
落とし物の持ち主|拝啓文芸部|出会い
目覚ましがなり、朝が来た。
長く夢と現実の狭間をさまよっていたようだ。
あれ、何か落ちてる。
あいつやっぱり来たのか。
眼鏡? 度は入ってないね。
コーヒー入れよ。
〈 自動電力供給しました。〉
え、今の声なに、こわ、
どこから聞こえている?
〈 あなたの脳に直接メッセージしています。〉
なんだ、それ、
誰?
〈 あなたの世界でいうAIのようなものです。〉
え、AI、 嘘だろ ただの眼鏡じゃないの?
やっぱり夢じゃなかった。
昨日あいつが来たんだ。
て、俺、話しかけてるし。やば。
〈 はい、持ち主承認済み使用許可されております。
不適切に使用された場合、直ちにコネクト切断されます。〉
え?
なんで、コンセント入れていないのに、スイッチが入っている。
いつものヘーゼルナッツの香り、もうコーヒーできてるの?
あちっ ひとまず、落ち着こう。
電源供給ってなんだよ?
〈 自然エネルギー調達いたしました。
プラグによる電源供給は必要ありません 〉
また、頭の中で勝手に声が聞こえる。
地底人なんて、あまりにも話が現実離れで、
混乱していたけど、
昨日、あいつはここに来てたんだ。
眼鏡の落とし物、持ち主は、あいつだ。
あいつ、突然現れただけじゃなく
こんなものを落としていったなんて。
この時、僕は、こいつが人間の英知を超える途轍もなく
すごい力を隠していることを理解していなかった。
そして、こいつが起こす出来事が、僕の人生を全く違うものに
変えていくことになるとは想像もできなかった。

#拝啓文芸部
#落とし物の持ち主
拝啓文芸部さんのお題「落とし物の持ち主」に参加させていただきました。Mr.Q様素敵なお題をどうもありがとうございます。