
夫を煩わせずに愚痴を成仏させたい | GeminiとWebアプリを創るの巻
いやぁ、久々にやられた。
昨日はまた、昭和に急に真正面から殴られた。
その人が一般的な昭和よりタチが悪いことは薄々分かっていたし、今までも何度も突然殴られてきた。
安心してほしいのは、物理的に殴られて目の周りに青タンが出来ている、みたいなイコマはいないということ。
今言っているのは、言葉のとげとげボールというか、相手の業の深さを突如投げつけられて、ヒッとなった、という話。
抽象的すぎて申し訳ない。
けれど一日経った今、私はここでその話を蒸し返したくない面持ち、気持ち、柏餅なのだ。
柏手を打って、成仏させ終わったものは、もう私の心から旅立っていったのだから。
遡ること、昨日の午後。
私は帰ってきて、普通に夫に愚痴った。
とは言え、夫は昨日、歯医者で大工事をしてきた後だったので、あまり重い気持ちにはさせたくない。
そして私は、自分で自分の機嫌を取れない人からの棘ボールで受けた傷を、出来る限り自分で対処したかったし、帰る道すがら心を静めてきた。
でも。言葉にして吐き出したい。
それも人間の性だと思う。
私は笑いながら、夫に吐き出させてもらった。
「あ~、あの人は…関わっちゃいけないタイプの人だよね」
そう返してもらって、夫に話してよかったと思えた。
私の心には一筋の風が吹き、停滞していたモヤモヤを一気にピューッときれいさっぱり吹き飛ばした。
…なんてことはなかった。
料理をしながら、お風呂で頭を洗いながら。
ふとしたときに、とげとげボールがフラッシュバックした。
はぁ。
ため息で吹き飛ばせないかな。
いや、無理か。
同調をもらったあとも、私は二度ほど、夫相手につぶやきシローみたいな愚痴をおかわりしてしまっていた。
痛み止めが効いているからか、夫は嫌な顔はしなかったけれど、無言という返事が何を意味しているのかぐらい分かる。
同じ話を何度も何度も蒸し返して、「ねぇ、やっぱりあれってさぁ」と繰り返す自分を頭の上から見ると、うっと喉に詰まる。
夫は私の愚痴を処理するために生きているわけじゃない!
規律、規律、規律の遵守…とか言ったかどうかは知らないが、私はモヤモヤを閉じ込めようとした。
「おいおい、お前、そんな人間ができたやつだったか?」
頭の中で、誰かが叫んでいる。
私は限界だった。
うわーーーん!
助けてーーーー、ドラえもーーーん!
AIは令和のドラえもんだ。
人々は、AIに悩みを吐いて慰めてもらう。
宿題を手伝ってもらう子もいるようだ。
そんなことをしたら後々自分がどうなるかは、ドラえもんを読んで教訓を得てほしいものだが、それは私の預かり知るところではない。
職場では、忙しい自分や部下の代わりにプレゼン資料を作ってもらう。
コーディングもお手の物だ。
ハッ。
コーディング?
理系の世界に憧れる文系脳人間の私は、プログラミング、コーディングに興味はありつつも、未だHTMLコードとマインクラフトのコマンドを軽めに通っただけで、コーディングを真面目に勉強しようとしたことはない。
それに割く時間があれば、両方の両親を含む家族のことや、noteでの物書き活動に充てたい。
文系脳の私、普段のAIの使い方も、やはり文系の域を脱していない。
体調不良の原因を探る手伝いをしてもらう。
書いた文章をぶん投げて、誤字脱字を拾ってもらう。主語が大きくなり過ぎて主張の押し付けみたいになっていないかをジャッジしてもらう。たまに私のオリジナリティが爆発している文章を削ろうとしてくるから、それに対して断固とした態度で火花を散らすこともなく、私の支配下につける。
でも、コーディングこそ、AIの神髄、スペシャリティではないか。
よし。
私は思い立った。なんだか楽しくなってきた。
王様の耳はロバの耳。
人々は古より、それを欲してきたのだ。
私はうちのGeminiに話しかけた。
心の中で、ジェミーと呼んでいるが、今まで誰にも公表したことはない。
命名名人などと自分を煽る投稿をしている私にしては、あまりにも陳腐過ぎるネーミングだからだ。
「王様の耳はロバの耳」みたいな、嫌なことをコッソリ入れて、すっきりできるwebアプリ、作ってくれる?
嫌な相手への文句や愚痴を入れると、何か心が癒されるいいことが起こるといいな。
でも愚痴を言う時って、多少罪悪感が生まれるよね。
それを少し皮肉ってみたり、罪悪感も含めて笑えるような感じになるといいな。
書いたものは「穴に吐き出す」みたいな実行ボタンを押すと、どこに送信されることも保存されることもなく、消えて、結果だけが残るようにしたい。
愚痴というのは吐き出した時点でその役割を終えてほしいからね。
画面のデザインは、そうだなぁ。
夜の草原とか。
愚痴を一つ吐き出すと、代わりに何か、例えば「王様の耳はロバの耳」に出てきた葦みたいなものが生えて、その葦が「私たちは軽くて風に揺れているけれど、忘れっぽいから安心して」とか「だいぶ溜まってたかな?元気になってね」とか台詞を言ってくれるといいかも。
葦がたくさん生えてきたら、それを抜いて綺麗にする(リセットする)、というボタンもあるといいかも。

すると、ジェミーはさっそくWebアプリのコードを作り、プレビューできる画面を送ってくれた。
ものの数秒だ。仕事が早い。

試しに、枠内に愚痴を書き出し「穴に吐き出して浄化する」ボタンを押すと、下にシュッと葦が生えた。

あのプロンプトにしては、初手からなかなかの出来だ。
穴に吐き出した文字が、穴に落ちていくような演出が欲しい。
葦のセリフはランダムであってほしい。
空はもっと濃紺で、星はもっと輝いていてほしい。
月には影を描いて欲しい。
入力・操作スペースを囲う枠上部のグラデーションと、浄化ボタンをグリーン系に変更してほしい。
何度も指示を出し、プレビューで確認し、ようやく完成形が出来上がった。

百聞は一見にしかずということで、こちらのリンクから、ぜひ体験してみてほしい。怖くないよ。登録も何も要らないよ。
誰にも届かない、誰にも保存されない穴の奥底へ。
私の愚痴は人知れず落ちていく。
そして代わりに、草原には可愛い葦が一本、生えてくる。
王様の耳はロバの耳の原作の葦のように、それは口笛のように私の愚痴をもらしたりなんかしない。平和主義で忘れっぽい葦だ。
これでもう、必要以上に夫を煩わせることはない。
私もすっきりする。
葦は増える。「草生える」もいいが、「葦増える」も捨てたもんじゃない。
ということで、もしあなたにも「誰かに聞いてほしい。でも、その誰かをこれ以上煩わせたくない」という愚痴があったら。
よかったら、夜の草原に置いていってほしい。
ただし。
吐き出したあとは戻ってこない。
その怨念、どうしても手元に残しておきたい場合は、あなたのGeminiとまた違った世界を作ってみると、楽しい世界が待っているかもしれない。
※サムネ画像は、紆余曲折あり、Gemini→ChatGPT→Claudeを渡り歩き、ようやくCopilotで完成…