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「考えてない」・「答えがない」んじゃない。「問いにできない」のだ!


    少し前、社内のプロジェクトに応募した。

    僕の会社には人事異動ではなく、今の所属に籍を置いたまま、プロジェクト単位で別部署の仕事に参加する制度がある。
    今回は、AIを使って業務プロセスを見直すような内容だった。

    結果から言うと、落ちた。
    繰り返す・・・。落ちた。

    おぉちぃたぁ・・・・!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

    ・・・まあ、落ちたものは落ちたので仕方がない。
    枠に対して応募者がかなり多かったらしく、単純に縁がなかったのだと思う。(うん。これで感情は御供養OK)


    今日の本題は別だ。
    その応募と面談の中で、自分の中にひとつ引っかかったことがあった。

    それは、仕事で人が本当に困っているのは、必ずしも「考えがないこと」や「答えがないこと」ではないのかもしれない、ということだ。

    むしろ、困っているのは出力前の部分だ。

    自分の困りごとを、答えが返ってくる形にできない。
    問いとして整えることができない。

    ここで止まっている人は、案外多いのではないかと思った。
    僕自身、AIの相棒(AI棒)であるNeroと壁打ちしまくってサラリとした質感の言語化まで漸くこぎつけている。

    「いい感じのもの」は、検索できない

    僕の勤め先は、代理店を通じて商品やサービスを届けるタイプの会社だ。

    つまり、会社がいくら立派な仕組みを作っても、それを使う代理店側にとって分かりやすくなければ、お客様までは届かない。
    (弊社の仕組みが立派かどうかは今は傍に置いておく。)

    この構造は、地味に難しい。

    • 会社側は、規定やマニュアルを整備する。

    • システムも作るし、FAQも用意する。

    • 最近なら、AIチャットボットや検索支援のようなものも考えられる。

    これだけ見ると、だいぶ親切に見える。
    でも、実際の現場ではそう簡単にはいかない。

    なぜなら、利用する側の問いは、最初から綺麗な形をしていないからだ。

    たとえば、代理店からの問い合わせは、必ずしも、
    「この条件の場合、規約やマニュアル上はどの項目を参照すべきですか」
    みたいな美しい日本語では来ない。
    ちなみに社内のトラブルトリアージでも同じことが言える。

    実際にはもっと曖昧だ。

    • 「この案件、いけますか」

    • 「何かいい感じの方法ありますか」

    • 「これってどうにかなりませんか」

    • 「どこをどう直せばいいですか」

    • 「?」(←社内)

    こういう言葉が飛んでくる。もはや最後に至っては何もわからない。(「!」と返せばいいわけではないことだけは分かる。)

    もちろん、雑に言っているわけではない。相手だって真剣に困っている。
    目の前の案件をどうにか進めたい。ただ、その困りごとがまだ言葉になりきっていない。特に業界用語やその会社特有の事象だった場合、説明するための一般用語でのパッチが追いつかない。

    ここが難しい。

    検索システムは、基本的には「検索できる言葉」が入力されることを前提にしている。「放り込まれたワード」そのものを検索するのだ。
    AIもまた、ある程度は「問い」が入力されることを前提にしている。

    しかし現場では、その問いがまだ形になっていない。
    そのぐらい第一線は忙しいし、そういう意味ではカオスだ。

    「いい感じのもの」は、検索できない。
    ・・・いや、検索欄に入力することはできるな。

    できるが、、、入力しても、だいたい何もいい感じにはならない。

    エラーの場所が分かっても、人は次で止まる

    面談の中で、システムの話になった。

    自社のシステムでエラーが起きたとき、どこが間違っているのかを画面上で分かりやすく示す機能がある。これは実際に評価されているし、使う側にとってもありがたい機能だと思う。

