
私のあこがれ、なりたい姿|風まかせ文芸部
( #ショートショート 本文:654字)
「あんた、大丈夫か。この飴ちゃん、舐めとき」
電車で咳き込んでいたら、隣の席にすわっていたおばちゃんが飴をくれた。
大阪ではこういう景色が日常だ。私はコミュ障なので、こういうおばちゃんがうらやましい。
駅に着くと、改札を出たところで、乗り換えを迷っている外国人観光客がいた。
トラ柄のTシャツを着た、別のおばちゃんがその外国人に声をかけている。
「へい、ゆー。どないしたんや。道に迷うてるんか。どこ行きたい?」
完全に日本語、それも大阪弁で会話している。
「ここをシューっと行って、ネクストをライトして、それでもってやな……」
おばちゃんは身振り手振りで説明しているが、うまく伝わらない。
「ちょっと、そこのあんた!」
通りがかった、また別のおばちゃんに声をかける。
「この人が西梅田に行きたいらしいんやけど、案内したげてくれへんやろか?」
「ええで。ほな、ついといで。れっつごー!」
そのおばちゃんは外国人観光客を連れて案内して行った。
その様子をぼーっと見ていた私に、外国人に最初に対応していたおばちゃんが声をかける。
「あんたも道に迷うてるんか?」
「いえ、私は大丈夫です」
案内して行ったおばちゃんは知り合いなのかと聞いた。
「知らんけど、なんか親切そうな人やったから、お願いしたんや」
大阪のおばちゃんはコミュニケーションお化けだ。誰でも友だちにしてしまう。言葉が通じなくても会話してしまう。
私も25年後、あんなおばちゃんになれてたらいいな。
「わては大阪のおばちゃんになる!」
私は歩きながら小声でそう宣言した。

はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
iさんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#風まかせ文芸部 #25年後
私も、大阪のおばちゃんに憧れています。とりあえず、ポケットに飴ちゃんを持ってます。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

いつきさんの #賑やかし帯 を使わせていただいてます。
いつもありがとう\(^o^)/。
#ほぼ毎日ショートショート