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装束拾要抄(3) 天子の御袍

    天子の御袍おんほう*¹

    麹塵きくじん

    天子常に召すなり。黄櫨染こうろぜんとも称す(文もん竹桐鳳凰*²)。[この段餝抄かざりしょう*³、西三条にしさんじょう装束抄しょうぞくしょう*⁴等による]近衛このえ天養てんよう二年(1145)十一月一日朔旦さくたんの旬しゅん、主上しゅじょう黄櫨染こうろぜんの御袍おんほう着御ちゃくぎょし給う。又醍醐だいご延長えんちょう白河しらかわ承保じょうほうのころ行幸ぎょうこうの御時、臣下も着用の例あり。

    青色あおいろ(文もん黄櫨染に同じ)

    臨時りんじの祭の庭座にわざ、賭弓のりゆみ、弓場始ゆばはじめ等にこれを用いらる。朝覲ちょうきんの行幸ぎょうこうの後、出御しゅつぎょの時或いはこれ用いらるるなり。蔵人くろうどこれ着し、所の雑色ところのぞうしき、御禊ごけい前駆ぜんぐにこれを着するは拝領はいりょうの由なり。

    帛はく

    [この段餝抄ならび西三条装束抄等による]天子神事に従わしめ御たまうの時着御ちゃくぎょ*⁵と云々。帛とは白の平絹へいけんなり。夏は生すずし、冬は練ねり張なり。


    *¹国書データベース版に「御ン袍」とあり「おんほう」とした
    *²「竹桐」の読みは「たけきり」「ちくとう」確定できず
    *³源通方みなもとのみちかた著、鎌倉中期成立
    https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100426738/
    *⁴三条西実隆さんじょうにしさねたか著、室町後期成立
    https://www.digital.archives.go.jp/file/1233979
    *⁵ 原文「天子令従神事御之時着御」
    「御」に「タマフ」と振り仮名あり、類例は確認できず
    餝抄同上、西三条装束抄「天子御神事の時にめす」

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