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あのとき、決めてよかった

    ようこそお越しくださいました。

    *   *   *

    「気に入っているんです。でも、予算が……」

    住まいをご案内していると、そんな言葉を伺うことがあります。

    希望していた金額を超えているけれど、
    どうしても諦めきれない。

    そんなお気持ちは、私にもよくわかります。

    実は、今のわが家を選んだとき、私自身も
    だいぶ背伸びをしました。

    決め手になったのは、
    窓の外に広がる景色です。

    初めて目にしたとき、
    一目惚れしてしまいました。

    もちろん、大きな買い物です。

    気に入ったという気持ちだけで決めるわけにはいきません。

    これからの暮らしに無理がないか、何を大切にしたいのか。夫婦で考え、納得したうえで選びました。

    お客様とお話しするときも、
    大切にしているのは同じことです。

    希望と不安をひとつずつ整理し、
    その先の暮らしまで一緒に考える。

    ときには、見送ることをおすすめする場合もあります。

    けれど、少し背伸びをして選んだ住まいについて、後日「あのとき決めてよかった」とお話しくださる方も、たくさんいらっしゃいます。

    私も、今でもそう思っています。

    あの日、一目惚れした景色は、
    毎日の暮らしの一部になりました。

    ふと眺めると、今も思うのです。

    あのとき、決めてよかった。



     
     
    何気ない日々に、心がとまる瞬間を。 暮らしや人とのつながり、日々の小さな発見を エッセイに綴っています。 二級建築士・宅建士|住まいの仕事 二十年以上。 住まいを大切にすることは、私たち自身を育むこと。

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