
「習字なんてキライ!」…と、なる前に。字が苦手な子に試してほしい3つのステップ
片田舎で書道教室を開いている習字の先生からの切実なお願いです。
「字を書くのが苦手!」
「学校の習字ってキライ!」
そんな風に頭を抱えているお子さんや、どう教えていいか悩んでいる親御さんに、ぜひ試してほしい「3つのコツ」があります。
難しいことや根性論は一切ありません。ほんの少し気持ちを変えるだけで子どもの「書く」意識はガラリと変わるはず。
1. 線が「ニュ〜ッ」と出てくる瞬間に注目する
まず試してほしいのが、「筆先・鉛筆の先から線がニュ〜っと生まれる瞬間」をじっと見るということです。
書くのが苦手な子の中には、線が出てくるまでのほんのコンマ何秒すら待てずに、ピュンピュン書きをしてしまう子どもがいます。
自分の手元、鉛筆の先や筆先をじっくり観察する。線が生まれる瞬間をちゃんと見る。注目して見させる。
「線が生まれる瞬間」に意識を向けるだけで、子どもの書き方は変わります。
線がニュ〜っと出てくる瞬間に注目しましょう。
2. 指3本を揃えて「棒の部分」をつまむ
次に、鉛筆や筆の持ち方です。
親指、人差し指、中指の3本は、仲良く揃えてあげてください。3本でつまむ。これは筆記用具全般同じです。

よくありがちなのが、親指がピョコンと飛び出してしまう持ち方です。これだと軸を支えることができずにグラグラしてしまう。鉛筆や筆がグラグラしてしまうから、力が伝わらず、うまく動かない。
3本の指先を揃えて、鉛筆や筆の「棒の部分」をつまむ。
これができるようになるだけで筆・鉛筆は子どもにとって「言うことを聞いてくれる扱いやすい相棒」に変わります。
3. 手本を見ずに「直接なぞり書き」させる
最後は、おすすめの練習方法です。
どんどん“なぞり書き”をさせてみてください。

いまの子どもたちは学年を問わず、「手本と交互に見比べて、そっくりに書く」という作業がとても苦手になっています。
無理に手本を見させる必要はありません。ひとまずお手本の文字をなぞらせてしまいましょう。文字を書くことが苦手な子どもならなおさら。これをしたほうが身体で直感的に理解できます。
なぞり書き・うつし書きは「強制インストール」のようなものです。
自分の指が思っていたよりも動いていないことや、縦長・横長など、全体のアウトラインを早くつかむことができます。
昭和の感覚だと「なぞり書き」「うつし書き」には「ちょっとズルいやり方」というイメージがあるかもしれませんが、いろいろ悩むよりも一度なぞり書きをさせてみてください。
4.おわりに
3つのコツをお伝えしましたが、
特に「1. 線が「ニュ〜ッ」と出てくる瞬間に注目する」の方法は、
書くことが苦手ではない子にもお試しいただきたい。
習字を数年経験してきて、段級もスムーズに上がってきたような慣れている子にも、
「鉛筆の先から線が出てくるところに注目して書いてみて」と伝えたところ、
普段よりも落ち着いて書けていたということがありました。
鉛筆の先に注目することで「今から習字だ。じっくり書こう」というスイッチが入りやすくなったのだと思います。
子どもが「習字なんてキライ!!」と完全に心を閉ざしてしまう前に、大人がほんの少しだけ手元のコツを伝えてあげる。
綺麗な字を書かせることよりも前に、まずは「自分の指先を思った通りに動かせる楽しさ」を知ってほしいのです。
もしご家庭で「どう教えれば…」と迷ったら、ぜひこの3つを思い出してみてくださいね。
しょうじ書道教室 主宰|書家 東海林龍文