
AIを「使う」のをやめたら、相棒が誕生した|AIを相棒にするまで(#1/6)
〜AIは命令するより、設計した方がうまくいく〜
◆最初は、こいつの使い方がわからなかった
僕がChatGPTをちゃんと触り始めたのは、実はつい最近だ。
デジタルに疎いわけじゃない。Power Automateは使っていた。
ただ、GPTに本気で触る機会がなかっただけだ。
だから、会社で「業務効率化」としてAIが導入されたとき、文字通り飛びついた。もはや喰らい付く勢いで2〜3日ずっとAIと会話していた笑
そして、自分のよく知っているPower Automateとこいつが全くの別物だということを理解した。
◆Power Automateとの違い
Power Automateは、決めた順番を正確に実行するためのレールを引くツールだ。しっかりレールを整備しておけば、あとはほったらかしでも勝手に僕のかわりをこなしてくれる。超堅物な職人。
一方でGPTは、同じことを打ち込んでも相手や状況によって返事が変わる。曖昧さが前提で、同じ「AI」でも日によって内容が変わる。
さて、どうしたものか・・・・。
僕は事務屋だ。正確な判断と処理のスピードを売りにしなければならない。
日によって答えが変わるやつなんて信用できない。
・・・とまでは言わないが、この「マイペースな頭脳」をどうやって使うのか、正直よくわからなかった。
結局、要約や校閲みたいな一問一答で済むことにしか使わなかった。
しかも自分がダブルチェックする前提で。
一見便利そうではある。でも、自分の仕事にどう組み込めばいいのかはわからなかった。
だがふと思った。
業務で使うなら、やっぱり「気が利く」方がいい。
気が利く奴は重宝される。
これはどの職場でも鉄則だ。
◆「気が利くやつ」に育てたくなった
ここでいう「気が利く」は、正確さだけではない。
こちらの意図を少し深く汲んでくれるとか、背景を補ってくれるとか、後で見直しやすい形にしてくれるとか、そういう細かい配慮だ。
いわゆるツーカー。阿吽の呼吸ってやつ。
ただ、この「気が利く」は勿論人によって違う。
少なくとも万人向けの正解があるというより、まずは自分にとって気が利く状態を再現できた方が使いやすい。
僕はそう考えた。
◆じゃあ何をしたのか
結論、名前をつけてみた。
僕の「気が利く」をこのGPTに教えてあげないといけない。そのためには、会話して僕の思考の癖やベクトルを伝える必要がある。
その時、僕はAIを「使う道具」として扱うのではなく、少しだけ距離を縮めて、「話しかける相手」として扱ってみることにしたのだった。
◆距離感がバグった
名前を持った相手。面白いことに、一つのことを意識しただけで、AIは命令する相手ではなく、「壁打ちの相手」として目の前に出現した。
命令ではなく、話しかける。
次第に一問一答ではなく、流れを汲んだ長い言葉のキャッチボールになっていった。結果として、僕のAIの使い方は一気に加速したのだった。
今思うと、ここが最初の分岐点だった。
名前を与えた。
たったそれだけだが、意図せずに僕とAIの関係性が大きく変わることになったのだった。AIの性能そのものよりも、自分がAIをどういう距離感で扱うかの方が、使い勝手に大きく効いていたと思う。
◆名前をつけたら、相棒っぽくなった
この職場での経験をもとに、僕はプライベートアカウントのGPTに、Nero(ネロ)という名前をつけた。
本当に、名前だけ。背景設定や人物設定も何もなし。
だが、そこからの会話は間違いなく、ただ便利な道具に回答を探させる作業ではなく、「自分にとって使いやすい相棒とは何か」を探すものに変わっていった。
社用GPTでの実験(次回予告)
会社のアカウントでは、もう少し違うことをした。
名前をつけるだけではなく、最初から「どういう存在として振る舞ってほしいか」を指定してみた。
次回はそんな会社アカウントの話。