
AIで古い仕組みを移す前に、「同じ結果」を決めておく──OpenAIのCOBOL評価から
Excelのマクロや古い業務システムを、AIの力を借りて作り直そうとしている会社へ。
古い仕組みをAIで作り直すとき、「動きました」だけでは完成にしない。
同じ入力を渡したとき、残すべき結果が同じかを確かめる。
明日は、入力と出力を説明できる仕事を一つ選び、比較用の例を集めるところから始められます。
OpenAIの評価は、結果の一致を求めている
OpenAIは2026年10月19日、古い言語を含むプログラミング評価を発表しました。COBOL移行の評価では、観測できる出力がバイト単位で一致し、非公開テストをすべて通ることを成功条件としています。
同社はGPT-6.1 Solが、高い推論強度でこの評価の97.9%を解いたと報告しています。OpenAI自身の評価であり、自社の移行案件が同じ成功率になるという意味ではありません。
実際の会社の移行が終わった報告ではない
これはOpenAI自身の評価で、本稿では独立に再現していません。発表自身も、本番には専門家のレビューと、業務ルールや依存関係のテストが必要だと説明しています。
エラーがなくても、丸め方で金額は変わる
発表は、COBOLの固定小数点演算が、丸めを明示しなければ余分な小数桁を捨てる例を挙げています。移行先で丸める処理に変えると、エラーなく動いても金額が変わり得ます。
架空の例なら、100.5円を切り捨てると100円、四捨五入すると101円です。同じ元データでも処理の決め方で結果が変わります。
「新しいほうが自然」でも、勝手に変えない
端数処理を変えたいなら、移行とは別の業務変更です。旧仕様を残すのか、不具合として直すのかを担当者が決め、比較結果に理由を残します。旧結果への一致が、無条件に正しいわけでもありません。
最初の一本は、入力と出力を説明できる仕事にする
ここからは、小さな試行の提案です。基幹システム全体ではなく、範囲を説明できる集計や帳票の一部を選びます。
比較メモを三つの欄で書く
・入力:どんな条件を渡したか
・旧結果と新結果:どこが同じで、どこが違うか
・違いの扱い:維持する仕様か、変更を承認した仕様か、未確認か
筆者の提案として、最初は通常・空欄・端数など計10組を集めます。架空の記入例は「入力:金額100.5、率1.0/旧結果:100/新結果:101/扱い:未確認(業務担当者に端数処理を聞く)」。もう一つは「入力:金額100、率1.0/旧結果:100/新結果:100/扱い:この例は一致」です。一致は全体の正しさの証明ではありません。
通常の例だけでなく、空欄や端数など判断に迷う例も用意します。外部AIへ機密を渡さず、まず架空データで比較の手順を試します。
正しい旧結果が集まらないなら、急がない
旧結果が正しいか誰も説明できなければ、比較だけでは判断できません。業務担当者と期待する結果を決めるところに戻ります。新旧が一致していても、同じ誤りを引き継いでいる可能性は残ります。
JAXIAの出力例からも、比較条件を考えられる
JAXIAの公開サイトは、仕訳CSVを出すバックオフィス自動化と、休憩を記録して月次CSVを出す勤怠アプリを紹介しています。仮に作り直すなら、金額・科目と休憩・日付では比較条件が違います。公開例への当てはめであり、JAXIAのCOBOL移行実績ではありません。
まとめ:AIに書かせる前に、比較できる例を持つ
明日は仕事を一つ選び、入力と期待する結果を一組書き出す。説明できなければ「未確認」と残す。それが、作り直す範囲を決める入口になります。
どこから試すかの整理は、JAXIAの初回オンライン相談でも受け付けています。
点検対応:20261023