メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【50代ランナー】走る時間がない人へ。「帰宅ラン」という現実解

    「走りたいけれど、時間がない」。

    社会人ランナーの悩みは、突き詰めればこの一言に尽きると思います。仕事があり、家庭があり、睡眠も削れない。そのうえで、どこに練習時間を確保するのか。

    私の答えのひとつが、帰宅ランです。仕事帰り、電車を途中の駅で降りて、そこから家まで走って帰る。私はこの方法で、現在平日に8〜11kmの練習を確保しています。

    今日は、この帰宅ランの実践を、道具の中身まで含めて、具体的にお伝えします。

    なぜ帰宅ランなのか——時間を「作る」のではなく「置き換える」

    まず、考え方から。

    平日に練習時間を新しく作ろうとすると、必ず何かを削ることになります。睡眠か、家族との時間か、仕事か。どれも削りたくない。だから続かない。

    帰宅ランは、違います。もともと電車に乗っていた移動時間を、そのまま走る時間に置き換えるだけです。新しい時間は、ほぼ生まれていません。だから、生活に無理が出ない。無理が出ないから、続く。

    おまけの効能もあります。仕事で疲れた日ほど、走って帰ると、その日の澱のようなものが流れていきます。家に着く頃には、頭が切り替わっている。移動と練習と気分転換が、一度に済むのです。

    【実践1】リュックの大きさは20L程度。大きすぎないこと

    道具の話に入ります。まず、リュック。
    私はノースフェイスの20Lサイズを使っています。ポイントは、大きすぎないことです。大きいリュックは、つい荷物を増やしてしまいますし、走ったときの揺れも大きくなる。20Lあれば、着替えと貴重品は十分入ります。ランニング用に設計されたリュックなら、身体への密着性も高く、揺れはさらに抑えられます。

    【実践2】朝の「袋詰め」が、夜の自分を助ける

    帰宅ランの成否は、実は朝に決まります。
    私は毎朝、袋(私はSTEPスポーツの黄色い袋を使っています)に、シャツ、ハーフタイツ、ソックスを詰めて、リュックに入れておきます。夜、駅のトイレでこの袋を取り出せば、すぐ着替えられる。

    ソックスは、少し良いものを使っています。私のお気に入りはCEPのソックス。正直、安くはありません。でも、履き心地が非常に良く、仕事で一日過ごした脚で走る帰宅ランでは、この快適さが効きます。道具の中で、地面に接するものにはお金をかける価値がある、というのが私の考えです。

    この「朝の袋詰め」には、もうひとつの効果があります。朝、袋を詰めた時点で、「今日は走って帰る」と自分に宣言したことになる。夜、悪魔がささやいてきても(「このまま帰りたいなぁ」という、あの声です)、リュックの中の黄色い袋が、朝の自分との約束を思い出させてくれます。

    【実践3】財布は持たない。ジップロックで軽量化

    私は普段、長財布を使っています。でも、帰宅ランのときは財布ごとは持ちません。免許証と、銀行のカード(念のため)と、現金1,000円か2,000円だけをジップロックに移して、それだけを持って走ります。

    長財布をそのままリュックに入れると、重いし、かさばるし、揺れます。ジップロックなら、重さはほぼゼロ。汗にも濡れません。現金は、途中の自動販売機での給水用です。夏場は特に、給水できる現金(または電子マネー)を必ず持ってください。

    【実践4】ペースは捨てる。心拍だけを見る

    走り方の話です。

    帰宅ランで、ペースは度外視しています。見るのは、心拍だけです。

    理由は明確で、仕事帰りの身体は、日によってまるで状態が違うからです。よく眠れた日、疲れ切った日、暑い日。同じキロ5分30秒でも、身体への負荷は別物です。ペースで走ると、疲れた日に無理をすることになる。心拍で走れば、その日の身体に合った強度に、自動的に調整されます。

    特に夏場は、ただでさえ心拍が高く出ます。動きの感覚と心拍数が、ずれる。「楽に走っているつもりなのに、心拍が高い」という日が続きます。そこで数字に逆らわないこと。とにかく、無理をしない。夏の帰宅ランは、身体が暑さに慣れるまで、想像以上にゆっくりで構いません。

    そして、暑さに慣れてきた前提での応用をひとつ。コースに短い登り坂があれば、そこだけダッシュを入れることがあります。ゆっくりの帰宅ランの中に、数十秒だけ速筋への刺激を混ぜる。これで、ただのジョグが、少しだけ立体的な練習になります。ただし、これはあくまで身体が夏に適応してからの話です。

    まとめ——帰宅ランは、意志より仕組み

    振り返ると、帰宅ランを続けるコツは、意志の強さではありません。仕組みです。
    20Lのリュックが揺れを抑え、朝の袋詰めが夜の決断を先回りし、ジップロックが荷物を軽くし、心拍がその日の無理を防ぐ。どれも小さな工夫ですが、この小ささが、続く理由です。

    走る時間がない、と感じている方へ。時間は、作るものではなく、置き換えるもの。あなたの毎日の移動の中に、練習時間はすでに隠れています。

    急がず、けれど止まらず。今日も、途中下車から始めましょう。

    この考え方を、実際にどう数字にしているかは、有料の『50代ランナーの実践ノート』に、練習日誌の数字ごと書いています。

    https://note.com/huruoji/m/m1af6d830b928

    あなたへのおすすめ