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Photo byshizuku_compass

夫を亡くしたあと、月がやさしかった

    これはパパが亡くなって間がない頃の話ーー



    ばあばは毎日泊まりに来てくれていた。

    「ちょっと家のことをしてきてもいいかな。
    終わったら必ず来るからね。」と言って
    少しの間いなくなった。

    はじめて、私と子どもたちだけで眠るぞ。
    でもできるはずだ。
    私も親だし、パパがいた時も、
    早出のパパは先に寝ていたから私1人で寝かせていた。
    パパが出張の時にも寝かせていたんだから……。


    寝室に行って、部屋を暗くして。
    さあ寝ようとしていたら、子どもたちが喧嘩を始めた。

    なだめようと思ったけれど、手が出始めた。

    今までは、激しい喧嘩になったら
    1人を私が、もう1人をパパがみて、
    距離を離して、それぞれの言い分を聞いたり抱きしめたり……
    ってしてきた。

    でももうパパはいない。
    私も気力が残っていなかった。

    激しい喧嘩をうまくおさめることもできず、
    パパがいないことも悲しくて、どうしたらいいのかわからなくて。


    「お月さま見に行こっか」


    1人はついてきたけれど、もう1人は
    「◯◯が一緒だから行かない!」と。

    何度誘っても行かないと言うので、1人を連れて家の外へ。

    となりの駐車場に移動する。
    月を見上げたら、ただきれいだった。
    遠くて、優しかった。

    私は、つらくて、寂しかった。

    「きれいだねえ……」



    しばらく見ていたら、
    もう1人の子が寝室から出てきた気配がした。

    「外に出ておいでー。お月さま、きれいだよー」

    声をかけると、出てきた。

    子供たちとお月さまを見ていると、ばあばが帰ってきて、
    私たちを見てびっくりしていた。


    私は「まだまだで不甲斐ない。
    どうしたらいいのかわからなかった。」と伝えたら、

    「お月さま見に行こって言って、それで落ち着いたんだよ。
    ちゃんとやってるんだよ」

    と言われた。




    最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
    ここに書いているのは特別な話ではなく、私の日常です。
    同じような気持ちを抱えている方にも、そうでない方にも、何かが届けばうれしいです。

    🌿 時期ごとに、まとめています。



     
     

    ひの

     
     
    自死で夫を亡くしたママです。子どもたちとの日常や、思い出・心の揺れをやさしく綴っています。  読んでくれてありがとう。 Xは、@hinolife1224 です。

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