
これから伸びる株を考える。そして、ミーム株に人が惹かれる理由。
次に伸びる株を知りたい。
投資をしていれば、そう思うのは自然なことだ。
僕も、これから必要とされる企業や、利益を伸ばせる可能性のある企業には関心がある。
一方で、業績の説明だけでは理解しにくい勢いで上がる株もある。
SNSで話題になり、投資家の注目が集まり、大きく値を動かす「ミーム株」だ。
企業の成長を追う投資と、人々の熱量が動かす相場。
今回は、その両方について書いてみたい。
僕が大切にしたいのは、自分が何を理由に買おうとしているのかを、分かっておくことだ。
※2026年10月23日時点で確認した公開情報をもとにしています。以下は中長期の調査候補であり、現在の株価を割安と判断したものではありません。
僕が成長を追いたい、日本株三社
今、僕が調べ続けたい分野は、AIを支える半導体の技術と、電力・社会インフラだ。
ただ、需要が伸びる分野にいるだけでは足りない。
その需要を売上に変え、費用を払ったあとに利益を残せるか。さらに、その成長を今の株価がどこまで織り込んでいるかを確認したい。
アドバンテスト〈6857〉――半導体を「検査する力」
AI向けの半導体が高度になれば、つくる技術とともに、正しく動くかを確かめる技術も重要になる。
アドバンテストは、半導体の検査装置を手がける企業だ。
2026年7月29日公表の第1四半期決算では、売上高は前年同期比39.3%増、営業利益は53.3%増。会社は、AI関連の高性能半導体向け検査装置の需要拡大を説明している。(advantest.com)
僕が注目するのは、AIの普及に加えて、半導体の複雑化が検査需要を支える可能性だ。
ただし、大きく成長している企業ほど、高い期待も寄せられる。
次に確認したいのは、顧客の投資が続くか、利益率を維持できるか、会社の見通しが市場の期待に届くか。
成長の強さを見たい企業だが、買う価格には慎重でありたい。
ディスコ〈6146〉――半導体を「切る・削る・磨く」技術
半導体の製造は、設計だけでは完結しない。
素材を薄くし、細かく切り分け、必要な品質に仕上げる工程もある。
ディスコは、こうした精密加工の装置や、加工に使う消耗品を提供している。主な顧客は半導体・電子部品メーカーだ。(disco.co.jp)
僕が魅力を感じるのは、最終製品のブランドの裏側で、製造工程を支えている点だ。
高度な半導体が必要とされるなかで、同社の技術がどの工程で選ばれ続けるかを追いたい。
ただし、半導体関連の設備投資には波がある。技術力のある企業でも、顧客の投資延期の影響を受ける可能性はある。
同社は10月22日に第2四半期の決算資料を公表している。ここからは、その新しい資料を軸に、出荷や利益、今後の見通しを確認したい。(www-hq.disco.co.jp)
アドバンテストと併せて持つ場合も、「銘柄が二つだから十分に分散できた」とは考えない。半導体投資という共通の影響を受け得るからだ。
日立製作所〈6501〉――デジタル化と、現実のインフラをつなぐ
AIが広がっても、電力や設備、交通などの土台は必要になる。
僕は、デジタルの成長と、現実のインフラをつなぐ企業にも目を向けたい。
日立の2026年7月29日公表の第1四半期資料では、売上収益は前年同期比20%増。エナジーを中心に、デジタルシステム&サービス、モビリティなど四つのセクターすべてで増収増益だったと説明している。(hitachi.com)
ここから僕が見たいのは、成長する事業が全社の利益をどれだけ押し上げるかだ。
大きな受注があっても、実行する費用が増えれば、期待した利益が残らない場合がある。
事業の広さを安心材料だけで捉えず、部門ごとの利益や、実際に手元へ入るお金まで確認したい。
三社に共通する、僕の確認事項
この三社を挙げた理由は、将来の需要と、それを支える技術や事業を調べる余地があるからだ。
短期で急騰しそうだと予想したわけではない。
企業 成長を見たい点 見方を見直す材料
アドバンテスト 高性能半導体の検査需要 顧客投資の減速、利益率の低下
ディスコ 精密加工技術への需要 出荷の鈍化、設備投資の延期
日立製作所 電力・デジタル・社会インフラ 採算悪化、成長事業の失速
そして、どの企業でも最後に確かめたいのは価格だ。
良い企業の株を買っても、高すぎる価格なら、長く利益が出ないことがある。
「伸びる会社を探す」と「利益が期待できる価格を考える」は、セットで行いたい。
では、ミーム株の魅力は何なのか
