。

    危険信号に反応した因子が掻性化仕掛けた時には叞の目は閉じられ、芖界の共有が切れおいた。

    激しい動悞ず、突然の因子掻性に萜ち着こうず流真はガラスから手を離し、䞀぀、息を吐く。

      今、䜕が

    改めお叞に芖線を向けるず圌は䜕も知らない顔で、静かに呌吞しおいた。
    因子の流れも倉わらず、回っおいる。

    「  起こしたく、なかったんだけどな」

    流真の小さな呟きを、聞いた人間はいなかった。

    ◇

    廃病院の地䞋シェルタヌは暗かった。

    内郚のコンクリヌトの壁には倚くの機材が䞊び、モニタヌの光だけが郚屋の内郚を薄く照らしおいる。

    「『蠍座』が拘束され、『適星者』の回収も倱敗ですね」

    長身に癜衣の男から溜め息混じりに報告されおも、癟瀬重蔵ももせじゅうぞうは、怒りも動きもしなかった。

    五十代半ばの癜髪混じりの金髪を無造䜜に䌞ばし、道着を矜織ったその䜓栌は、人間のそれずは少し違う質量があった。

    道堎の垫範——そう蚀われれば玍埗する䜇たいの男は、ただ立っおいるだけで空気を倉える「圧」を備えおいた。

    「  そうか」

    䞀蚀だけ呟くず、声を出さずに静かに笑う。
    その笑みは正に「獲物を芋぀けた猛獣」そのもの。

    「こい぀は 面癜くなっおきたな」

    倪い腕を組んでそう蚀っお笑う癟瀬に、癜衣の男研究員は端末を操䜜しながら報告の続きを話し出す。

    「埡堂叞——『適星者』ではありたせんね、既存分類に該圓なし。凊理察象ずしお——」

    「違うな」

    癟瀬は振り返りながら、研究員の蚀葉を遮る。
    その目に嚁圧感はなかったが、研究員は蚀葉を咄嗟に止めた。

    「アレは"途侭"だ」

    「  途䞭、ですか」

    「ただ「倉わっおいる」最䞭っおこずだな」

    癟瀬は研究員から端末を取り䞊げお、映し出された叞のデヌタを芋た。

    「凊理するには、惜しい」

    郚屋の端には、䜓栌のいい男が静かに立っお癟瀬の蚀葉を聞きながら、片手でペンを回しおいる。

    癟瀬は端末を近くの机に眮くず、立ち尜くす研究員に察しお静かに指瀺を出す。

    「次の段階に入れ」

    「  『因子掻性剀』の投䞎を継続する、ずいうこずですか」

    「ああ。ただし——」

    研究員に目を向け、癟瀬は続ける。

    「アレはただ䞍安定だ  莉愛の因子を材料にしおいる以䞊、毒性の割合が安定するたでは遞別を続ける」

    「基準は」

    「壊れなきゃいい 倉質に耐えられるダツ、暎走を超えられるダツ」

    その返しに息を呑む研究員から目線を倖し、癟瀬は䜕もない壁を芋た。

    「もっず揺らせ  壊れ方を芋せろ」

    その声は穏やかでそれが䜙蚈に、蚀葉の意味を重くした。

    「『星』は——極限でしか定着しない」

    ◇

    倩河垂の朝は、い぀も通りだった。

    オフィスビルには倚くの人が入っおいき、公園では子䟛が走り回り、コンビニからは男女の客が出おいく。

    路地裏だけが、違った。

    二人の男が向き合っおいお、その䞀人の目が赀く染たっおいた。
    呌吞は荒く因子が制埡を倱い、腕の筋肉が異垞に膚れ䞊がっおいる。
    もう䞀人は埌退りしながら自分の手を芋おいた。

    「なんで——なんで俺」

    路地の奥で空き猶が転がり、誰かが走っお逃げた。

    自分達に䞎えられた執務宀で埅機しおいた修叞のスマホが通知を告げ、圌はその画面を芋る。

    「胜力者暎走事件発生。珟堎封鎖芁請倩河垂東郚、路地裏。第䞀報」

    画面を閉じた修叞は、倪腿の固定具に手をあおた。神経毒は抜けたものの、ただ動くには制限がかかるでも、動けないわけではない。

    「 手が足りんな」

    痛む脚を無芖しおスマホを操䜜しながら、修叞は廊䞋に出お行くのだった。

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    芖野欠損した日垞をAIずいう補助杖ずスマホずPCで残しおいたす。 小説を曞き、゚ッセむを曞き、垞に脳内線集郚が隒がしい。 短線シリヌズ『死神・坂井の業務日誌』 『星喰いの檻』連茉䞭。 欠萜を抱えながらも1歩ず぀毎日を過ごしおいる人ぞ。 「こんな過ごし方もあるんやなぁ」ず 届けたい

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