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Photo bytarohanamana

8話 試験会場は、試合会場だった。

    ※宅建取得までの実話をもとにしたエッセイです。

    試験日当日の早朝。

    なんとも言えない不安で、
    落ち着かなかった。

    「もう無理だ。」
    という気持ちと、

    「今さらメンヘラしても仕方ない。
    やるしかない。」
    という気持ちが、
    頭の中でずっと戦っていた。

    とりあえず現実逃避するために、
    モンスターエナジーを1本キメた。
    タバコを吸いながら、
    ぼーっと煙を眺めていた。

    何本飲んだか、あまり覚えていない。

    もしかしたら、
    3本くらい飲んでいたかもしれない。

    試験前にカフェインを
    大量摂取するという、
    今考えるとよく分からない作戦である。

    そして試験会場へ。

    会場に着くと、
    思っていた以上に人が多かった。

    「こんなにいるのか……。」

    宅建の合格率を考えると、
    ここにいる人たちは、みんなライバルだ。

    それまで、なんとなく勉強していたけれど、
    会場に着いた瞬間、
    急に「試合会場」に来た気分になった。

    そして、いよいよ試験開始。

    私は5問免除を受けていたため、
    みんなより少し遅れて試験開始だった。
    その時間に、ふと思った。

    「……ゼルダ、やりすぎたな。」

    まさか試験当日にまで、
    ハイラルの大地を思い出して、
    後悔するとは思わなかった。

    そして、私たち5問免除組も試験開始。

    私は、上司と先輩に言われていた通り、
    宅建業法から解き始めた。

    宅建業法は、
    比較的点数が取れていた分野だった。
    分かる問題から先に解いていく。

    そして、後半に民法を回した。
    民法は、メンタルに響く。

    問題文を読んでも、
    「……何言ってるんだ?」
    となる問題がある。

    しかも、選択肢を読めば読むほど、
    自信がなくなっていく。

    模試では、時間が余るくらいだった。
    でも本番は違った。

    時間が、ものすごい勢いで減っていく。
    「え、もうこんな時間?」

    前年は、ほぼノー勉で受験した。
    分からない問題は、
    全部「3」にして、
    ひたすらマークシートを塗りつぶしていた。

    だから、
    試験ってこんなに時間が足りなくなるものなのかと驚いた。

    何度も見直した。

    それでも、不安だった。

    そして。

    試験終了。

    終わった。
    本当に終わった。

    試験会場を出た私は、
    そのまま宅建学校へ向かった。

    学校では、受験生たちが集まって
    自主採点をしていた。
    みんなで、合格速報を確認するためだ。

    そして、速報の予測点が出た。

    私の自己採点は、

    予測点より、1点足りなかった。

    ……終わった。
    あれだけ勉強したのに。
    あれだけ泣きながら勉強したのに。

    あと1点。

    そして何より、
    協力してくれた先輩と上司になんて言おう。

    私は2人に報告するため、
    職場へ向かった。

    2人とも、残念そうな顔をしていた。

    そりゃそうだ。
    私だって、残念だった。

    そして、喫煙所へ。

    タバコを吸おうとしていると、
    先輩がモンスターエナジーを奢ってくれた。
    私はそれを飲んだ。

    でも。

    モンスターエナジーは、味がしなかった。
    ……あれだけ飲んだのに。

     
     

    とと

     
     
    日常で起きたことを、 笑えるエッセイとして書きたいです。 今までやってきた仕事の話 強烈だった元彼の話 育児の話 日常のあれこれ など、現在は気まぐれにいろいろ書いてます。 ※完結しました↓ ※強烈だった元彼シリーズ ※宅建取得までのエッセイ

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