
いつまでに返したらいいの?
「借りた本はちゃんと返すよ。で、いつまでに返せばいいの?」
「本は二週間以内に返すのが常識よ」と女の子が言った。
そんな短い会話を交わして、僕はさっそく本を読み始めた。
ミステリーだった。読み終えた瞬間、鳥肌が立った。まさかのどんでん返し。そう来たか、と唸った。探偵役の女の子のキャラクターが特によくて、僕は伏線を辿りながら何度も読み返した。
そうしているうちに、あっという間に二週間が近づいてきた。返しに行かなきゃ。でも、どうやって返したらいいんだろう。彼女に聞いてみた。
「どうやっても何も、普通に返せばいいのよ」
「図書カードはいらないの?」
「そんなの、いらないわよ」
「でも、もうちょっと読みたいな」
「そういうときはね、期間延長をすればいいのよ」
「じゃ、延長しよ」
「延長したら、あと二週間は借りられるわよ」
よかった。あと二週間読める。そう思うと嬉しくて、僕はまた最初から読み返した。伏線がまた新しく見える。でも、幸せな時間はあっという間で、また期限が来た。それでも、やっぱり返したくない。
「だめよ。返しなさいよ」と彼女。
「やだ」
「督促されるわよ」
「ならいいよ、なくしたことにする」
「だめよ。弁償しないといけないの」
「お小遣いはあるから、それで払う」
「だめ。本屋で売っている場合は買って返さないといけない決まりなの」
「ええっ! めんどくさいなぁ」
僕はため息をついた。
彼女があきれたように言う。
「うだうだ言ってないで早く返しなさいよ、私の本」
(了)
そうですよ。借りた本はちゃんと返さなくちゃ。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
小牧幸助さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#シロクマ文芸部 #借りた本
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。