
【太宰になろう系】憎き天使の爆走劇
こちらの企画に参加します。
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憎き、って読んでね♪
このタイトルがまず思い浮かんじゃったからそのまま突き進んだけどこの女普通に怖いかもしれない。
(852文字)25分+見直し5分
俺の嫁さんは天使である。
のっけから何を言っているんだと思われるかもしれないが、あくまでも俺にとっての天使なので、見た目が誰の目からもとりわけ優れているとも言えないので、注釈は入れておく。
俺が仕事場からメールを送って頼めば、何月何日の何時に開催されるイベントチケットを、その発売日・発売時間に合わせたチケット売り場に、目を血走らせて駆けつけもぎ取ってくれるのである。
もちろん正規の値段は支払っている。また、後日転売サイトで取引する事は許されないらしい。
「だってぇ。不正な手段を使って手に入れたらぁ、ダーリンがイベント心の底から楽しめないでしょぉ?」
といつになくくねくねしながら言ってくる様には若干の狂気を感じるが、有り難い事はこの上ないので平伏しながら受け取る。
これが、どれほど「女性向けではないイベント」であってもだ。
しかも、確実に手に入れるために俺一人の分だけだ。(2枚だとタッチの差で隙間の席に潜り込めないかもしれない。)
そして、イベント当日には、
「ゆきたん、さみしいけどおうちで待ってるぅ。ダーリンはイベント楽しんできてねぇ」
と俺一人を満面の笑顔で送り出してくれるのである。
閉じられた家の扉の向こうでどんな表情をしているかは知らない。
俺がイベントを楽しんでいる間一体何をしているかは知らない。
世の中には知らなくて良いこともある、と言いたいところだが、実際知ったところで問題など無いような事も多くある、と頷いて、あえて考えないようにしている面もあるかもしれない。
おそらく『俺のために「チケットをゲットする」』という行為ですでに、アドレナリンが噴出している。故に、まかり間違ってゲットできなかった時の錯乱ぶりときたら、見ていられない(家族なので正直に言います)。二度と見たくはない(一度は見たので尚更正直に言います)。
夫婦仲良くいられる秘訣を言おうか?
愛と憎は常に絡み合っている事を、自覚しお互い忘れずにいる事だ。
家族は常に気を遣い合わなくてはならない、と俺は確信している。
了