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筋肉侍、いざ!

    ( #ショートショート  本文:410字)

     監督は俺だ。今回の主演は、腕も胸も分厚くて、あつくるしい。脚本家はバラエティ番組専門のライターで、剣術のことなど何も知らない。矛盾の帳尻を合わせるのは、全部こっちの仕事だ。

     撮影初日。幕府の役人が忍者に囲まれている。
    「助けてくれ!」
     そこへ侍が現れ、次々と忍者を倒していく。技はほとんど関係ない。ただ力任せに振り回すだけで、忍者が吹っ飛んでいく。

     右から四人、左から六人、上から降ってきた三人。全部倒したと思ったら、二人がむくりと起き上がる。

    「カット! 全部で何人倒した?」

     侍は台本を睨んだまま黙り込み、両手の指を折って数えているが、指が足りない。

    「十人くらい?」
    「検算しろ!」

     次のシーン。忍者が容赦なく手裏剣を投げてくる。侍はとっさに小道具箱をつかみ、顔の前にかざした。

     パスッ、パスッ、パスッ。
     手裏剣は、見事に、全部――剣山に突き刺さっていた。

    「生け花か!」

     俺は『筋肉侍、見参!』の台本を地面に叩きつけた。

    (了)

     おもしろそうな映画ですね。いつ封切りなんでしょうか。


    はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
    田原にかさんの企画に参加します。
    よろしくお願いします。
    #毎週ショートショートnote #マッチョ華道

    では、今日はこのへんで。
    はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

    #監督 #主演 #脚本家 #忍者 #侍 #検算 #手裏剣 #剣山 #生け花

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