メインコンテンツへスキップ
見出し画像

集塵トイレ、毎週ショートショートnote、裏お題



    この部屋の構造、そして、雰囲気…どうやら便器に転生したようだ。古いスーパーのトイレに駆け込んだところにトラックが突っ込んできた。
    異世界転生か?

    「どうも、空気が悪いな。集塵機能をつけられないだろうか?」
    「わかった」
    集塵が始まり、空気が綺麗になる。さっき、わかったと言ったのは…

    「私は神だ。お前もあと一年で付喪神になれたことが不憫で異世界のトイレに転生させてやったのじゃ。残り二つの願いを叶えてやろう」

    この世界にもスマホがあるらしい。なら、頼むのはあれだ。トイレでは着信など気にせずゆっくりしてほしい。

    俺は察しのいい人間だ。相手の好意を素直に受け取る。
    「近くに来た時にはコーヒーでも飲みに来て」と言った取引先に「コーヒー飲みに来ました」と訪問したり、「今度、ランチでも一緒に」と言った上司に「スケジュール開けました。ランチの約束、今日とかどうですか?」と言えるほどだ。

    ただ、俺の周りは、みんな困った顔をする。忘れっぽい人ばかりだ。

    スマホに自動応答する訪問確認機能!
    使用者に「『近くに来たら寄って』と言われてませんか? それなら今すぐ行きましょう!」とリマインドし、最適なルートを案内する。

    お誘い応答機能!
    「今度ランチ行こう」などの発言を検知すると、最寄りの人気店を自動予約し、相手に通知。これで、着信音もなくトイレを満喫できるというものだ。

    「願い事は全て叶えた。お前は前世で人間だったようなことを言う」
    「私は人間でした」
    「なんと、転生に人間が巻き込まれていたのか。便器だけを転生させたはずなのだが。ならば、人間に転生させてほしいと願えばいいのに、なんと、察しが悪い」
    ーーーーーーー

    コメント欄にもう一作、爆誕しましたので、ぜひ、お読みください。

     
     
    ・ソニー・ミュージックエンタテインメントのドラマ原案コンテストにてグランプリ受賞。ドラマ化。 ・第20回Yomeba!で優秀作 ・エブリスタ超・妄想コンテスト年間選出数11位(2021年) ・島根県文芸公募 金賞 その他はプロフィールページで

    あなたへのおすすめ