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もじもじ社、裏お題、毎週ショートショートnote、ホラー、410字

    もじもじ社やしろは、誰も訪れない古いお社だった。文字文字神もじもじのかみを祀っていたが、村人たちは近寄ることさえ禁じていた。

    民俗学を専攻する佐々木は、調査のためにこのもじもじ社を訪れることにした。苔むしており、足元には雑草が生い茂っている。石段を登るたび、靴の裏が湿気でぬるりと滑る感覚がした。

    登り切ると、小さなお社があった。

    お社の陰に何かが立っていた。真っ白な体に真っ黒な文字列が浮かんでは消える。

    佐々木は動けなかった。冷たい汗が背中を伝い、一歩も動けない。顔を上げると、周囲の木々や石段、社の壁に至るまで、無数の文字が浮かび上がっているのに気づいた。

    浮かび上がる度に、言葉や記憶が欠け落ちていく感覚があった。昨日の食事のことや、道順。そして、自分の名前すらぼんやりとしていった。

    「私は、文字だけでなく、言葉を奪う。人は言葉で人を傷つけ、言葉で人を殺す。人は静寂の中に帰るべきだ」

    神はそう伝えたが、佐々木は、その意味すら理解できなかった。
    (410字)

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    他の方の作品とネタかぶりにならないように意識しています。そのため、もじもじ社などという可愛らしい言葉からは、逆にホラーで反応してしまいました。

     
     
    ・ソニー・ミュージックエンタテインメントのドラマ原案コンテストにてグランプリ受賞。ドラマ化。 ・第20回Yomeba!で優秀作 ・エブリスタ超・妄想コンテスト年間選出数11位(2021年) ・島根県文芸公募 金賞 その他はプロフィールページで

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