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Photo byrasw

夏薔薇の涙

    夏に咲いた薔薇が泣いている

    木陰の闇に 花弁の鮮烈な紅が侵食し冷えてゆく

    熱い陽の光から逃れるために

    私もその闇に招き入れておくれ

    夏を生きることに疲れた

    あわれな私を

    その紅《あか》い薔薇と共に死なせておくれ

    薔薇の花弁から落ちようとしている

    残った涙のしずくが

    私の手に落ちてくるのを

    ただ うつろな瞳でみつめ

    指先でそっと掬いあげたものを くちびるに引いた

    夏が終わろうとする夜のこと

     
     
    きたにひなこと申します。 1日1詩を投稿しています。 受賞歴 エブリスタ「執筆応援キャンペーン 大正浪漫」入賞 「冬薔薇の戀」 小学館マンガワン #マンガイチ いいね!賞受賞「夏の虫、氷を笑う」 「ココア共和国2026年1月号」  詩「着物のオフィーリア」佳作受賞掲載

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