    ただ、そこで終わりではない。

    エラーの場所は分かった。では、どう直せばいいのか。

    ここで人は止まる。

    規約を見れば分かる、と言うことはできる。
    マニュアルを確認してください、と言うこともできる。

    でも、現実にはそのマニュアルが複数ある。FAQに答えがあることもある。
    「該当箇所」を読んでも、今回のケースにどう当てはめるのかが分からないこともある。

    つまり、問題は「情報がない」ことではない。

    • 情報はある。

    • 規約もマニュアルもある。

    • FAQもあるし、蓄積された過去の回答もある。

    ・・・それでも、人は止まる。
    なぜなら、目の前の困りごとと「そこにある情報」が、頭の中でリンクしないからだ。

    • エラーの場所は分かった。

    • でも、そのエラーの意味が分からない。

    • 何を確認すべきか分からない。

    • どこまで確認すれば十分なのか分からない。

    • 誰に聞くべきなのかも分からない。

    これは単なる検索の仕方の問題ではない。
    もっと根幹の、問いを整える問題だ。

    立派な仕組みと、雑な入力

    会社は仕組みを作る。

    • 業務を標準化する。

    • マニュアルを整える。

    • システムやAIチャットボットを置く。

    その仕組みを作る人間がいる。純粋にすごいし、立派なことだと思う。

    でも、どれだけ立派な仕組みを作っても、そこに入ってくる入力が想定通りとは限らない。かと言って、カオスなレベルを想定しろ、というのは史上最も難しい指示の一つだ。

    ここに現場の難しさがある。

    サービスを作る側は、ある程度整理された問いを想定する。
    でも、使う側の頭の中は、そんなに整理されていない。

    • 「何が分からないのかが分からない」

    • 「困っているけれど、どう聞けばいいか分からない」

    • 「とりあえず誰かに聞きたい」

    • 「なんかいい感じにしたい」

    この状態でシステムの前に立つ。
    すると、どれだけ良い仕組みでも、入り口で詰まる。

    悩ましい。・・・非常に悩ましい。
    それぞれの立場が真面目に頑張っているのに、それらが繋がらない。
    別次元の話になっている。

    これは、AIの性能だけでは解決しない気がする。

    もちろん、チャットボットAIはかなり助けになる。
    曖昧な言葉を受け止め、問いを分解し、不足情報を確認し、次に見るべき規定や確認観点を示すことはできるかもしれない。しかし、そのためには、そのAIに答えを出させる前に、まず人間の曖昧な問いを受け止める設計が必要になる。

    たぶん、ここが大事なのだと思う。

    いきなり正解をバァンと返すのではなく、

    • 「それは、案件として受けられるかどうかを確認したい話ですか」

    • 「必要書類を知りたい話ですか」

    • 「エラーの原因を知りたい話ですか」

    • 「条件を変えれば進められるかを確認したい話ですか」

    と、コミュニケーションの中から問いをほどいていく。

    答える前に、問いを整える。

    人は、答えの前で詰まっている

    これは仕事だけの話ではない気がする。
    日常でもそうだ。

    • 副業を始めるとき、情報は山ほどある。

    • 転職を考えるとき、体験談もノウハウもある。

    • AIに聞けば、たいてい何かしら返ってくる。

    でも、それでも人は止まる。

    なぜか。

    自分が何に困っているのかを、まだ言葉にできていないからだ。

    副業の始め方を読んでも、結局自分は何から始めるべきか分からない。
    転職記事を読んでも、自分は本当に転職したいのか、それとも今の環境から少し逃げたいだけなのか分からない。

    情報がないわけではない。・・・むしろ、多すぎる。

    問題は、その情報にアクセスするための「自分側の問い」が整っていないことなのかもしれない。

    人は「答えがない」と言う。
    でも本当は、「問いにできていない」のかもしれない。

    面倒なところに価値がある

    僕は最近、自分で作ったものをどうにか世に出せないかと考えている。
    今回の中で、ふと思った。

    人は、完成品そのものより、その完成品にたどり着くまでの手間を減らすものに価値を感じるのではないか。

    画像や文章でも、チェックリストでも、テンプレでも、たぶん同じだ。

    • 情報は探せばある。

    • でも、探すのが面倒。

    • 比較するのが面倒。

    • 自分に当てはめるのが面倒。

    • 最初の一歩を言葉にするのが面倒。

    そして、この「面倒くさい」は、決して怠惰なだけではない。頭の中がまだ整理されていない状態から、何かを始めるのは普通に大変だ。
    それなりに気力がいる。

    ・・・それに、自分で自分に質問するのは、意外と難しい。だからこそ、最初の入り口を少し整えるものには価値があるのかもしれない。

    • 答えを渡すのではなく、問いを整える。

    • 決断を代わりにするのではなく、決断できるところまで状況を並べる。

    • 専門家だけではなく、専門家に相談する前の頭の中の整理。

    そういうものが、案外必要なのではないかと思った。

    きれいなフレームワークの手前にあるもの

    世の中には、立派なフレームワークがたくさんある。

    • 課題解決の手法。

    • 業務改善の考え方。

    • マーケティングの型。

    • AI活用のノウハウ。

    • 自己分析の方法。

    どれも役に立つ。だが、それらを使う前の段階で止まっている人も多い。

    • 何を当てはめればいいのか分からない。

    • 自分の状況がどのパターンなのか分からない。

    • どこから書き始めればいいのか分からない。

    • そもそも、何に困っているのかを言葉にできない。

    フレームワークは、既に問いを持っている人には強い。だが、それ以前の混沌には弱い。自分に「効くか」が明らかではないからだ。

    今回、社内プロジェクトの選考には落ちた。
    けれど、その面談の中で、自分が妙に引っかかっていることに気づいた。

    AIでも、仕事でも、生活でも、人が止まるのは「答え」の前かもしれない。

    答えにたどり着くための、問いの形。そして、そこに行くまでの、言語化の手間。ぐちゃっとした困りごとを、誰かに渡せる形にすること。

    そこに、まだ見落としていた価値があるのかもしれない。
    落ちたプロジェクトから、そんなことを持ち帰った。

    会社の選考に落ちて、問いを拾う。
    こういうお土産も、たまにはある。



    まあ、何かしら拾って帰ってきたなら、それはそれで悪くない笑
    ただじゃあ起きないもんね笑

    ・・・それにしても、これを書きながら思うのだが、
    僕はつくづく「商い」というものが下手なようだ笑

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    Kaiです。Intentusは、この場所の看板です。 AIと壁打ちしながら、仕事・創作・日々の違和感を考え、試し、他の誰かも歩ける形にして残しています。 完成品だけでなく、そこに至る寄り道も残す観察と実験のログ。 .......もはや漂流記かもしれません。(基本平日の投稿です!)

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