
ボロパンツ捨てたい
10時、事前の予告通り緊急地震速報のテストが町中に鳴り響く。
心底うるさくて嫌そうな顔をしながらソファー毛布にくるまり寝転ぶたびちゃんにいつもと違う低い声色で
「おいで!」
と言ってしゃがみ込み自分の太ももをペシペシ叩くとたびちゃんも何かいつもと違うと察したのかサッと毛布から飛び出て俺の太ももに乗り大人しく抱っこされる。
俺はそのままたびちゃんを抱き上げてバッグとリュックを掴み家を飛び出して階段を駆け上がり家の前の道まで走った。
これにて避難訓練完了とビシッと渋い顔をしていましたがそこに郵便局のバイク走って来て俺の前に止まり郵便物とたびちゃんへの「かわいいですね」を受け取る。
そこで一気に気が抜けて大丈夫だよ家に帰ろうねえと階段を降りて家に戻りました。
普段から言うことを聞いても聞かなくてもいいお手とかお座りとかとは別に滅多に使わないが絶対に言うことを聞いて欲しい時の声色を使い分けている。緊急時に速やかに避難できるようにだ。絶対に守らねばならぬので。
あったかいダウンのサンダルもかなり良いすね。靴履けなかったら怪我したり寒かったり色々良くないことが起きるのでね。
しかし若かりし頃はブーツばかり履いていたが年を経るごとにスニーカーが増えてきた。
いや逆だろ!おじさんがスニーカーはキツいだろ!革靴とか履けよ!という意見も分からんでもない。
でも違うんだ若人よ、聞いておくれ。
おじさんは膝や腰が痛くなってくるのでスニーカーしか無理になってくるのだ。ファッションとか関係ない。肉体の痛みを軽減するためのスニーカー装備なのだ。あまり冷たい目で見ないでおくれ。
おじさんなのに背が割とデカいと負担がモロに関節に来やがるのだ。
マジでサラリーマンとかやって革靴とか履いている同世代から上のおじさん達をみると、痛みに耐えて頑張ってんだよな…と同情してしまうくらいだ。
夏場はリカバリーサンダルで乗り切った。
いや実は今は痛くないんだけど一回関節が痛いのを経験すると歩いている最中にまたあの痛いのがやってきたら死んでしまう…という思いから優しい靴しか履けなくなっていくのだ。トラウマというヤツかもしれん。
なるべくならば歩きたくない。理想の移動手段はおじいちゃんおばあちゃんが乗ってる電動の椅子みたいなヤツ、シニアカーだ。
近所にもアレに乗ってて俺が挨拶するとゆっくり右手を持ち上げるだけの挨拶を返してくれるウールの千鳥格子のジャケットにブラウンのコーデュロイのパンツに革靴に中折れ帽という非常にダンディーなおじいちゃんがいて世界一カッコいい。パステルブルーの電動シニアカーはダサいがそれを補って余りある魅力のあるおじいちゃんだ。葉巻とか咥えていてほしい。
彼のようになりたい。脚なんて飾りだ。
どのような人生を送ればあの仕上がりになるのか、少なくとも40代で足腰が痛いのにビビってスニーカーしか履かんみたいな人生ではないだろうな。人間色んな種類がいておもろいな。
あ、そういえば昨夜たびちゃんが寝ぼけてかわいかったことを書き残しておきたいと思っていたのを思い出したので書きます。
たびちゃんを22時にお布団に入れて寝かせて深夜24時ちょっと前にたびちゃんが急に起きて置いてあったエビのぬいぐるみを咥えて俺の枕元まで持ってきたので遊びたいのかなと思ってエビを掴んで引っ張りっこしようとしたらすんなりエビを口から離してそのままお布団に入ってきてすぐ寝ました。
かわいかったです。走馬灯入り間違いなし。
晴れている風味だったので洗濯機をガンガン回すぞと思って台所のタオルとかも回収して洗濯機にぶち込んで回して何かやり切った顔をしながら外に出たらドス曇っていてウケました。
しかし今回洗ったパンツがヨレヨレのしかなくなっていて嫌でした。
なんかAmazonでhanesの黒い無地のパンツ五枚セットとかを買ってヨレヨレになるまで履くので同じパンツしかないんですけど、見分けがつかないからかお前めちゃくちゃ穿かれているなというパンツとお前まだ新品じゃんみたいなパンツがあって面白いですね。
まあヨボヨボパンツを捨ててまた同じセットを買ってまた同じことを繰り返しますね。
なんか柄がついてるパンツの方が良いのかしら。
いや、いっそもう節約のためにパンツの体をなさなくなるただのボロ布になるまで穿いてみようかな…いよいよ世捨て感が強くなってアレですが。
人は外見じゃなく中身とはいうがパンツの場合はどうなのだろうか。
外見ボロッボロの人間の中身を知りたくなるかどうかという問題もあるので詭弁というか綺麗事だなとは思います。
俺のボロッボロのパンツの中身はまあボロッボロなので外見で判断していただいても大丈夫ですが…
以上です。ご清聴ありがとうございました。マジで災害とか起こらないでほしい。良い加減にしてほしいすね。ボロ布一枚腰蓑のようにまとわりつけて犬を抱いたおじさんが家から飛び出してくる光景を誰も見たくはないでしょうに…safety…