
水、そして木へ ― 陰陽五行の五日間⑤ | 算命学
今日で十月も終わりです。
今月は、陰陽五行の話を五回に分けて書いてきました。
木から始まり、火、土、金。そして、最後は水です。
五日間、お付き合いくださった読者様、ありがとうございました。
五つの性質をひとつずつ眺めてきましたが、今日は最後の水から、もう一度、木へと戻ります。
朝いちばんに、台所でコップに水を汲みます。
外はまだ暗くて、蛇口から出てくる水がはっきりと冷たい。
飲み残しは、窓辺の鉢植えにやることにしています。
形を持たないもの
水には、決まった形がありません。
コップに入ればコップの形になり、土にしみこめば土の形になります。
自分の形を主張しないかわりに、どんな器にも形を変えて入っていける。
五行のうち、水は下へ流れるものとされます。
上へ伸びる木とは、ちょうど逆の向きです。
季節は冬。方向は北。十二支では、亥と子がここに入ります。
冬は寒い。
その寒さを人の気質に重ねると、冷静さや落ち着きとして表れます。
熱くならない。
騒がない。
一歩引いて全体を眺める。
水の多い人には、そういう落ち着きが表れると考えられています。
知ることと、蓄えること
五つの本能でいうと、水は「習得」にあたります。
知ること。覚えること。蓄えること。
冬の畑は、何も育てていないように見えます。
けれど土の下では、春に向けて力がたくわえられている。
水の季節が冬にあてられたのは、そういうことだろうと思っています。
五徳でいえば、水は「智」です。
仁、礼、信、義、そして智。
五日間でひとめぐりした五つの徳の、最後がここでした。
二つの水
水には、大きいものと小さいものがあります。
十干でいう壬は、清濁あわせ持つ、海や大河のような水です。
広くて、ものを運びます。
もう一方の癸は、雨や露のような純粋な水です。
細かくて、乾いたところにしみこみ、草木を潤します。
算命学の星でいえば、水にあたるのは龍高星(りゅうこうせい)と玉堂星(ぎょうくどうせい)の二つ。
龍高星は動きながら学ぶ星です。
遠くへ行き、見たことのないものに触れて、それを知恵に変えていきます。
ちなみに、ボンちゃんの命式では、中心に「水」の龍高星があります。
その周りを、「火」で伝達の星である鳳閣星(ほうかくせい)と調舒星(ちょうじょせい)という、二つの火の星が囲んでいます。
これで、何となくイメージしていただけるでしょうか。
周囲は山火事で大騒ぎ。
その真っただ中で、当の本人は水風呂につかりながら、「さて、どうしたものか」と考えている。
本人はいたって冷静沈着です。
こういう状況を、水剋火(すいこくか)と言います。
または、水火の激突(すいかのげきとつ)とも言います。
人間社会では、いちばん怒りを買うタイプです。笑
横道にそれました。
玉堂星のほうは、静かに受け継ぐ星。
伝わってきたものを学び、次の手へ渡します。
外へ出ていく知恵と、内に積もる知恵。
同じ水でも、二つの顔があるわけです。
龍高星と玉堂星については、こちらの記事でも詳しくお話ししています。
初日に、やかんの湯と湯気の話をしました。
同じ水が、お湯にもなり、湯気にもなる。
五日かけてひとめぐりしてみると、あのときの二つの顔が、ここでもう一度出てきたことになります。
そして、木へ
水は、木を育てます。
雨が降り、大地にしみこみ、草や木がそれを吸い上げて伸びていく。
このことを、水生木(すいしょうもく)と言います。
木から火へ、火から土へ、土から金へ、金から水へ。
そして水から、また木へ。
(もっかどこんすい)が、ここで輪が閉じました。
五つの性質は、五つの引き出しではありません。
順番に次を生んでいく、ひと続きの流れです。
自然の中でも、私たちの暮らしの中でも、何かが次の何かにつながっていきます。
コップに残った水を、鉢にやります。
この水はこれから、土の中をゆっくり進んで、葉のほうへ上がっていきます。
水が木になるまでを、見届けることはできません。
それでも、形を持たないものが形のあるものに変わる場所に、いま立ち会っているのだとは思います。
木から始まった五日間は、こうして水にたどり着きました。
そして水は、また木を育てます。
ひとつの終わりは、次の始まりにつながっている。
十月も、今日でおしまいです。
今月も読んでくださった読者様、スキやコメントをくださった読者様、ありがとうございました。
五回にわたる陰陽五行の話にも、最後までお付き合いいただき、感謝しています。
明日から11月。
恒例の月初めのごあいさつでした。
また明日お会いしましょう。
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富士山麓よりあなたへ
ボンちゃん