ミーム株とは、SNSなどでの話題や投資家の熱量によって、強い注目を集める株を指す呼び方だ。正式な業種分類ではなく、何をミーム株と呼ぶかにも幅がある。(finra.org)
僕は、その魅力を頭から否定するつもりはない。
一つ目は、短期間で大きく動く可能性だ。
長い時間をかけて企業の成長を待つ相場とは違う速度に、人は惹かれる。
二つ目は、参加している感覚だ。
同じ銘柄について情報を交わし、期待を語り、値動きを共有する。株を持つことに、コミュニティへ加わる意味が重なる場合がある。
三つ目は、個人の声が市場へ届くという物語だ。
企業の決算だけでなく、人の注目や感情が値段を動かす。その様子は、相場の面白さでもあると思う。
ただし、その魅力が、そのまま利益の得やすさになるわけではない。
「空売りが多いから上がる」とは限らない
ミーム株の話でよく登場するのが、ショートスクイーズだ。
空売りをしていた投資家が、株価上昇による損失を抑えるために買い戻し、その買いがさらに上昇を強める現象をいう。
ただ、ミーム株の上昇を、すべてこの仕組みで説明するのは乱暴だ。
米SECの2021年のGameStopに関する報告書も、空売りの買い戻しだけでは、数週間にわたった株価上昇を説明できず、投資家の強い期待が重要だったと分析している。(sec.gov)
「空売りが多い」
「みんなが持ち続けている」
その情報だけでは、次に上がるかは分からない。
SNSの投稿から、参加者全員の保有状況や売却予定を知ることもできない。
同じ株を応援していても、同じ値段で買い、同じタイミングで売るわけではない。
この点は忘れたくない。
僕なら、買った理由を途中ですり替えない
企業の成長を期待して買うなら、決算や事業の変化を確かめる。
短期的な人気や資金の流れを見て買うなら、その人気が弱まった場合の対応を決める。
この違いを、自分の中ではっきりさせたい。
僕が避けたいのは、勢いに乗ろうとして買った株が下がったあとで、調べないまま「長期投資だから」と言い換えることだ。
逆に、長期で成長を見たい企業を、SNSの空気が変わっただけで手放すのも、最初の考えと合っているか確認したい。
米SECの投資家向け注意喚起も、SNSで注目される株の短期売買では、大きな損失や、想定した価格で売買できない可能性などを挙げている。(investor.gov)
ミーム株を見るなら、僕は注文する前に三つを書いておきたい。
* 何を理由に買うのか。
* 何が変わったら、その理由が崩れるのか。
* 大きく下落しても、生活を変えずに済む金額か。
損切りの注文を入れていても、急な値動きでは予定どおりの価格で売れるとは限らない。金額そのものの管理が必要になる。
成長にも、熱狂にも、価格がある
企業が社会に必要とされること。
多くの投資家が、その株に注目すること。
どちらも、株価を考えるうえで大切な要素だ。
僕は、事業が伸びていく過程を追う面白さも、人々の熱量が市場を動かす面白さもあると思っている。
ただ、魅力を感じた瞬間に、購入金額まで決めてしまいたくはない。
調べる価値がある企業なのか。
今の価格で買う理由があるのか。
その判断が外れても、次を考える余裕が残るのか。
伸びそうな株を探すときほど、自分が何に期待し、その期待にいくら払うのかを、言葉にしておきたい。
それが、僕の株との向き合い方だ。
伊勢谷|お金の扱い方
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出典・情報の時点
確認日:2026年10月23日。銘柄への見解は筆者の考えです。株価の割安・割高を定量評価したランキングではありません。
・アドバンテスト「Financial Review」
2026年7月29日公表、2026年度第1四半期の業績・需要説明。
・ディスコ「どんな会社?」/IRニュース
事業内容と、2026年10月22日の決算資料公表を確認。
・日立「2027年3月期 第1四半期 連結決算の概要」
2026年7月29日公表。
・FINRA「Social Media-Influenced Investing」
2025年12月公表。ミーム株とSNSを通じた投資に関する整理。
・米SEC「2021年初頭の株式・オプション市場に関する報告書」
2021年10月公表。GameStopなどの過去の事例を分析した資料であり、現在の値動きを示すものではありません。
・Investor.gov「SNSで話題の株を短期売買する際のリスク」
2026年10月23日確認。
※株式投資には元本割れのリスクがあります。本記事は特定銘柄の値上がりや利益を保証するものではありません。